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第43話 シーフードミックスの海鮮塩焼きそば③
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「シーフードミックスの海鮮塩焼きそばですよ、お好みでレモンをかけて召し上がってみてください。」
「初めて聞く料理ね!ジョージの作るものは、どれも目新しくて、素材をたくさん使っていて、美味しそうなものばかりね!」
アシュリーさんは嬉しそうだ。
「今回は野菜をたくさん使いましたけど、別に普段はここまで入れないですよ。焼きそばという、麺がメインの料理なので、各家庭で作る時は、みんなここまで色々入れませんから。今回は食べごたえを重視したので、素材が多いですけどね。」
「そうなの?うん!美味しい!さっきのもんじゃ焼きも美味しかったけど、私はこれのほうが好きかも!レモンも凄く合うわ。
油が光って見えるのに、さっぱりしてるのが不思議ね!いくらでも食べられちゃいそうよ。うーん、食べ終わりたくないわ。」
「焼きそばは色んな作り方の種類があるんですよ。これはそのうちの1つの、塩焼きそばという作り方です。」
「そうなの?凄く食べてみたいわ。
いつか別の種類も食べさせてね!」
「ええ、もちろん。」
シーフードミックスの海鮮塩焼きそばも大好評で、みんな大満足の中、パーティーは終わった。俺はみんなに再び声をかけた。
俺は忍び返しを取り出して、
「柵が完成したら、柵のてっぺんにこれをズラッと隙間なく取り付けて下さい。」
と伝えた。
「敵の侵入を防ぐものだな?」
「はい、そうです。」
オンスリーさんの言葉に俺がうなずく。
「これに加えて侵入者に反応するゴーレムの魔宝石を各所に設置すれば、忍び返しをこえてなお侵入する賊がいても、すぐに捕まえることが出来るでしょう。」
「店に立つ他の従業員は、これからゆっくりみんなと相談するよ。
ジョージ、本当にありがとう。」
オンスリーさんがお礼を言ってくれる。
「その言葉は、店が成功するまで取っておいて下さい。店が出来たら、店に立たない方々も、ぜひ見に来てくださいね。」
もちろんだ、とみんなうなずいてくれた。
「それじゃ、俺はそろそろ、乗合馬車が心配なので帰りますね。」
「もうそんな時間なのね、残念だわ。」
アシュリーさんが本当に残念そうに言う。
「ええ、でもまた近いうちに来ますから。
──カイア、帰るぞ。」
コボルトの子どもたちと一緒に、シーフードミックスの海鮮塩焼きそばをまだ食べていたカイアは、口の中のものを急いで飲み込んで、みんなに手を振って俺のところにかけてきた。コボルトの子どもたちも、笑顔でカイアに手を振っている。
「ああ、ジョージ、頼まれていたものはこれよ。こんなに一度に持てる?」
大量の食器と、オンバ茶と、セッテと、ペシと、ラカンを渡される。
「俺のマジックバッグは無限に近いので、問題ないです。」
俺はそう言って、すべてマジックバッグに入れた。
「いいわねえ、私も持ってるけど、そこまでは入らないわ。」
アシュリーさんが羨ましそうに言う。
一番いいのを出したからなあ。普通の人は無限近く入るマジックバッグは持っていないのかも知れない。
「お店が成功したら、一番いいのを買えるかも知れませんよ?」
「──もしもそこまで儲かるのなら、みんなで分け合う、それがコボルトよ。私一人の儲けにはしないわ。」
アシュリーさんが爽やかに笑った。
そうやって助け合って生きてきたんだろうな。だからこんなにも仲間意識が強くて、仲間と思った相手に優しいのだ、コボルトという種族は。
俺はみんなに手を振って別れたあと、乗合馬車を待つ間に、しばらく時間があったので、マジックバッグにカイアを入れずに、抱っこしたまま馬車を待っていた。
俺はふと、カイアに尋ねた。
「カイア、コボルトのみんなが好きか?」
「ピョル!ピョルピョル!」
カイアは嬉しそうに両方の枝の手を振って笑顔で俺を見る。
「そうか、好きか。俺も大好きだ。」
俺もカイアに微笑みかえす。
コボルトを守護しているわけじゃない、別の精霊のカイアにも好かれている。やはりコボルトはそういう存在なのだと思った。
そういえば、コボルトを守護している精霊は、カイアと同じドライアドの子株だと言ってたな。いわばカイアの兄弟だ。
どこにいるんだろうな?集落の中にはそれらしき木は見当たらなかったが。今度来る時、会わせて貰えるか聞いてみよう。
