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第51話 魔宝石の装飾の仕方②
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「あと、これが素晴しくいいですね。防水魔法の魔宝石。数が売れるかも知れません。」
俺は精霊魔法が付与された魔宝石の一覧のリストを見ながら言う。
「ああ、水を弾くだけの簡単な魔法だけれどね。布に施すと雨に濡れなくてすむのよ。」
この世界には傘がない。かわりに防水魔法でどうにかしているのだろう。
「俺の見た限り、貴族は革製品を身に着けてることが多いです。冒険者もですが、冒険者は防具であって、貴族のそれはオシャレの為です。ですが革製品は水に濡れるとシミが出来て汚くなります。防水魔法なんて革製品保護にうってつけですよ。」
「確かにそれなら需要があるかもね。」
アシュリーさんがうなずく。
「ちなみにそれは、どうやって爪に付けているんですか?」’
「近くの森に、粘着性の液を出す木があるのよ。それをつかって貼り付けてるだけなの。引っ掻けばすぐに取れるしね。」
「なるほど。専用の器具は何か使いますか?例えば爪の表面を削ったりですとか。」
「いいえ?落とす前提だし、特にそういったものは使わないわ。」
オシャレ目的じゃないんだものな。
「ララさん、俺のやり方を見せるので、覚えていただいてもいいですか?
人間にほどこす場合は、この工程が必ず必要になるんです。」
「ええ、もちろんです。」
「その前にちょっと、爪につけるものを作りますね。それからやり方を見せます。」
俺は下敷き、ハンドタオル、メンディングテープという字の書けるセロハンテープと、水色と黄色のマニキュア、ベースコート、トップコート、透明なネイルチップ、ガーゼ、キューティクルリムーバー、キューティクルプッシャー、キューティクルニッパー、ネイルファイルという爪やすり、ダストブラシ、ネイルオイル、ハサミ、キッチンペーパータオルを出した。
「ず、随分といろいろと使うのね……。」
「ええ。アシュリーさん、お湯を沸かしてカップくらいの小さな、手の入る器にそれを入れてきて貰えませんか?
お風呂より少しぬるいくらいの温度がいいのですが。」
「え、ええ。分かったわ。」
アシュリーさんがお湯を沸かしてきてくれる間に、俺はメンディングテープを2本下敷きに貼って、それぞれに水色と黄色のマニキュアを塗って乾かしてやる。
それが乾くまでの間に、ネイルファイルで自分の左手の爪先を削って整えてやる。
「これは後でやってもいいんですが、今から使うものが原因で爪が柔らかくなるので、爪が削れすぎてしまうこともあるので、今回は先に整えますね。
爪が割れやすくなったり、二枚爪といって浮いた状態になることがあるので、奥から手前に引く時だけ、削るようにして下さい。決して上下に動かさないように。」
ララさんはどこから取り出したのか、ノートにメモをとりだしていた。
「爪の横を2~3回削って丸くしてやることで、爪が細く長く綺麗に見えます。
皮膚を削らないように注意して下さい。」
ダストブラシで削れた爪を払う。
「はい、これでいいのかしら?」
アシュリーさんが器に入ったお湯を持ってきてくれる。
「はい、助かります。」
俺は自分の左手を器につけたあと、タオルで優しく水分を吸い取ってやる。
ララさんは真剣に俺のやり方を見ている。
「人間の手には甘皮というものがありまして……。こいつを取ってやらないと、綺麗に塗ることが出来ないんですよ。
この状態でキューティクルリムーバーを爪の皮膚と接している部分に塗って2分放置します。これで余分な角質なんかが浮いてきて、綺麗に塗れるようになります。」
俺はキューティクルプッシャーという、爪用の銀色のヘラのようなものを80度近くたてて爪の表面を優しくこする。
45度がいいと言われているが、自分でやるなら正直60度から90度の方が、力を入れ過ぎずに優しく角質と甘皮を削ることが出来ると思う。これをしないとすぐにネイルが剥がれてきてしまう。
「お客様の爪を下に向けて下げるか、キューティクルプッシャーの角度を上げて下さい。
力を入れ続けると指が痛くなってしまうことがありますので、1つの指に集中してやらずに、他の指も少しずつ削って下さい。」
