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第51話 魔宝石の装飾の仕方③
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「これを同じ手順で全部の指にやってくださいね。キューティクルプッシャーは人差し指を触れないように、親指と中指で動かして下さい。力が強くなりすぎるので。
あと、キューティクルリムーバーはすぐに乾いてしまうので、つけたあとは手早く作業が必要です。」
俺はキューティクルニッパーを取り出してガーゼで包みながらあわせて持つ。
「白く浮いた余分な皮膚を、キューティクルニッパーで丁寧にカットします。
甘皮は引っ張ると他の部分まで剥がれてしまうし、白く浮いてないところまでカットすると皮膚が痛むので、そこは注意です。
歯の先端だけを使うイメージで。ハサミ全体を使わないように、丁寧に細かく。」
ガーゼを水で濡らして爪を拭きながら、甘皮をカットしていく。
「皮膚がもともとめくれている、逆剥けという状態の方がいらっしゃるのですが、その部分はキューティクルニッパーを横に向けて、茎の根元を切るように切って下さい。」
最後にネイルオイルを爪全体に塗って、保湿してやって爪の手入れは完了だ。
「はい、これで手のケアは終わりです。
ここまでやって、はじめてマニキュアが塗れるようになります。
まあ作業時間を考えると、ネイルオイルは自宅でやっていただくようにして、店でやらなくてもいいですが。」
「これって……、人間の場合、女性のオシャレの為のものなのよね?ジョージはなんでそんなに詳しいの?」
「昔お付き合いしていた女性がこういう仕事をしてまして……。練習に付き合っているうちにやらされました。」
「なるほどね……。」
アシュリーさんは目を丸くしている。
俺はマニキュア自体には興味はないが、手入れをされた爪の状態は好きだ。ツルツルした感触が気持ちがよくて、日頃は自分からあまり恋人にボディタッチをしない俺だが、この角質を落とした爪を見ると、やたらと手に触れたり、キスしてしまい、そこから甘い雰囲気になることも多かった。
俺が触れてくれるからと、ネイルアーティストをしていた恋人が、だんだん家でマニキュアをしなくなるようになり、やがて自分の仕事の意義がよく分からなくなりそうだからと、自分の夢を取って俺と別れた。
1級検定に合格したと聞いた時は、別れて以来久しぶりに会ってお祝いをし、以降いい友人関係を築いていた。
今頃彼女どうしてるかな。
次に乾いた水色と黄色のマニキュアを塗ったメンディングテープを、ハサミで細くカットしていく。
透明なネイルチップにベースコートを塗ったら、そこに斜めに格子状になるように、あえて適当な幅で水色と黄色のマニキュアを塗ったメンディングテープを貼っていく。
「あら、それ可愛いわね。」
アシュリーさんさんが目を細める。
「はい、普通にマニキュアを塗るだけのやり方の他に、こんな風にチップに塗ったりデコラティブするやり方もありますね。
時間のある時に作っておけば、あとは手入れをした手に貼り付けるだけですから。」
俺はメンディングテープを貼り付けた透明なネイルチップをララさんに差し出す。
「これに魔宝石を貼り付けたものを事前に準備するのもいいと思います。
これはただの見本なので、魔宝石だけでも別に構いませんよ。
手のケアを必要とせず、単に魔宝石を爪につけたいだけの方なら、これでもいいと思いますよ。」
「確かに、事前に魔宝石をつけたものを用意出来るのは便利ですね。私1人で数を回すとなるとお客様をお待たせしちゃいますけど、みんなにこれを作っておいて貰えば、たくさんのお客様に対応出来ると思います。」
ララさんがうなずく。
「魔宝石をつけたら、最後にこのトップコートを塗って完成です。」
「いいわね、これ、やりましょう。
このネイルチップというものと、マニキュアを、たくさん譲って貰えるかしら?
