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第129話 初恋の想い出と2人だけのディナー⑥
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「食器?お店で売る分のこと?」
「はい。それと、ご報告があるので、オンスリーさんと、集落をまとめているオッジさんを呼んでいただけないでしょうか?」
「おじいちゃんとオッジさんを?
別に構わないけれど……。」
そう言って、アシュリーさんは、2階からオンスリーさん、外に出てオッジさんと、コボルトの食器作り職人をまとめているという、ナーラさんを呼んできてくれた。
オンスリーさんはブルドッグタイプ、オッジさんはビーグルタイプ、ナーラさんはバセンジータイプのコボルトだ。
「私にお願いがあるというのは、どういう内容でしょう?」
ナーラさんが俺に尋ねてくる。
「実は、今度ノインセシア王国の現国王の母君であるメイベル王太后の依頼で、料理を振る舞うことになったのですが、俺が考えている料理を盛り付けるのに、特別製のプレート皿を作って欲しいと思いまして。」
「プレート皿、ですか?」
「こんな感じのものなのですが。」
俺は何でも出せるスキルを使い、マジックバッグから出したかのように見せながら、見本になるプレート皿を出してテーブルの上に置いた。
「仕切りのある皿なのですが、この仕切りをこういう風に作っていただきたいのです。
できますでしょうか?」
俺は画用紙を取り出して、そこにバームクーヘンを半分にしたような、半円状の皿を描いてナーラさんに渡した。
「出来ると思います。特に難しくはなさそうですね。子ども向けの皿は、こういう仕切りのあるものを作りますし。」
「そうですか!ぜひお願いします!
それと、これも今後売り出していこうと思っていますので、今回は6つだけで結構なのですが、この先数を作っていただけないでしょうか?」
「わかりました。」
とナーラさんが請け負ってくれた。
「それで、我々も呼んだということは、何か店に進展があったということですかな?」
とオンスリーさんが聞いてくる。オッジさんも興味津津といった様子だ。離れたところでアシュリーさんがこちらを見ている。
「はい。今回の料理を作る事と引き換えに、むこう30年間、コボルトの店から食材や皿やオンバ茶を定期的にノインセシア王国が仕入れる契約書を作っていただけると、メイベル王太后様が保証してくださいました。」
「──むこう30年ですって!?」
驚いた声を上げたのはアシュリーさんだ。
「俺も驚きましたが、事実です。
俺としては、店が軌道に乗ったら皆さんにお譲りするつもりでいたのですが、それだと譲渡時に莫大な税金がかかるようなのです。売上ベースでの計算になるとのことで。」
オンスリーさんとオッジさんが身構える。
「ですので、皆さんには俺から店の資金を借金していただく形で、初めからコボルトの店としてはじめてしまうのはどうかと提案したいのです。そうすれば皆さんにかかるのは商品の売上に対しての税金だけです。」
「そこでメイベル王太后の売買契約が生きてくる、とわけだね?ジョージ。」
オッジさんがそう言う。
「はい。元々仕入れるつもりではいたようですが、契約書をかわして保証することを俺へのお礼にしたいと。それがあれば安心して借金出来るのではないかと思いました。」
「確かにそうだな……。王都に店を構えるための借金なんて、いくらかかるか分からないし、莫大な税金がかかるとは言っても先の話だ。今すぐ借金をするよりも、将来かかる税金の為に金をためたほうがいいという者も多いだろう。だが、その購入保証があるのなら話は違ってくる。」
「はい、とてもメリットのある話だと思いました。仕入れを保証する契約書ですから、ノインセシア王国側から違えることはできませんので。」
「分かった、それを含めた上でみんなには話してみよう。」
オッジさんとオンスリーさんがそう請け負ってくれた。
「では、皿ができたらお知らせしたいのですが、どのようにすればよろしいでしょう?」
「これを使ってください。」
俺はルピラス商会のエドモンド副長から譲って貰った、ミーティアをナーラさんに手渡した、手紙を飛ばす無属性魔法で、手紙が鳥の姿になって飛ぶのだ。
「書いた手紙が鳥になって俺のところに飛んできますので。」
「わかりました。」
俺はみんなにお礼を言って、コボルトの集落をあとにした。自宅に帰って料理の数々を試した。あとは盛り付けの皿が出来るのを待つだけだ。
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「はい。それと、ご報告があるので、オンスリーさんと、集落をまとめているオッジさんを呼んでいただけないでしょうか?」
「おじいちゃんとオッジさんを?
