200 / 373
第67話 アボカドディップのブルスケッタと、いぶりがっこのクリームチーズチーズ乗せオリーブオイルがけ①
しおりを挟む
「お食事もいただいたことですし、わたくしはそろそろ失礼いたしますわね。」
口元を拭いながらニュートンジョン侯爵夫人がそう言った。
「もうお帰りになられるんですか?お母様。寂しいです……。」
イヴリンさんがしょんぼりする。
ニュートンジョン侯爵夫人は、イヴリンさんを見つめて優しく微笑んで、
「また近いうちに参ります。レースの靴下の作り方の続きを、あなたに教えて差し上げなくてはなりませんからね。」
と言った。
「はい!」
と笑顔のイヴリンさん。サニーさんは終始無言でうつむいたままだった。
「──馬車を待たせておりますのでお気になさらず。フィンリー。」
「はい、呼んでまいります。」
そう言ってフィンリーさんが出ていき、しばらくしてサニーさんの家に戻ってくると、表通りに馬車が待機しておりますと告げた。
「では、失礼いたします。
エイトさんも、急に息子がお呼び立てしてしまって、申し訳ありませんでした。」
気まずさから無理やり俺を同席させたことが、完全にバレているらしい。
イヴリンさんとサニーさんは、玄関までニュートンジョン侯爵夫人を見送った。
ニュートンジョン侯爵夫人が帰ると、イヴリンさんがさっそく皿洗いを開始する。
「手伝いますよ。」
「いえ、お客様なので、ゆっくり座ってらして下さい。」
「美味しいお食事のお礼と思って、これくらいさせて下さい。」
「でも、料理してくださったのは、お母様とエミリーさんですし……。」
そんなやり取りをしていると、
「わたくしも手伝います、一緒にやりましょう、ジョージさん。
イヴリンは部屋で休んでいるといい。
家に一人で心配だっただろう、……連絡もなしに、すまなかった。」
サニーさんが立ち上がって、イヴリンさんに謝罪した。
わかったわ、と言って、イヴリンさんは2階に上がっていった。
男2人で無言で皿を洗う。俺は、
「サニーさん、よろしければこのあと2人で飲みませんか?
少しお話したいこともあるので。」
と尋ねた。
「はい、もちろんです、ではこれを片付けたら、男だけで飲みましょうか。」
「じゃあ、簡単なつまみでも作りますね。
ご飯を食べたばかりなので、本当に軽くですが。」
「嬉しいです。ジョージさんの料理は、本当に美味しかったですからね。」
サニーさんは笑ってくれた。
俺は、いぶりがっこ、クリームチーズ、玉ねぎ、トマト、コリアンダー、アボカド、にんにく、冷凍のむき海老、バゲット、オリーブオイル、黒胡椒、ワカモレディップを出した。ワカモレディップは海外からの輸入品をたくさん扱っているスーパーで手に入る、外国産のもので、スパイスが大変美味しい。
いぶりがっこに適当に切ったクリームチーズを乗せ、オリーブオイルをかけた上から黒胡椒を振った。これだけでいぶりがっこのクリームチーズ乗せの完成だ。
いぶりがっこだけでも、いぶりがっこにクリームチーズを乗せただけでも美味いが、ひと手間加えるだけで、また違った美味さが楽しめる。
アボカドは柔らかめのものを出した。アボカドは硬さで使う料理を変える。
アボカドをスプーンですくって、なめらかになるまでボウルの中で潰したら、ワカモレディップを入れて混ぜる。
玉ねぎとコリアンダーをみじん切りにしたもの、トマトをさいの目に切ったものを加えてさらに混ぜ合わせる。
バケットを適当な厚みにスライスして、トースターで焼いたら、にんにくを切って断面をこすりつけ、アボカドディップを乗せ、茹でたむき海老を乗せて、お好みで更に上からコリアンダーを散らしたら、アボカドディップのブルスケッタの完成だ。サニーさんの家には平たい受け皿のトースターがなかったので、オーブンを借りて焼いた。
ワカモレディップがなければレモン汁と塩コショウでもいい。むき海老や、トマトや玉ねぎを入れなくても、にんにくがなくても、ワカモレディップとあえたアボカドだけでもじゅうぶんにうまい。見た目がきれいなので今回はそうした。
コリアンダーは香草が苦手な人ならなくてもいい。
バケットがなければクラッカーに乗せてもいいし、野菜につけて食べても美味いし、チップスなんかに乗せてもいい。焼かない食パンに乗せてサンドイッチにして食べるのもおすすめだ。冷たいと特に美味い。
俺はアボカドディップのブルスケッタと、いぶりがっこのクリームチーズチーズ乗せオリーブオイルがけとを、サニーさんの家の大皿に乗せてテーブルに置き、ノンエイジのカナディアンクラブと、ロックアイスと、アイスペールと、専用トングと、マドラーと、ミネラルウォーターを出した。
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
口元を拭いながらニュートンジョン侯爵夫人がそう言った。
「もうお帰りになられるんですか?お母様。寂しいです……。」
イヴリンさんがしょんぼりする。
ニュートンジョン侯爵夫人は、イヴリンさんを見つめて優しく微笑んで、
「また近いうちに参ります。レースの靴下の作り方の続きを、あなたに教えて差し上げなくてはなりませんからね。」
と言った。
「はい!」
と笑顔のイヴリンさん。サニーさんは終始無言でうつむいたままだった。
「──馬車を待たせておりますのでお気になさらず。フィンリー。」
「はい、呼んでまいります。」
そう言ってフィンリーさんが出ていき、しばらくしてサニーさんの家に戻ってくると、表通りに馬車が待機しておりますと告げた。
「では、失礼いたします。
エイトさんも、急に息子がお呼び立てしてしまって、申し訳ありませんでした。」
気まずさから無理やり俺を同席させたことが、完全にバレているらしい。
イヴリンさんとサニーさんは、玄関までニュートンジョン侯爵夫人を見送った。
ニュートンジョン侯爵夫人が帰ると、イヴリンさんがさっそく皿洗いを開始する。
「手伝いますよ。」
「いえ、お客様なので、ゆっくり座ってらして下さい。」
「美味しいお食事のお礼と思って、これくらいさせて下さい。」
「でも、料理してくださったのは、お母様とエミリーさんですし……。」
そんなやり取りをしていると、
「わたくしも手伝います、一緒にやりましょう、ジョージさん。
イヴリンは部屋で休んでいるといい。
家に一人で心配だっただろう、……連絡もなしに、すまなかった。」
サニーさんが立ち上がって、イヴリンさんに謝罪した。
わかったわ、と言って、イヴリンさんは2階に上がっていった。
男2人で無言で皿を洗う。俺は、
「サニーさん、よろしければこのあと2人で飲みませんか?