そう思いながら、乗合馬車が遠くに見えたので、俺はカイアにマジックバッグに入るように言って、コボルトの集落をあとにした。
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「初めて聞く料理ね!ジョージの作るものは、どれも目新しくて、素材をたくさん使っていて、美味しそうなものばかりね!」
アシュリーさんは嬉しそうだ。
「今回は野菜をたくさん使いましたけど、別に普段はここまで入れないですよ。焼きそばという、麺がメインの料理なので、各家庭で作る時は、みんなここまで色々入れませんから。今回は食べごたえを重視したので、素材が多いですけどね。」
「そうなの?うん!美味しい!さっきのもんじゃ焼きも美味しかったけど、私はこれのほうが好きかも!レモンも凄く合うわ。
油が光って見えるのに、さっぱりしてるのが不思議ね!いくらでも食べられちゃいそうよ。うーん、食べ終わりたくないわ。」
「焼きそばは色んな作り方の種類があるんですよ。これはそのうちの1つの、塩焼きそばという作り方です。」
「そうなの?凄く食べてみたいわ。
いつか別の種類も食べさせてね!」
「ええ、もちろん。」
シーフードミックスの海鮮塩焼きそばも大好評で、みんな大満足の中、パーティーは終わった。俺はみんなに再び声をかけた。
俺は忍び返しを取り出して、
「柵が完成したら、柵のてっぺんにこれをズラッと隙間なく取り付けて下さい。」
と伝えた。
「敵の侵入を防ぐものだな?」
「はい、そうです。」
オンスリーさんの言葉に俺がうなずく。
「これに加えて侵入者に反応するゴーレムの魔宝石を各所に設置すれば、忍び返しをこえてなお侵入する賊がいても、すぐに捕まえることが出来るでしょう。」
「店に立つ他の従業員は、これからゆっくりみんなと相談するよ。
ジョージ、本当にありがとう。」
オンスリーさんがお礼を言ってくれる。
「その言葉は、店が成功するまで取っておいて下さい。店が出来たら、店に立たない方々も、ぜひ見に来てくださいね。」
もちろんだ、とみんなうなずいてくれた。
「それじゃ、俺はそろそろ、乗合馬車が心配なので帰りますね。」
「もうそんな時間なのね、残念だわ。」
アシュリーさんが本当に残念そうに言う。
「ええ、でもまた近いうちに来ますから。
──カイア、帰るぞ。」
コボルトの子どもたちと一緒に、シーフードミックスの海鮮塩焼きそばをまだ食べていたカイアは、口の中のものを急いで飲み込んで、みんなに手を振って俺のところにかけてきた。コボルトの子どもたちも、笑顔でカイアに手を振っている。
「ああ、ジョージ、頼まれていたものはこれよ。こんなに一度に持てる?」
大量の食器と、オンバ茶と、セッテと、ペシと、ラカンを渡される。
「俺のマジックバッグは無限に近いので、問題ないです。」
俺はそう言って、すべてマジックバッグに入れた。
「いいわねえ、私も持ってるけど、そこまでは入らないわ。」
アシュリーさんが羨ましそうに言う。
一番いいのを出したからなあ。普通の人は無限近く入るマジックバッグは持っていないのかも知れない。
「お店が成功したら、一番いいのを買えるかも知れませんよ?」
「──もしもそこまで儲かるのなら、みんなで分け合う、それがコボルトよ。私一人の儲けにはしないわ。」
アシュリーさんが爽やかに笑った。
そうやって助け合って生きてきたんだろうな。だからこんなにも仲間意識が強くて、仲間と思った相手に優しいのだ、コボルトという種族は。
俺はみんなに手を振って別れたあと、乗合馬車を待つ間に、しばらく時間があったので、マジックバッグにカイアを入れずに、抱っこしたまま馬車を待っていた。
俺はふと、カイアに尋ねた。
「カイア、コボルトのみんなが好きか?」
「ピョル!ピョルピョル!」
カイアは嬉しそうに両方の枝の手を振って笑顔で俺を見る。
「そうか、好きか。俺も大好きだ。」
俺もカイアに微笑みかえす。
コボルトを守護しているわけじゃない、別の精霊のカイアにも好かれている。やはりコボルトはそういう存在なのだと思った。
そういえば、コボルトを守護している精霊は、カイアと同じドライアドの子株だと言ってたな。いわばカイアの兄弟だ。
どこにいるんだろうな?集落の中にはそれらしき木は見当たらなかったが。今度来る時、会わせて貰えるか聞いてみよう。
そう思いながら、乗合馬車が遠くに見えたので、俺はカイアにマジックバッグに入るように言って、コボルトの集落をあとにした。
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