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第104話 排水回収業者の殴り込み③
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「そういう場所は、この世界にどの程度あるの?もしも大半がそうだと言うのなら、確かに大きな需要が見込めると思うわ。だけどこの世界って馬車移動でしょう?長時間の移動のことを考えると、出発する拠点に住んで貰う必要も出てくるんじゃないかしら。」
と円璃花が言った。
「──そこは新しい技術で解消出来るんじゃないかと思ってる。この間クエストで行った村で、馬車に合うタイヤを研究している若者がいてな?それが実現すれば、長時間の移動もかなり楽になるから、引っ越さなくても仕事が始められる可能性があるよ。そのへんのことも、相談したかったんだがな。」
「タイヤはすぐに開発出来そうなの?」
「俺が見本を出してやれば、応用可能だと思ってるんだ。その若者のお父さんが馬車用の車輪の木工加工技術者でな。協力をあおげれば、なおいっそう早いと思う。」
「そういうことなら、早いほうがいいから追いかけたら?タイヤ開発と平行して、新しい仕事の話を詰めたほうがいいでしょ?」
経営者の視点で円璃花が言ってくる。
「国民の身の安全がかかっている仕事のストライキなんて、早く解決するに越したことはないもの。どうせこっちはまだまだかかるんだし、カイアちゃんとアエラキちゃんが部屋の中で遊んでてくれたら、アシュリーさんとララさんにネイルを教えながら、私が2人を見ててあげられるしね。」
「……そうだな、そうするか。カイア、アエラキ、悪いが今日はもうお外で遊ぶのはやめにして貰ってもいいか?お父さんが仕事で出かけるから、俺が戻るまではお姉さんの目の届くところで遊んでいて欲しいんだ。」
俺がそう言うと、カイアとアエラキは、ピョルルッ!ピューイ!と返事をしてくれた。
「夜はバーベキューの予定だから、俺が帰るのが遅かったら、先に始めてて貰えるか?」
「分かったわ。任せておいて。」
円璃花がそう言ってくれたので、俺は、
「行ってくる。」
と言って家を出た。ドアをあけるので隠れてくれた円璃花たちが、行ってらっしゃいとでも言うように、ドアを開ける前に小さく手を振ってくれた。
タイミングよく城下町に向かう馬車が来たので、俺はエドモンドさんを追って馬車に乗り込んだ。ルピラス商会の前につくと、何やら大勢の男性たちが、ルピラス商会を取り囲んで、どうも押し問答しているようだった。
「おたくらが売ってる自動食器乾燥機能付き洗浄機と、業務用食器洗浄機から、自浄作用を取り外せって言ってるだけだろう!?」
……自動食器乾燥機能付き洗浄機?俺が開発に携わった商品で、ルピラス商会を通じて販売して貰っているものだが、それがいったいなんだと言うのだ?
「排水が減るのもひとつの売りなんだ。今更そんなことが出来る筈がないと言ってる。」
男たちに対応しているのは、エドモンドさんとその部下らしき人たちだった。
「そのせいでどんどん俺たちの仕事が減ってるんだぞ!?こっちの生活も考えろ!」
「そうだそうだ!自分たちがよければそれでいいのか!俺たちを殺す気か!!」
……つまりこの人たちは、排水を集めて浄化してる業者さんってことか。この世界には下水がないから、お屋敷や料理店などでは、排水を集めて回収して貰っていると聞く。
「そこはお前たちの企業努力の問題だろう?
──うちが開発しなくたって、いつか誰かが開発したさ。排水をキレイにするスライムが見つかってないってだけで、そういうのが見つかったらどうするつもりだ?誰も排水回収業者なんて使わずに、スライムを使うようになるだろうさ。そうしたら今度はスライムを使うのを禁止しろとでも言うつもりか?」
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と円璃花が言った。
「──そこは新しい技術で解消出来るんじゃないかと思ってる。この間クエストで行った村で、馬車に合うタイヤを研究している若者がいてな?それが実現すれば、長時間の移動もかなり楽になるから、引っ越さなくても仕事が始められる可能性があるよ。そのへんのことも、相談したかったんだがな。」
「タイヤはすぐに開発出来そうなの?」
「俺が見本を出してやれば、応用可能だと思ってるんだ。その若者のお父さんが馬車用の車輪の木工加工技術者でな。協力をあおげれば、なおいっそう早いと思う。」
「そういうことなら、早いほうがいいから追いかけたら?タイヤ開発と平行して、新しい仕事の話を詰めたほうがいいでしょ?」
経営者の視点で円璃花が言ってくる。
「国民の身の安全がかかっている仕事のストライキなんて、早く解決するに越したことはないもの。どうせこっちはまだまだかかるんだし、カイアちゃんとアエラキちゃんが部屋の中で遊んでてくれたら、アシュリーさんとララさんにネイルを教えながら、私が2人を見ててあげられるしね。」
「……そうだな、そうするか。カイア、アエラキ、悪いが今日はもうお外で遊ぶのはやめにして貰ってもいいか?お父さんが仕事で出かけるから、俺が戻るまではお姉さんの目の届くところで遊んでいて欲しいんだ。」
俺がそう言うと、カイアとアエラキは、ピョルルッ!ピューイ!と返事をしてくれた。
「夜はバーベキューの予定だから、俺が帰るのが遅かったら、先に始めてて貰えるか?」
「分かったわ。任せておいて。」
円璃花がそう言ってくれたので、俺は、
「行ってくる。」
と言って家を出た。ドアをあけるので隠れてくれた円璃花たちが、行ってらっしゃいとでも言うように、ドアを開ける前に小さく手を振ってくれた。
タイミングよく城下町に向かう馬車が来たので、俺はエドモンドさんを追って馬車に乗り込んだ。ルピラス商会の前につくと、何やら大勢の男性たちが、ルピラス商会を取り囲んで、どうも押し問答しているようだった。
「おたくらが売ってる自動食器乾燥機能付き洗浄機と、業務用食器洗浄機から、自浄作用を取り外せって言ってるだけだろう!?」
……自動食器乾燥機能付き洗浄機?俺が開発に携わった商品で、ルピラス商会を通じて販売して貰っているものだが、それがいったいなんだと言うのだ?
「排水が減るのもひとつの売りなんだ。今更そんなことが出来る筈がないと言ってる。」
男たちに対応しているのは、エドモンドさんとその部下らしき人たちだった。
「そのせいでどんどん俺たちの仕事が減ってるんだぞ!?こっちの生活も考えろ!」
「そうだそうだ!自分たちがよければそれでいいのか!俺たちを殺す気か!!」
……つまりこの人たちは、排水を集めて浄化してる業者さんってことか。この世界には下水がないから、お屋敷や料理店などでは、排水を集めて回収して貰っていると聞く。
「そこはお前たちの企業努力の問題だろう?
──うちが開発しなくたって、いつか誰かが開発したさ。排水をキレイにするスライムが見つかってないってだけで、そういうのが見つかったらどうするつもりだ?誰も排水回収業者なんて使わずに、スライムを使うようになるだろうさ。そうしたら今度はスライムを使うのを禁止しろとでも言うつもりか?」
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