ある程度取れたら、今度はキューティクルプッシャーを寝かせて、表面の余分な汚れを取っていく。取れた角質をキッチンペーパータオルで拭き取ってやる。
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俺は精霊魔法が付与された魔宝石の一覧のリストを見ながら言う。
「ああ、水を弾くだけの簡単な魔法だけれどね。布に施すと雨に濡れなくてすむのよ。」
この世界には傘がない。かわりに防水魔法でどうにかしているのだろう。
「俺の見た限り、貴族は革製品を身に着けてることが多いです。冒険者もですが、冒険者は防具であって、貴族のそれはオシャレの為です。ですが革製品は水に濡れるとシミが出来て汚くなります。防水魔法なんて革製品保護にうってつけですよ。」
「確かにそれなら需要があるかもね。」
アシュリーさんがうなずく。
「ちなみにそれは、どうやって爪に付けているんですか?」’
「近くの森に、粘着性の液を出す木があるのよ。それをつかって貼り付けてるだけなの。引っ掻けばすぐに取れるしね。」
「なるほど。専用の器具は何か使いますか?例えば爪の表面を削ったりですとか。」
「いいえ?落とす前提だし、特にそういったものは使わないわ。」
オシャレ目的じゃないんだものな。
「ララさん、俺のやり方を見せるので、覚えていただいてもいいですか?
人間にほどこす場合は、この工程が必ず必要になるんです。」
「ええ、もちろんです。」
「その前にちょっと、爪につけるものを作りますね。それからやり方を見せます。」
俺は下敷き、ハンドタオル、メンディングテープという字の書けるセロハンテープと、水色と黄色のマニキュア、ベースコート、トップコート、透明なネイルチップ、ガーゼ、キューティクルリムーバー、キューティクルプッシャー、キューティクルニッパー、ネイルファイルという爪やすり、ダストブラシ、ネイルオイル、ハサミ、キッチンペーパータオルを出した。
「ず、随分といろいろと使うのね……。」
「ええ。アシュリーさん、お湯を沸かしてカップくらいの小さな、手の入る器にそれを入れてきて貰えませんか?
お風呂より少しぬるいくらいの温度がいいのですが。」
「え、ええ。分かったわ。」
アシュリーさんがお湯を沸かしてきてくれる間に、俺はメンディングテープを2本下敷きに貼って、それぞれに水色と黄色のマニキュアを塗って乾かしてやる。
それが乾くまでの間に、ネイルファイルで自分の左手の爪先を削って整えてやる。
「これは後でやってもいいんですが、今から使うものが原因で爪が柔らかくなるので、爪が削れすぎてしまうこともあるので、今回は先に整えますね。
爪が割れやすくなったり、二枚爪といって浮いた状態になることがあるので、奥から手前に引く時だけ、削るようにして下さい。決して上下に動かさないように。」
ララさんはどこから取り出したのか、ノートにメモをとりだしていた。
「爪の横を2~3回削って丸くしてやることで、爪が細く長く綺麗に見えます。
皮膚を削らないように注意して下さい。」
ダストブラシで削れた爪を払う。
「はい、これでいいのかしら?」
アシュリーさんが器に入ったお湯を持ってきてくれる。
「はい、助かります。」
俺は自分の左手を器につけたあと、タオルで優しく水分を吸い取ってやる。
ララさんは真剣に俺のやり方を見ている。
「人間の手には甘皮というものがありまして……。こいつを取ってやらないと、綺麗に塗ることが出来ないんですよ。
この状態でキューティクルリムーバーを爪の皮膚と接している部分に塗って2分放置します。これで余分な角質なんかが浮いてきて、綺麗に塗れるようになります。」
俺はキューティクルプッシャーという、爪用の銀色のヘラのようなものを80度近くたてて爪の表面を優しくこする。
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「お客様の爪を下に向けて下げるか、キューティクルプッシャーの角度を上げて下さい。
力を入れ続けると指が痛くなってしまうことがありますので、1つの指に集中してやらずに、他の指も少しずつ削って下さい。」
ある程度取れたら、今度はキューティクルプッシャーを寝かせて、表面の余分な汚れを取っていく。取れた角質をキッチンペーパータオルで拭き取ってやる。
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