別に構わないけれど……。」
そう言って、アシュリーさんは、2階からオンスリーさん、外に出てオッジさんと、コボルトの食器作り職人をまとめているという、ナーラさんを呼んできてくれた。
オンスリーさんはブルドッグタイプ、オッジさんはビーグルタイプ、ナーラさんはバセンジータイプのコボルトだ。
「私にお願いがあるというのは、どういう内容でしょう?」
ナーラさんが俺に尋ねてくる。
「実は、今度ノインセシア王国の現国王の母君であるメイベル王太后の依頼で、料理を振る舞うことになったのですが、俺が考えている料理を盛り付けるのに、特別製のプレート皿を作って欲しいと思いまして。」
「プレート皿、ですか?」
「こんな感じのものなのですが。」
俺は何でも出せるスキルを使い、マジックバッグから出したかのように見せながら、見本になるプレート皿を出してテーブルの上に置いた。
「仕切りのある皿なのですが、この仕切りをこういう風に作っていただきたいのです。
できますでしょうか?」
俺は画用紙を取り出して、そこにバームクーヘンを半分にしたような、半円状の皿を描いてナーラさんに渡した。
「出来ると思います。特に難しくはなさそうですね。子ども向けの皿は、こういう仕切りのあるものを作りますし。」
「そうですか!ぜひお願いします!
それと、これも今後売り出していこうと思っていますので、今回は6つだけで結構なのですが、この先数を作っていただけないでしょうか?」
「わかりました。」
とナーラさんが請け負ってくれた。
「それで、我々も呼んだということは、何か店に進展があったということですかな?」
とオンスリーさんが聞いてくる。オッジさんも興味津津といった様子だ。離れたところでアシュリーさんがこちらを見ている。
「はい。今回の料理を作る事と引き換えに、むこう30年間、コボルトの店から食材や皿やオンバ茶を定期的にノインセシア王国が仕入れる契約書を作っていただけると、メイベル王太后様が保証してくださいました。」
「──むこう30年ですって!?」
驚いた声を上げたのはアシュリーさんだ。
「俺も驚きましたが、事実です。
俺としては、店が軌道に乗ったら皆さんにお譲りするつもりでいたのですが、それだと譲渡時に莫大な税金がかかるようなのです。売上ベースでの計算になるとのことで。」
オンスリーさんとオッジさんが身構える。
「ですので、皆さんには俺から店の資金を借金していただく形で、初めからコボルトの店としてはじめてしまうのはどうかと提案したいのです。そうすれば皆さんにかかるのは商品の売上に対しての税金だけです。」
「そこでメイベル王太后の売買契約が生きてくる、とわけだね?ジョージ。」
オッジさんがそう言う。
「はい。元々仕入れるつもりではいたようですが、契約書をかわして保証することを俺へのお礼にしたいと。それがあれば安心して借金出来るのではないかと思いました。」
「確かにそうだな……。王都に店を構えるための借金なんて、いくらかかるか分からないし、莫大な税金がかかるとは言っても先の話だ。今すぐ借金をするよりも、将来かかる税金の為に金をためたほうがいいという者も多いだろう。だが、その購入保証があるのなら話は違ってくる。」
「はい、とてもメリットのある話だと思いました。仕入れを保証する契約書ですから、ノインセシア王国側から違えることはできませんので。」
「分かった、それを含めた上でみんなには話してみよう。」
オッジさんとオンスリーさんがそう請け負ってくれた。
「では、皿ができたらお知らせしたいのですが、どのようにすればよろしいでしょう?」
「これを使ってください。」
俺はルピラス商会のエドモンド副長から譲って貰った、ミーティアをナーラさんに手渡した、手紙を飛ばす無属性魔法で、手紙が鳥の姿になって飛ぶのだ。
「書いた手紙が鳥になって俺のところに飛んできますので。」
「わかりました。」
俺はみんなにお礼を言って、コボルトの集落をあとにした。自宅に帰って料理の数々を試した。あとは盛り付けの皿が出来るのを待つだけだ。
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