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第68話 アサリの水煮缶の豆乳クラムチャウダーとスープスパ②
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アサリは必ず水煮缶を使う。なぜか鉄分の含有量が水煮缶のアサリのほうが圧倒的に多いのだ。しかもビタミンB12も含まれている。使わない手はない。食べ物で取るのが難しいのに、お年寄りや妊婦はもちろん、特に女性に必要な栄養成分だからな、鉄分は。
含有量が多いに越したことはない。普通に売っているアサリを使うと、砂をはかせるのが面倒だからというのもちろんある。
調整豆乳は砂糖が入っているので、必ず無調整豆乳を使う必要がある。
カロリーが気になる人は、バターでなくオリーブオイルで炒めてもいい。コクはそんなに変わらない。
「強火で煮込むと豆乳が分離しますから、煮込むだけの簡単料理ではありますが、弱火から中火くらいの火加減で、目を離さずに火加減を維持して下さいね。」
「簡単そうでいて奥が深いのですね……。
わかりました。」
メモを取りながら、サニーさんがコクコクとうなずいた。
まあ、豆乳をあらかじめ乳化させておくっていう手もあるけどな。火加減の調節が出来ない時以外は、面倒だからやらないが。
ボウルにサラダ油を入れて、そこに豆乳を少しずつ加えて泡立て器で混ぜると、豆乳が乳化するのだ。そこに少しずつ豆乳を加えて混ぜる、という作業を繰り返すと、全部が乳化するから、これをあらかじめやっておくと火加減は気にしなくてもいいのである。
「うん、いい感じですね。
味見してみますか?」
「は、はいぜひ。」
俺は小さな器にクラムチャウダーを入れ、サニーさんに手渡した。
「冷めにくいので気をつけて下さいね。」
じゃがいもが多いと、とろみが熱を維持して、しばらく熱いままなんだよな。
サニーさんはかなり長いこと、フウフウと息を吹きかけてから、スプーンですくってクラムチャウダーを口にしたが、それでもまだ熱かったようだ。目を白黒させる。水分を多目にしてるから、もったりしたクラムチャウダーよりは、冷めやすい筈なんだが。
「美味しい……!とても美味しいです。」
「それは良かったです。」
「毎日でもイヴリンに作ってやりたいのですが、これらの食材はどうすれば手に入りますでしょうか?」
「何と何が売ってないですか?」
サニーさんは、アサリの水煮缶、無調整豆乳、コショウ、固形コンソメスープの素を指さした。コショウ、ないのか。
「まあ、毎日は飽きてしまうと思いますのであれですが、時々作って差し上げるとよろしいと思いますよ。
アサリの水煮缶と固形コンソメスープの素とコショウは、ある程度の数を置いていきます。無調整豆乳も常温である程度の日持ちはしますが……。そんなにたくさんお渡ししてもと思うので、こちらも商人ギルドに登録しておいて、買えるようにしておきますね。
少しだけ置いて行きます。」
「他も、買えるようにしておいていただければ、それでよろしいですよ?
そんなにたくさん、いただいてしまうわけには……。」
「流通させられるようになるまでには時間がかかりますし、その間に何度かイヴリンさんに振る舞って差し上げたいんですよね?」
「はい、もちろんです。」
「なら、練習もかねて、たくさん作って下さい、その為に置いてきます。
ぜひ、奥様を喜ばせてあげて下さい。」
「はい、頑張りたいと思います。
ありがとうございます!」
続けてパスタを茹でて、スープスパを作った。塩で下味をしっかりつけて茹でたパスタに、クラムチャウダーをかけるだけなので非常に簡単お手軽料理である。
これも味見なので少しだけだ。夕飯は既に食べたし、酒のつまみも食べたしな。
「美味しいです……!
これはなんという料理なのでしょうか?
麺料理は食べますが、このようなものははじめてです。」
「スープスパと言うんですよ。クラムチャウダーをかけるだけなので簡単です。」
────────────────────
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含有量が多いに越したことはない。普通に売っているアサリを使うと、砂をはかせるのが面倒だからというのもちろんある。
調整豆乳は砂糖が入っているので、必ず無調整豆乳を使う必要がある。
カロリーが気になる人は、バターでなくオリーブオイルで炒めてもいい。コクはそんなに変わらない。
「強火で煮込むと豆乳が分離しますから、煮込むだけの簡単料理ではありますが、弱火から中火くらいの火加減で、目を離さずに火加減を維持して下さいね。」
「簡単そうでいて奥が深いのですね……。
わかりました。」
メモを取りながら、サニーさんがコクコクとうなずいた。
まあ、豆乳をあらかじめ乳化させておくっていう手もあるけどな。火加減の調節が出来ない時以外は、面倒だからやらないが。
ボウルにサラダ油を入れて、そこに豆乳を少しずつ加えて泡立て器で混ぜると、豆乳が乳化するのだ。そこに少しずつ豆乳を加えて混ぜる、という作業を繰り返すと、全部が乳化するから、これをあらかじめやっておくと火加減は気にしなくてもいいのである。
「うん、いい感じですね。
味見してみますか?」
「は、はいぜひ。」
俺は小さな器にクラムチャウダーを入れ、サニーさんに手渡した。
「冷めにくいので気をつけて下さいね。」
じゃがいもが多いと、とろみが熱を維持して、しばらく熱いままなんだよな。
サニーさんはかなり長いこと、フウフウと息を吹きかけてから、スプーンですくってクラムチャウダーを口にしたが、それでもまだ熱かったようだ。目を白黒させる。水分を多目にしてるから、もったりしたクラムチャウダーよりは、冷めやすい筈なんだが。
「美味しい……!とても美味しいです。」
「それは良かったです。」
「毎日でもイヴリンに作ってやりたいのですが、これらの食材はどうすれば手に入りますでしょうか?」
「何と何が売ってないですか?」
サニーさんは、アサリの水煮缶、無調整豆乳、コショウ、固形コンソメスープの素を指さした。コショウ、ないのか。
「まあ、毎日は飽きてしまうと思いますのであれですが、時々作って差し上げるとよろしいと思いますよ。
アサリの水煮缶と固形コンソメスープの素とコショウは、ある程度の数を置いていきます。無調整豆乳も常温である程度の日持ちはしますが……。そんなにたくさんお渡ししてもと思うので、こちらも商人ギルドに登録しておいて、買えるようにしておきますね。
少しだけ置いて行きます。」
「他も、買えるようにしておいていただければ、それでよろしいですよ?
そんなにたくさん、いただいてしまうわけには……。」
「流通させられるようになるまでには時間がかかりますし、その間に何度かイヴリンさんに振る舞って差し上げたいんですよね?」
「はい、もちろんです。」
「なら、練習もかねて、たくさん作って下さい、その為に置いてきます。
ぜひ、奥様を喜ばせてあげて下さい。」
「はい、頑張りたいと思います。
ありがとうございます!」
続けてパスタを茹でて、スープスパを作った。塩で下味をしっかりつけて茹でたパスタに、クラムチャウダーをかけるだけなので非常に簡単お手軽料理である。
これも味見なので少しだけだ。夕飯は既に食べたし、酒のつまみも食べたしな。
「美味しいです……!
これはなんという料理なのでしょうか?
麺料理は食べますが、このようなものははじめてです。」
「スープスパと言うんですよ。クラムチャウダーをかけるだけなので簡単です。」
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