みんなであいた時間に魔宝石をつけるようにするわ。店の開店までにたくさん準備しておきましょう。」
「ありがとうございます。よろしくおねがいします。」
アシュリーさんの頼もしい言葉に、俺は事業の成功を確信した。
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あと、キューティクルリムーバーはすぐに乾いてしまうので、つけたあとは手早く作業が必要です。」
俺はキューティクルニッパーを取り出してガーゼで包みながらあわせて持つ。
「白く浮いた余分な皮膚を、キューティクルニッパーで丁寧にカットします。
甘皮は引っ張ると他の部分まで剥がれてしまうし、白く浮いてないところまでカットすると皮膚が痛むので、そこは注意です。
歯の先端だけを使うイメージで。ハサミ全体を使わないように、丁寧に細かく。」
ガーゼを水で濡らして爪を拭きながら、甘皮をカットしていく。
「皮膚がもともとめくれている、逆剥けという状態の方がいらっしゃるのですが、その部分はキューティクルニッパーを横に向けて、茎の根元を切るように切って下さい。」
最後にネイルオイルを爪全体に塗って、保湿してやって爪の手入れは完了だ。
「はい、これで手のケアは終わりです。
ここまでやって、はじめてマニキュアが塗れるようになります。
まあ作業時間を考えると、ネイルオイルは自宅でやっていただくようにして、店でやらなくてもいいですが。」
「これって……、人間の場合、女性のオシャレの為のものなのよね?ジョージはなんでそんなに詳しいの?」
「昔お付き合いしていた女性がこういう仕事をしてまして……。練習に付き合っているうちにやらされました。」
「なるほどね……。」
アシュリーさんは目を丸くしている。
俺はマニキュア自体には興味はないが、手入れをされた爪の状態は好きだ。ツルツルした感触が気持ちがよくて、日頃は自分からあまり恋人にボディタッチをしない俺だが、この角質を落とした爪を見ると、やたらと手に触れたり、キスしてしまい、そこから甘い雰囲気になることも多かった。
俺が触れてくれるからと、ネイルアーティストをしていた恋人が、だんだん家でマニキュアをしなくなるようになり、やがて自分の仕事の意義がよく分からなくなりそうだからと、自分の夢を取って俺と別れた。
1級検定に合格したと聞いた時は、別れて以来久しぶりに会ってお祝いをし、以降いい友人関係を築いていた。
今頃彼女どうしてるかな。
次に乾いた水色と黄色のマニキュアを塗ったメンディングテープを、ハサミで細くカットしていく。
透明なネイルチップにベースコートを塗ったら、そこに斜めに格子状になるように、あえて適当な幅で水色と黄色のマニキュアを塗ったメンディングテープを貼っていく。
「あら、それ可愛いわね。」
アシュリーさんさんが目を細める。
「はい、普通にマニキュアを塗るだけのやり方の他に、こんな風にチップに塗ったりデコラティブするやり方もありますね。
時間のある時に作っておけば、あとは手入れをした手に貼り付けるだけですから。」
俺はメンディングテープを貼り付けた透明なネイルチップをララさんに差し出す。
「これに魔宝石を貼り付けたものを事前に準備するのもいいと思います。
これはただの見本なので、魔宝石だけでも別に構いませんよ。
手のケアを必要とせず、単に魔宝石を爪につけたいだけの方なら、これでもいいと思いますよ。」
「確かに、事前に魔宝石をつけたものを用意出来るのは便利ですね。私1人で数を回すとなるとお客様をお待たせしちゃいますけど、みんなにこれを作っておいて貰えば、たくさんのお客様に対応出来ると思います。」
ララさんがうなずく。
「魔宝石をつけたら、最後にこのトップコートを塗って完成です。」
「いいわね、これ、やりましょう。
このネイルチップというものと、マニキュアを、たくさん譲って貰えるかしら?
みんなであいた時間に魔宝石をつけるようにするわ。店の開店までにたくさん準備しておきましょう。」
「ありがとうございます。よろしくおねがいします。」
アシュリーさんの頼もしい言葉に、俺は事業の成功を確信した。
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