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第59話 料理対決の結果②
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「これも味付けは塩のみなんだね。素材を生かしたシンプルな味付けは、料理人の腕が試される。なんとも強気な料理だ。」
セレス様は、小さく小さく切り分けると、目を閉じた状態で、えいっ!と意を決したようにシーサーペントを口に運んだ。
次の瞬間、頬を赤く染めて興奮したような表情を浮かべた。
「なにこれ……美味しいわ……!
鱗はカリカリサクサクなのに、同時にかつ柔らかくて、お肉の部分がふわっふわ……!
口の中でほろりと崩れてなくなるのよ!」
セレス様の嬉しそうな表情に、ロンメルはホッとしたように笑顔を浮かべた。
「続いて肉料理も俺の作品です。一角兎の肉を使いました。本来とても硬いのですが、味はいい肉でしたので、これを柔らかくする為に、エディスの実を使って煮込むことで柔らかくなることを発見しました。
ソースは煮込んだ汁を使っています。お楽しみいただければ幸いです。」
パーティクル公爵がナイフを入れると、まるで力を入れずにスッと肉が切れた。なんだあれ、早く俺も食べたいぞ。
「柔らかい……。唇で噛み切れる肉は初めてだ。なんという贅沢なうまさだろうか。」
「やだ、もう食べ終わっちゃうわ。」
セレス様が心から残念そうに言った。
「最後にデザートは俺の作品です。
ミルクレープという、クレープと生クリームを重ねたものになります。先程召し上がられたブリヌイと似た料理ですが、このようにデザートとしても楽しむことが出来ます。」
ナンシーさんがテーブルの皿を片付けて、新たにミルクレープの皿を置いた。
「何層にも重なり合っているのね、切断面がとても美しいわ。」
「これは……、焼いた生地と生クリームだけなのだね、なのに柔らかすぎず、しっかり食べた感じがある。満足感が高いな。
それに甘すぎなくてとても美味しい。」
2人は顔を見合わせあって微笑んでいた。
「──今回の料理勝負の結果は、私から発表させていただこう。
今回の勝者は……、ロンメルさん、あなただ。おめでとう。とても素晴らしい料理の数々だったよ。」
やった!という風に、ロンメルが両手の拳をグッと握って嬉しそうに笑う。俺もみんなも、ロンメルに拍手を送った。
「既存の食材へのさらなる改良、新たな食材への挑戦、どれも料理人としての気概を感じられたわ。あなたに厨房を貸しているかいがあったというものよ。
これからも頑張ってね、ロンメル。
あなたが国王に提供するメインディッシュを作れる日を、楽しみにしているわ。」
「はい!ありがとうございます!」
ロンメルは本当に嬉しそうだった。いつかロンメルが王宮の料理長になる日も、そう遠くないのかも知れないな。
「ジョージさんもありがとう。
2人の料理を合わせてコース仕立てにするアイデアも素晴らしかった。とても楽しませていただきました。」
「こちらこそ、素晴らしい厨房をお借りして料理が出来て、とても楽しかったです。
ありがとうございました。」
話している俺たちを見て、アシュリーさんがソワソワしている。
「俺も早く、ロンメルの料理が食べてみたいのですが……、皆さんもそうですよね?」
「食べたいわ!」
「もちろん!」
食い気味に答える、アシュリーさんとエドモンドさん。そしてエドモンドさんは慌てたように、失礼いたしました、と言った。
ははは、とパーティクル公爵が笑った。
「それでは、パーティーにしましょうか。当家の料理人たちの料理も運ばせます。どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。」
その言葉とともに、ナンシーさんが扉をあけると、扉の外には既に料理長たちが、料理を運んで待ち構えていた。
いい匂いが一気に室内に広がって、みんなの、わあっ!という歓声が聞こえる。
テーブルに並べられた大皿料理を、みんな次々に取り分けて貰って、食べたいものから口に運んでいく。俺たちの為に、コースじゃなくしてくれたらしい。
確かにこの方が堅苦しくなくていいな。
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セレス様は、小さく小さく切り分けると、目を閉じた状態で、えいっ!と意を決したようにシーサーペントを口に運んだ。
次の瞬間、頬を赤く染めて興奮したような表情を浮かべた。
「なにこれ……美味しいわ……!
