上 下
320 / 448

第101話  ナスとベーコンとトマトホール缶の豆腐干糸パスタ、キャベツとにんじんとキュウリとトウモロコシのコールスローサラダ②

しおりを挟む
 まあ、小さい子にやらせると、自分でやったほうが早いこともあるが、出来るだけやらせてやりたいし、円璃花もそばで見ててくれるから安心だしな。トウモロコシは茹でるなら水気を切ったほうがいい。キュウリの代わりにピーマンでもいいし、キャベツ以外はどんな野菜でも合うと思う。あとはマヨネーズを大さじ16からお好みで20、お酢を大さじ1、砂糖を大さじ2加えて混ぜるだけだ。

 調味料はキラプシアが張り切って加えてくれた。それらを混ぜ合わせたら、キャベツとにんじんとキュウリとトウモロコシのコールスローサラダの完成だ。お酢と砂糖をマヨネーズの3倍加えて、別に油をくわえたり、コショウやレモン汁を加えたり、マヨネーズとレモン汁だけのレシピなんかもあるが、母がマヨネーズ信者だったので、うちのサラダはマヨネーズ多めのことが多い。

 俺はエノキの根本を切り落として水洗いをすると、2等分の長さに切った。先に洗うと石づきが取れて来てじゃまなので、俺は後から洗う派だ。しいたけは石づきを落としてキッチンペーパータオルで汚れを拭き取ると、笠の部分は細切りに、軸も裂いて使うことにする。食べられるからもったいないしな。

 カイワレも水洗いして根本を切り落として2等分にする。玉ねぎは縦に細くスライスする。一回で食べきるつもりなら、具だくさん派なら玉ねぎは1個、エノキとカイワレは1袋と1パック、しいたけは4~5枚使うが、そうでなければ半分でいい。俺は具だくさんおかずスープ派なのでたっぷりと使う。

 鍋に水700ミリリットルに対して、固形チキンスープの素を入れて、固形チキンスープの素が煮溶けたら、酒大さじ2、エノキ、しいたけ、カイワレ、アサリの水煮缶を1缶加える。再び煮立ったら塩コショウで味を調え、ほんの少しだけ醤油をたらしてかきまぜたら、器によそって、エノキとしいたけとカイワレとアサリの水煮缶のスープの完成だ。

 キノコはなんだっていいし、カイワレは煮ずに上に散らしてもいい。アサリの水煮缶は具だくさんスープ派でなければ、量は調節して入れて欲しい。
 キラプシアは調味料を振るのにハマってしまったらしく、今回も張り切って待ち構えていたので、せっかくだからやって貰った。

 自分一人なら毎回ここまでバランス考えて作らないんだが、子どもたちの栄養を考えると、どうしても、あれも使いたい、これも使いたいってなっちまうんだよなあ。
 それでも1日3食の中で50品目なんてのは難しい。誰だ?最初に言い出したのは。理想だと思うが、食材の使い回しを考えても結構厳しいぞ?出来るだけやりたくは思うが。

 今日のご飯は、ナスとベーコンとトマトホール缶の豆腐干糸パスタ、キャベツとにんじんとキュウリとトウモロコシのコールスローサラダ、エノキとしいたけとカイワレとアサリの水煮缶のスープだ。
「それにしても、キラプシアはたくさん頑張ってくれたが、俺たちと同じものが食べられないんだよな。残念だが。」

「そうなの?」
「ああ。毎回生野菜を与えているだろう?」
「……そういえばそうね。でも精霊のカイアちゃんとアエラキちゃんが食べられるんだから、妖精も食べられるものだと思ってたわ。単に好みの問題なのかなーって思ってた。」
 まあ、普通はそう思うよな。

「いや、キラプシアと同じ妖精のいる森で仕事をしている、アンデオールさんいわく、野菜と果物しか食べないらしい。だからキラプシアだけ別のご飯だ。」
 俺はそう言って、キラプシアの為の食事を準備し始めた。と言っても、生野菜をカットするだけなのだが。

 それを聞いたかカイアが、かわいそう、とでも言いたげな表情をして俺を見た。気持ちは分かるが仕方がない。人間と動物は同じものを食べられない。妖精もそうだったというだけの話だ。だが一緒に食卓を囲むことは出来る。料理を並べたテーブルの上に、キラプシアのご飯も置いてやり、キラプシアをテーブルの上に乗せた。ヒゲを動かしながらキラプシアが自分のご飯の前に行く。

「さあ、食べようか。いただきます。」
「いただきます。」
「ピョル!」
「ピューイ。」
「チチィ!」
 めいめいにいただきますを言ってご飯を食べ始める。するとアエラキがスープをすくったスプーンを、キラプシアの前に近付けているではないか。

────────────────────

少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

召喚魔法使いの旅

ゴロヒロ
ファンタジー
転生する事になった俺は転生の時の役目である瘴気溢れる大陸にある大神殿を目指して頼れる仲間の召喚獣たちと共に旅をする カクヨムでも投稿してます

異世界転移に夢と希望はあるのだろうか?

雪詠
ファンタジー
大学受験に失敗し引きこもりになった男、石動健一は異世界に迷い込んでしまった。 特殊な力も無く、言葉も分からない彼は、怪物や未知の病に見舞われ何度も死にかけるが、そんな中吸血鬼の王を名乗る者と出会い、とある取引を持ちかけられる。 その内容は、安全と力を与えられる代わりに彼に絶対服従することだった! 吸血鬼の王、王の娘、宿敵、獣人のメイド、様々な者たちと関わる彼は、夢と希望に満ち溢れた異世界ライフを手にすることが出来るのだろうか? ※こちらの作品は他サイト様でも連載しております。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました

星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。

異世界で『魔法使い』になった私は一人自由気ままに生きていきたい

哀村圭一
ファンタジー
人や社会のしがらみが嫌になって命を絶ったOL、天音美亜(25歳)。薄れゆく意識の中で、謎の声の問いかけに答える。 「魔法使いになりたい」と。 そして目を覚ますと、そこは異世界。美亜は、13歳くらいの少女になっていた。 魔法があれば、なんでもできる! だから、今度の人生は誰にもかかわらず一人で生きていく!! 異世界で一人自由気ままに生きていくことを決意する美亜。だけど、そんな美亜をこの世界はなかなか一人にしてくれない。そして、美亜の魔法はこの世界にあるまじき、とんでもなく無茶苦茶なものであった。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...