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第112話 一目惚れって信じるか?④
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……。俺も上半身裸なんだが。俺はミスティさん的にガッチリし過ぎということか。
まあ、胸板とか凄いもんな、この体。
「さあ……たずねたことがないです。仕事ぶりに年齢は関係ないと思っているので。」
「そうですか……。」
エドモンドさんが脱いだシャツをレーンの上に置き、ボタンを押すと、レーンが自動で動いて、左端の上に置かれた機械から、生活魔法の込められた光が降り注ぎ、汚れを感知してキレイにしたあと、端に設置された籠の中へと、自動でポトンと服が落ちる。
またレーンが動いて、次の服の汚れを感知してポトンと籠へと落ちる。それを繰り返した後で、レーンが自動的に止まった。
「服を確認してみていただけますか?」
俺たちは籠に近寄り、籠を持ち上げて中の服を取り出してみた。
「!!!!?熱石押しがかけられている?」
エドモンドさんが驚愕した目で、服をひっくり返したりして確認している。
「火魔法と水魔法の魔石も組み込んで、同時に熱石押しも行えるようにしてみました。
仕事着の洗濯ということでしたので、出来たほうがよいかと思いまして……。」
ただ、広げた形にして置かないと、袖とか曲げた形のまま、熱石押しがかかっちゃうんですけどね、とミスティさんは笑った。
「あて布をせずに熱石押しをかけられるってことですか!?凄いですね、ミスティさん!
期待以上の出来ですよ!!」
「──キャッ!?」
「あっ!申し訳ありません。」
上半身裸のまま、思わずミスティさんを抱き締めてしまったエドモンドさんに、ミスティさんが真っ赤になってうつむいている。
「本当にありがとうございます。これで俺たちの商売は、成功したも同然ですよ!」
「そんな……。期待にお応え出来て、私こそ良かったです。ありがとうございます。」
ミスティさんはとても嬉しそうだった。
俺も自動アイロンは予想外だ。かなり人手が減らせるぞ。火魔法と水魔法の魔石も必要になるが、この効率の良さを考えたら、そんな経費は大した問題じゃない。
うちにも欲しいくらいだな。自宅用に小型も開発して欲しい旨を伝えると、すぐに取り掛かりますとミスティさんは笑顔になった。俺は受付で代金を精算すると、マジックバッグに自動洗浄機改め、自動熱石押し機能付き洗浄機をしまって、ミスティさんにお礼を言って、ヴァッシュさんの工房をあとにした。
帰りの馬車の業者席の隣で、エドモンドさんは終始大興奮だった。これなら特別料金を取らなくてもいけるぞ!大成功間違いなしだぞジョージ!と、ひたすら言っている。
生活魔法と火魔法と水魔法の魔石は、ルピラス商会に言えば手に入るとのこと。
自動食器乾燥機能付き洗浄機の為に、大量に生活魔法の魔石を仕入れているので、ルートは確保出来ているとのことだった。
すぐに契約書を交わして宣伝するから、生活魔法使いも集めるよう、言って欲しいとのことだったので、それを了承した。
「──ところでな、ジョージ。一目惚れって信じるか?俺はミスティさんに一目惚れしちまったみたいだ。俺の理想はな、向上心があって、人が気付かないところにまで、気の回せる人なんだ。まさに理想の女神だよ。
今まで取引してきてたのに、あんな女性がいると知らなかったなんて大きな損失だ。」
照れくさそうに、そう言って微笑んだエドモンドさんに、ミスティさんも、どうやらエドモンドさんがタイプみたいですよ、と告げたところ、大興奮したエドモンドさんが、やたらめったら馬車を早く走らせた為、俺はルピラス商会につく頃には、馬車酔いしてぐったりしてしまい、しばらくソファーで横にならせて貰う羽目になったのだった。
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まあ、胸板とか凄いもんな、この体。
「さあ……たずねたことがないです。仕事ぶりに年齢は関係ないと思っているので。」
「そうですか……。」
エドモンドさんが脱いだシャツをレーンの上に置き、ボタンを押すと、レーンが自動で動いて、左端の上に置かれた機械から、生活魔法の込められた光が降り注ぎ、汚れを感知してキレイにしたあと、端に設置された籠の中へと、自動でポトンと服が落ちる。
またレーンが動いて、次の服の汚れを感知してポトンと籠へと落ちる。それを繰り返した後で、レーンが自動的に止まった。
「服を確認してみていただけますか?」
俺たちは籠に近寄り、籠を持ち上げて中の服を取り出してみた。
「!!!!?熱石押しがかけられている?」
エドモンドさんが驚愕した目で、服をひっくり返したりして確認している。
「火魔法と水魔法の魔石も組み込んで、同時に熱石押しも行えるようにしてみました。
仕事着の洗濯ということでしたので、出来たほうがよいかと思いまして……。」
ただ、広げた形にして置かないと、袖とか曲げた形のまま、熱石押しがかかっちゃうんですけどね、とミスティさんは笑った。
「あて布をせずに熱石押しをかけられるってことですか!?凄いですね、ミスティさん!
期待以上の出来ですよ!!」
「──キャッ!?」
「あっ!申し訳ありません。」
上半身裸のまま、思わずミスティさんを抱き締めてしまったエドモンドさんに、ミスティさんが真っ赤になってうつむいている。
「本当にありがとうございます。これで俺たちの商売は、成功したも同然ですよ!」
「そんな……。期待にお応え出来て、私こそ良かったです。ありがとうございます。」
ミスティさんはとても嬉しそうだった。
俺も自動アイロンは予想外だ。かなり人手が減らせるぞ。火魔法と水魔法の魔石も必要になるが、この効率の良さを考えたら、そんな経費は大した問題じゃない。
うちにも欲しいくらいだな。自宅用に小型も開発して欲しい旨を伝えると、すぐに取り掛かりますとミスティさんは笑顔になった。俺は受付で代金を精算すると、マジックバッグに自動洗浄機改め、自動熱石押し機能付き洗浄機をしまって、ミスティさんにお礼を言って、ヴァッシュさんの工房をあとにした。
帰りの馬車の業者席の隣で、エドモンドさんは終始大興奮だった。これなら特別料金を取らなくてもいけるぞ!大成功間違いなしだぞジョージ!と、ひたすら言っている。
生活魔法と火魔法と水魔法の魔石は、ルピラス商会に言えば手に入るとのこと。
自動食器乾燥機能付き洗浄機の為に、大量に生活魔法の魔石を仕入れているので、ルートは確保出来ているとのことだった。
すぐに契約書を交わして宣伝するから、生活魔法使いも集めるよう、言って欲しいとのことだったので、それを了承した。
「──ところでな、ジョージ。一目惚れって信じるか?俺はミスティさんに一目惚れしちまったみたいだ。俺の理想はな、向上心があって、人が気付かないところにまで、気の回せる人なんだ。まさに理想の女神だよ。
今まで取引してきてたのに、あんな女性がいると知らなかったなんて大きな損失だ。」
照れくさそうに、そう言って微笑んだエドモンドさんに、ミスティさんも、どうやらエドモンドさんがタイプみたいですよ、と告げたところ、大興奮したエドモンドさんが、やたらめったら馬車を早く走らせた為、俺はルピラス商会につく頃には、馬車酔いしてぐったりしてしまい、しばらくソファーで横にならせて貰う羽目になったのだった。
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