鱗はカリカリサクサクなのに、同時にかつ柔らかくて、お肉の部分がふわっふわ……!
口の中でほろりと崩れてなくなるのよ!」
セレス様の嬉しそうな表情に、ロンメルはホッとしたように笑顔を浮かべた。
「続いて肉料理も俺の作品です。一角兎の肉を使いました。本来とても硬いのですが、味はいい肉でしたので、これを柔らかくする為に、エディスの実を使って煮込むことで柔らかくなることを発見しました。
ソースは煮込んだ汁を使っています。お楽しみいただければ幸いです。」
パーティクル公爵がナイフを入れると、まるで力を入れずにスッと肉が切れた。なんだあれ、早く俺も食べたいぞ。
「柔らかい……。唇で噛み切れる肉は初めてだ。なんという贅沢なうまさだろうか。」
「やだ、もう食べ終わっちゃうわ。」
セレス様が心から残念そうに言った。
「最後にデザートは俺の作品です。
ミルクレープという、クレープと生クリームを重ねたものになります。先程召し上がられたブリヌイと似た料理ですが、このようにデザートとしても楽しむことが出来ます。」
ナンシーさんがテーブルの皿を片付けて、新たにミルクレープの皿を置いた。
「何層にも重なり合っているのね、切断面がとても美しいわ。」
「これは……、焼いた生地と生クリームだけなのだね、なのに柔らかすぎず、しっかり食べた感じがある。満足感が高いな。
それに甘すぎなくてとても美味しい。」
2人は顔を見合わせあって微笑んでいた。
「──今回の料理勝負の結果は、私から発表させていただこう。
今回の勝者は……、ロンメルさん、あなただ。おめでとう。とても素晴らしい料理の数々だったよ。」
やった!という風に、ロンメルが両手の拳をグッと握って嬉しそうに笑う。俺もみんなも、ロンメルに拍手を送った。
「既存の食材へのさらなる改良、新たな食材への挑戦、どれも料理人としての気概を感じられたわ。あなたに厨房を貸しているかいがあったというものよ。
これからも頑張ってね、ロンメル。
あなたが国王に提供するメインディッシュを作れる日を、楽しみにしているわ。」
「はい!ありがとうございます!」
ロンメルは本当に嬉しそうだった。いつかロンメルが王宮の料理長になる日も、そう遠くないのかも知れないな。
「ジョージさんもありがとう。
2人の料理を合わせてコース仕立てにするアイデアも素晴らしかった。とても楽しませていただきました。」
「こちらこそ、素晴らしい厨房をお借りして料理が出来て、とても楽しかったです。
ありがとうございました。」
話している俺たちを見て、アシュリーさんがソワソワしている。
「俺も早く、ロンメルの料理が食べてみたいのですが……、皆さんもそうですよね?」
「食べたいわ!」
「もちろん!」
食い気味に答える、アシュリーさんとエドモンドさん。そしてエドモンドさんは慌てたように、失礼いたしました、と言った。
ははは、とパーティクル公爵が笑った。
「それでは、パーティーにしましょうか。当家の料理人たちの料理も運ばせます。どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。」
その言葉とともに、ナンシーさんが扉をあけると、扉の外には既に料理長たちが、料理を運んで待ち構えていた。
いい匂いが一気に室内に広がって、みんなの、わあっ!という歓声が聞こえる。
テーブルに並べられた大皿料理を、みんな次々に取り分けて貰って、食べたいものから口に運んでいく。俺たちの為に、コースじゃなくしてくれたらしい。
確かにこの方が堅苦しくなくていいな。
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