少しお話したいこともあるので。」
と尋ねた。
「はい、もちろんです、ではこれを片付けたら、男だけで飲みましょうか。」
「じゃあ、簡単なつまみでも作りますね。
ご飯を食べたばかりなので、本当に軽くですが。」
「嬉しいです。ジョージさんの料理は、本当に美味しかったですからね。」
サニーさんは笑ってくれた。
俺は、いぶりがっこ、クリームチーズ、玉ねぎ、トマト、コリアンダー、アボカド、にんにく、冷凍のむき海老、バゲット、オリーブオイル、黒胡椒、ワカモレディップを出した。ワカモレディップは海外からの輸入品をたくさん扱っているスーパーで手に入る、外国産のもので、スパイスが大変美味しい。
いぶりがっこに適当に切ったクリームチーズを乗せ、オリーブオイルをかけた上から黒胡椒を振った。これだけでいぶりがっこのクリームチーズ乗せの完成だ。
いぶりがっこだけでも、いぶりがっこにクリームチーズを乗せただけでも美味いが、ひと手間加えるだけで、また違った美味さが楽しめる。
アボカドは柔らかめのものを出した。アボカドは硬さで使う料理を変える。
アボカドをスプーンですくって、なめらかになるまでボウルの中で潰したら、ワカモレディップを入れて混ぜる。
玉ねぎとコリアンダーをみじん切りにしたもの、トマトをさいの目に切ったものを加えてさらに混ぜ合わせる。
バケットを適当な厚みにスライスして、トースターで焼いたら、にんにくを切って断面をこすりつけ、アボカドディップを乗せ、茹でたむき海老を乗せて、お好みで更に上からコリアンダーを散らしたら、アボカドディップのブルスケッタの完成だ。サニーさんの家には平たい受け皿のトースターがなかったので、オーブンを借りて焼いた。
ワカモレディップがなければレモン汁と塩コショウでもいい。むき海老や、トマトや玉ねぎを入れなくても、にんにくがなくても、ワカモレディップとあえたアボカドだけでもじゅうぶんにうまい。見た目がきれいなので今回はそうした。
コリアンダーは香草が苦手な人ならなくてもいい。
バケットがなければクラッカーに乗せてもいいし、野菜につけて食べても美味いし、チップスなんかに乗せてもいい。焼かない食パンに乗せてサンドイッチにして食べるのもおすすめだ。冷たいと特に美味い。
俺はアボカドディップのブルスケッタと、いぶりがっこのクリームチーズチーズ乗せオリーブオイルがけとを、サニーさんの家の大皿に乗せてテーブルに置き、ノンエイジのカナディアンクラブと、ロックアイスと、アイスペールと、専用トングと、マドラーと、ミネラルウォーターを出した。
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
313
お気に入りに追加
1,904
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
グーダラ王子の勘違い救国記~好き勝手にやっていたら世界を救っていたそうです~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日、ティルナグ王国の自堕落王子として有名なエルクは国王である父から辺境へ追放を言い渡される。
その後、準備もせずに木の上で昼寝をしていると、あやまって木から落ちてしまう。
そして目を覚ますと……前世の記憶を蘇らせていた。
これは自堕落に過ごしていた第二王子が、記憶を甦らせたことによって、様々な勘違いをされていく物語である。
その勘違いは種族間の蟠りを消していき、人々を幸せにしていくのだった。
他人の人生押し付けられたけど自由に生きます
鳥類
ファンタジー
『辛い人生なんて冗談じゃ無いわ! 楽に生きたいの!』
開いた扉の向こうから聞こえた怒声、訳のわからないままに奪われた私のカード、そして押し付けられた黒いカード…。
よくわからないまま試練の多い人生を押し付けられた私が、うすらぼんやり残る前世の記憶とともに、それなりに努力しながら生きていく話。
※注意事項※
幼児虐待表現があります。ご不快に感じる方は開くのをおやめください。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~
みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。
生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。
夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。
なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。
きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。
お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。
やっと、私は『私』をやり直せる。
死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる