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第128話 初恋の想い出と2人だけのディナー③

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 そこでシーサーペントとマンドラゴラを手に入れて貰うことにした。俺が単独で狩るのは難しいし、手に入るのであればそれに越したことはない。
 それと一角兎とケルピーを狩ってマジックバッグに入れ、以前一角兎の肉を格段に柔らかくする方法を発見した、宮廷料理人であるロンメルを尋ねた。

 ロンメルはまだ勤務中だったが、メイベル王太后の取り計らいで、一時仕事を抜けてきて貰うことが出来た。
「──どうしたんだ?お前が仕事中に呼び出すなんて、珍しいな?」
 不思議そうにしながらも、ロンメルが爽やかに微笑みかけてくれる。

「……じつはな……。メイベル王太后の密令で、ジョスラン侍従長にお祝いの料理を振る舞うことになったんだ。」
「へえ!そいつは凄いな!
 それで、それと俺にどんな関係が?」
「以前お前がパーティクル公爵家で作った、一角兎を柔らかくする方法を教えて欲しいんだが。」

「ああ、そういうことか!一角兎は味はいいんだが肉がちょっと硬いからな。
 構わんよ、他ならぬジョージの頼みだからな。それにメイベル王太后の希望とあっちゃ断れんさ。」
「すまんな、仕事中なのに。」

「いや、問題ない。」
 ロンメルは俺に、エディスの実を使って肉を柔らかくする方法を教えてくれた。
 ロンメルに礼を言って王宮をあとにし、さて、問題は残りの食材をどうしようと思いながら歩いていた。

 手に入れたいと思っているのは、今回教えて貰ったアビスドラゴン、カセウェアリーだが、火山に向かわないといないという。
 だが俺が狩りに使うのはオリハルコン銃だ。火薬は熱に弱い。地底火山なんて場所に行ったら、暴発しないとも限らないのだ。

 やはりここは、ワイバーンやオークをしとめた時のように、檻の中に出現させてそこをしとめるしかないと思うが、敵は伝説の魔物だ。ワイバーンの時のように、檻を壊して逃げられないとも限らない。Aランクのワイバーンですら檻を壊したんだからな。人気のない山に登ろう。

 俺はとあるものをマジックバッグに入れ、山を登った。
「よし、ここでいいか。」
 以前ワイバーンを出して倒した場所と同じ開けた場所までくると、俺はマジックバッグにしまってあった鉄の檻を出して地面に置き、少し離れたところからオリハルコン銃を構えた。

 俺は前世でも狩りをする人間だったので、オリハルコン銃はライフル仕様だ。武器防具職人であるヴァッシュ・バーグさんという人の特注品である。
 銃を使って狩りをする冒険者がおらず、作ったものの倉庫に眠っていたのを俺が譲り受けたものだ。

 まずはなんでも出せる能力を使って、カセウェアリーを鉄の檻の中に出現させる。
 世界一凶暴な鳥と同じ名を持つ魔物だけあって、まあ気性が荒かった。
 いきなり鉄の檻に体当りして壊そうとし、地面に固定されていない檻がひっくり返った。

 カセウェアリーを出現させた時点で、冷静にオリハルコン銃で狙いを定めていた俺は、激しく動くせいで狙いがブレるカセウェアリーに、オリハルコン銃を作ったヴァッシュさんに貰った水属性弾を放った。
 1発、2発、3発。カセウェアリーはピクピクと動いていたが静かになった。

 火に強いというから単純に水属性弾にしてみたが、どうやら有効だったようだ。
 だが問題はアビスドラゴンだった。
 カセウェアリーを鉄の檻から取り出してマジックバッグに入れ、鉄の檻を再びまっすぐ立て直す。

 そしてアビスドラゴンの子どもを鉄の檻の中に出現させたのだが、子どもとは言え、さすがは珍しいドラゴンだった。
 大人のワイバーンよりは小さいが、かなり大きい。それが一瞬で鉄の檻を破壊して、檻の外に飛び出してしまったのだ。
 俺はマジックバッグの中から、事前に準備していた魔法陣が描かれた紙を取り出した。

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