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第63話 集落での挨拶②
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「そうですね、正しい判断だと思います。
そのままいらして下さったら、少々過激な連中は、事情も聞かずに、皆さんを集落から追い出していたことでしょう。」
オンスリーさんはそう言ってうなずいた。
「ぜひオンスリーさんからも、集落をまとめている方に、彼らを迎え入れるよう、お口添えいただけないでしょうか?」
「もちろんです。私もぜひお会いしたいと思います。さっそく参りましょう。
奴からみんなに話をさせます。」
オンスリーさんはそう言って、俺たちについてくるように言った。俺はその前にララさんの家に立ち寄って、ララさんの家族も心配しているだろうから、まずは無事の報告とお詫びがしたいと言った。
「ああ、そうですね、娘たちも心配していることでしょう。ではまず、先にララの家に向かいましょう。」
俺とララさん、オンスリーさんが、ララさんの自宅に向かい、同じようにご家族に事情を説明してわびた。
ララさんのご両親からは、むしろうちの娘がご迷惑をおかけして申し訳なかったと、俺とオンスリーさんは謝罪を受けた。
ララさんの行動によって、万が一パーティクル公爵が悪い人だったら、ララさんもアシュリーさんも危険な目にあっていただろうから、まあ無理もない。
ララさんは両親と、弟2人で暮らす5人家族だった。お父さんと年の離れた弟さんが2人いて、お父さんと一番小さい弟さんが、ララさんと同じパピヨンタイプのコボルトで、お父さんも弟さんも大変可愛らしかった。
こりゃあパーティクル公爵は、見た途端大興奮だろうなあ……。
お母さんと上の弟さんは、アシュリーさんと同じくアフガンハウンドタイプのコボルトで、お母さんがアシュリーさんのお母さんと姉妹なのだそうだ。
2人は従姉妹だったんだな。
ララさんのお母さんも上の弟さんも、アシュリーさん同様大変きれいだったから、オンスリーさんの奥さんは相当きれいな人だったんだろうなと思った。
その足で、コボルトの集落をまとめているオッジさんの家へと向かった。
オッジさんはセレス様たちを連れてきた事情を聞いて、とても喜んでくれた。
「これは快挙だよ。みんなに伝えて、集落をあげて歓迎しようじゃないか。」
その言葉に、さっそく俺たちは、俺とオンスリーさん、オッジさんとララさんの二手に別れて、コボルトの集落に、歓迎の催しを開きたい旨を広めて回った。
みんな、セレス様がオンスリーさんに感謝をのべるためにいらして下さったことに、特に年配のコボルトほど感動していた。
集落のみんなが広場に集まった。ずっと馬車の中でお待たせするというわけにもいかないので、まずはオッジさんの自宅でくつろいでいただき、その間に歓迎の催しの準備を整えましょう、ということになった。
歓迎の催し会場は、以前塩焼きそばを作るのに鉄板を借りた、食堂を営むハンザさんの店とその周辺と決まった。
各自の家で作った料理を持ち寄ることになり、お年寄りと子どもたちが、ハンザさんの店の飾り付けを開始した。
俺とララさんは、パーティクル公爵たちを迎えに馬車へと戻り、コボルトたちが歓迎の催しを開いてくれることになったと告げた。
「コボルトたちが……。本当ですか?」
パーティクル公爵は感激のあまり、思わず目をうるませている。憧れのコボルトの集落で、まさかそんなに歓迎を受けるとは思っていなかったらしい。
「突然来たのに、なんだか申し訳ないわ。」
とセレス様は柳眉を下げた。
「みんなが受け入れる気持ちになったのだもの、気にせず楽しんでくれたほうが、みんなも喜ぶと思うわ。」
アシュリーさんの言葉に、セレス様も納得がいったようだ。
馬車を降りて集落の入り口に向かうと、オンスリーさんとオッジさんが待っていた。
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そのままいらして下さったら、少々過激な連中は、事情も聞かずに、皆さんを集落から追い出していたことでしょう。」
オンスリーさんはそう言ってうなずいた。
「ぜひオンスリーさんからも、集落をまとめている方に、彼らを迎え入れるよう、お口添えいただけないでしょうか?」
「もちろんです。私もぜひお会いしたいと思います。さっそく参りましょう。
奴からみんなに話をさせます。」
オンスリーさんはそう言って、俺たちについてくるように言った。俺はその前にララさんの家に立ち寄って、ララさんの家族も心配しているだろうから、まずは無事の報告とお詫びがしたいと言った。
「ああ、そうですね、娘たちも心配していることでしょう。ではまず、先にララの家に向かいましょう。」
俺とララさん、オンスリーさんが、ララさんの自宅に向かい、同じようにご家族に事情を説明してわびた。
ララさんのご両親からは、むしろうちの娘がご迷惑をおかけして申し訳なかったと、俺とオンスリーさんは謝罪を受けた。
ララさんの行動によって、万が一パーティクル公爵が悪い人だったら、ララさんもアシュリーさんも危険な目にあっていただろうから、まあ無理もない。
ララさんは両親と、弟2人で暮らす5人家族だった。お父さんと年の離れた弟さんが2人いて、お父さんと一番小さい弟さんが、ララさんと同じパピヨンタイプのコボルトで、お父さんも弟さんも大変可愛らしかった。
こりゃあパーティクル公爵は、見た途端大興奮だろうなあ……。
お母さんと上の弟さんは、アシュリーさんと同じくアフガンハウンドタイプのコボルトで、お母さんがアシュリーさんのお母さんと姉妹なのだそうだ。
2人は従姉妹だったんだな。
ララさんのお母さんも上の弟さんも、アシュリーさん同様大変きれいだったから、オンスリーさんの奥さんは相当きれいな人だったんだろうなと思った。
その足で、コボルトの集落をまとめているオッジさんの家へと向かった。
オッジさんはセレス様たちを連れてきた事情を聞いて、とても喜んでくれた。
「これは快挙だよ。みんなに伝えて、集落をあげて歓迎しようじゃないか。」
その言葉に、さっそく俺たちは、俺とオンスリーさん、オッジさんとララさんの二手に別れて、コボルトの集落に、歓迎の催しを開きたい旨を広めて回った。
みんな、セレス様がオンスリーさんに感謝をのべるためにいらして下さったことに、特に年配のコボルトほど感動していた。
集落のみんなが広場に集まった。ずっと馬車の中でお待たせするというわけにもいかないので、まずはオッジさんの自宅でくつろいでいただき、その間に歓迎の催しの準備を整えましょう、ということになった。
歓迎の催し会場は、以前塩焼きそばを作るのに鉄板を借りた、食堂を営むハンザさんの店とその周辺と決まった。
各自の家で作った料理を持ち寄ることになり、お年寄りと子どもたちが、ハンザさんの店の飾り付けを開始した。
俺とララさんは、パーティクル公爵たちを迎えに馬車へと戻り、コボルトたちが歓迎の催しを開いてくれることになったと告げた。
「コボルトたちが……。本当ですか?」
パーティクル公爵は感激のあまり、思わず目をうるませている。憧れのコボルトの集落で、まさかそんなに歓迎を受けるとは思っていなかったらしい。
「突然来たのに、なんだか申し訳ないわ。」
とセレス様は柳眉を下げた。
「みんなが受け入れる気持ちになったのだもの、気にせず楽しんでくれたほうが、みんなも喜ぶと思うわ。」
アシュリーさんの言葉に、セレス様も納得がいったようだ。
馬車を降りて集落の入り口に向かうと、オンスリーさんとオッジさんが待っていた。
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