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第106話 裏庭のバーベキューパーティー②
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目線を落とした俺を応援するかのように、テーブルの上で俺を見上げたキラプシアが、作った串を応援団の旗のように振っている。
「……励ましてくれるのか?ありがとうな。優しいな、キラプシア。」
俺はキラプシアの頭をそっと撫でた。キラプシアはチチィ!と鳴いた。
「そう言えば!譲次、あなた知ってたの?アシュリーさんが、もしも私がこの国の所属に決まったら私に同行してくれるってこと!」
「ああ。手紙で聞いてたよ。まあ前回の聖女様がこの国に降臨されているからな、また今回もという可能性は低いかも知れないが、アシュリーさんはおじい様のオンスリーさんの実績があるからな。この国所属になることがあれば、可能性があるとは思っていたが。」
「それで私のことを聖女だって話したのね!
もともと私の存在を知ってるルピラス商会の……、ええと、どなただったかしら。」
「エドモンドさんか。」
「そう、エドモンドさんはともかく、アシュリーさんとララさんがいるのに話すから、ちょっと、え?って思っていたのよね。話しても良かったのかしら?って。」
「ああ、そうか。すまない。ジョスラン侍従長が俺に言ってくるくらいだから、お前はとっくに王族と面会した時に、聞かされているものだと思っていたんだ。」
「ううん。まったくの初耳よ。でもそうなったら嬉しいわ!きっとアシュリーさん人気者になれるもの!そしたらコボルトの風評被害なんて、あっという間に解決するわね!」
「だといいな。だがもしもそうならなくとも店を始めることで解決してみせるさ。」
「私も出来る限り協力するわ。と言っても、ネイルのデザインくらいしか、協力出来ることはないけどね。」
「お前のデザインがあれば百人力さ。ずっと温めてたデザインを放出してくれただろ?例のアイドルの為だけにデザインしたから、これは一生封印するって言ってたのに。」
「アシュリーさんが世間に認められる為なら惜しくないわよ。それに彼女引退しちゃったし、私もこっちに来ちゃったしね。」
円璃花がアシュリーさんに教えて、練習の為にほどこしたネイルが、今も円璃花の指につけられている。
円璃花がずっと応援していた女性アイドルと仕事をするその時の為に、その女の子の為だけにデザインしたネイルだ。
円璃花いわく、ノースキャンダル、ノーアイドル(現役時代にスキャンダルがあったらアイドルではないという感じの意味らしい)という考え方の彼女から見ても、アイドルの中のアイドル。歌唱力も表現力も抜群で、いつ何時もアイドルでいることを忘れない女の子。必要な場面に応じて対応出来、バラエティでも完璧に役割をこなす秀才肌で、どんなユニットの時でも、自分のメンバーカラーがピンクであることだけは絶対に譲らない。
時代が違えば伝説になっていたというその子は、幼稚園の先生になる為にアイドルを潔く引退してしまったのだ。その子といつか仕事をする時の為に円璃花がデザインしたネイルは、ついぞ披露されることはなかった。
バラエティセンスのあったその子は、テレビからはバラエティ担当として呼ばれることが多く、歌番組の少なかった当時、アイドルとして歌で出演することが少なかった。
その子が子どもの頃からずっと応援していた円璃花は、したたかに酔うと、もっとアイドルとして活躍出来る場をあげたかったと、たびたび寂しそうに言っていた。
その思い入れのあるデザインをあげることの意味は、俺だけが知っている。相当アシュリーさんが気に入ったんだな。
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「……励ましてくれるのか?ありがとうな。優しいな、キラプシア。」
俺はキラプシアの頭をそっと撫でた。キラプシアはチチィ!と鳴いた。
「そう言えば!譲次、あなた知ってたの?アシュリーさんが、もしも私がこの国の所属に決まったら私に同行してくれるってこと!」
「ああ。手紙で聞いてたよ。まあ前回の聖女様がこの国に降臨されているからな、また今回もという可能性は低いかも知れないが、アシュリーさんはおじい様のオンスリーさんの実績があるからな。この国所属になることがあれば、可能性があるとは思っていたが。」
「それで私のことを聖女だって話したのね!
もともと私の存在を知ってるルピラス商会の……、ええと、どなただったかしら。」
「エドモンドさんか。」
「そう、エドモンドさんはともかく、アシュリーさんとララさんがいるのに話すから、ちょっと、え?って思っていたのよね。話しても良かったのかしら?って。」
「ああ、そうか。すまない。ジョスラン侍従長が俺に言ってくるくらいだから、お前はとっくに王族と面会した時に、聞かされているものだと思っていたんだ。」
「ううん。まったくの初耳よ。でもそうなったら嬉しいわ!きっとアシュリーさん人気者になれるもの!そしたらコボルトの風評被害なんて、あっという間に解決するわね!」
「だといいな。だがもしもそうならなくとも店を始めることで解決してみせるさ。」
「私も出来る限り協力するわ。と言っても、ネイルのデザインくらいしか、協力出来ることはないけどね。」
「お前のデザインがあれば百人力さ。ずっと温めてたデザインを放出してくれただろ?例のアイドルの為だけにデザインしたから、これは一生封印するって言ってたのに。」
「アシュリーさんが世間に認められる為なら惜しくないわよ。それに彼女引退しちゃったし、私もこっちに来ちゃったしね。」
円璃花がアシュリーさんに教えて、練習の為にほどこしたネイルが、今も円璃花の指につけられている。
円璃花がずっと応援していた女性アイドルと仕事をするその時の為に、その女の子の為だけにデザインしたネイルだ。
円璃花いわく、ノースキャンダル、ノーアイドル(現役時代にスキャンダルがあったらアイドルではないという感じの意味らしい)という考え方の彼女から見ても、アイドルの中のアイドル。歌唱力も表現力も抜群で、いつ何時もアイドルでいることを忘れない女の子。必要な場面に応じて対応出来、バラエティでも完璧に役割をこなす秀才肌で、どんなユニットの時でも、自分のメンバーカラーがピンクであることだけは絶対に譲らない。
時代が違えば伝説になっていたというその子は、幼稚園の先生になる為にアイドルを潔く引退してしまったのだ。その子といつか仕事をする時の為に円璃花がデザインしたネイルは、ついぞ披露されることはなかった。
バラエティセンスのあったその子は、テレビからはバラエティ担当として呼ばれることが多く、歌番組の少なかった当時、アイドルとして歌で出演することが少なかった。
その子が子どもの頃からずっと応援していた円璃花は、したたかに酔うと、もっとアイドルとして活躍出来る場をあげたかったと、たびたび寂しそうに言っていた。
その思い入れのあるデザインをあげることの意味は、俺だけが知っている。相当アシュリーさんが気に入ったんだな。
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