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第43話 シーフードミックスの海鮮塩焼きそば②

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「それと、王宮に先に納入するので、オンバ茶と、食器と、セッテと、ペシと、ラカンをある程度先にいただきたいのですが。
 特にオンバ茶は、国王の妹君に、広告塔になっていただく予定なので、毎日10杯、一ヶ月飲めるだけの量が欲しいのです。」
「広告塔?それってどういう効果なの?」
 アシュリーさんは不思議そうに首をかしげた。

「オンバ茶の若返りの効果を、宮廷魔術師のグレイスさんという方が保証されたことで、それを店に出す前に飲みたいと、現国王の妹君である、セレス様がおっしゃいまして。
 一ヶ月オンバ茶を飲んで、目に見えて若返ったセレス様を見て、貴族の御婦人方がこぞって買いたがるだろうと、協力してくれている、国一番のルピラス商会が。」

「それを広告塔というのね、分かったわ。
 ジョージが帰る頃までに用意させるわ。
 それでオンバ茶だけは、値段を高く設定するというわけなのね。」
「ええ、若さを手に入れられるとなれば、必ず飛びつくだろうと言うことでした。
 あとは高額転売を避けるためだと。」
 アシュリーさんは、了解、リストを書いてくるわ、と自宅に戻っていった。

 鉄板が大きく、もんじゃ焼きはすぐに焼けるとはいえ、全員に行き渡るのに時間がかかる。子どもたちを優先に交代で食べてくれているけれど、間があくとまたちょっとお腹が空くのか、みんなどんどん食べていて、作るのが追いついていない。

 腹にたまるものを、もうちょい何か作ろうかな?俺はどこかの家でキッチンを貸してくれないか訪ねたら、料理店をやっているというコボルトが名乗りを上げてくれた。
 店のキッチンを貸してくれるらしい。
 おまけにコボルトの料理は肉が多いから、巨大な鉄板があるという。ありがたい。

 俺は、焼きそば麺、にんじん、長ネギ、玉ねぎ、キャベツ、ピーマン、もやし、ニラ、にんにく、レモン、シーフードミックス、豚肉、酒、醤油、創味シャンタン、ブラックペッパーを出し、かまどに置いてきてしまったので、塩、サラダ油、油引き、キッチンペーパー、ボウル、大ベラを新たに2つ出した。

 長ネギは斜め切りにし、キャベツは食べやすく適当な大きさに切り、にんじんは火が通りにくいので薄く細長に切る。玉ねぎは薄い串切り、ピーマンは細切り、ニラは適当な長さに、にんにくは薄切り、もやしはそのまま使う。野菜は何でもいいが。
 熱した鉄板(ホットプレートでも、フライパンでもいい)に、サラダ油を入れて油引きで鉄板全体に均等にのばしたら、野菜をざっくりと炒める。

 しんなりしてきたらいったん隅に寄せて、キッチンペーパーで余分な水と油を拭き取るのがコツだ。
 ここで一度野菜を取り出し、再びサラダ油を引いて、適当な大きさに切った豚肉と、シーフードミックスを炒める。エビと大きめのイカが入ったものだ。冷凍したものを解凍したものでいい。

 ボウルに焼きそば麺を入れ、熱湯を少しかけて、焼きそばをほぐしながら少し温めておく。電子レンジで温めてもいい。
 炒めた豚肉とシーフードミックスから水が出たら、同じくキッチンペーパーで余分な水と油を拭き取り、豚肉に焼き目がついたら、取り出しておいた野菜の上に乗せておく。

 鉄板をきれいに拭いて、サラダ油をしいたら、麺を鉄板に広げて焼き色をつけてやり、少し塩をふりかけて混ぜて味をなじませてから、野菜と豚肉とシーフードミックスを戻してやり、更に塩と、酒少々、ブラックペッパーを加えて混ぜる。酒を入れることで麺がしっとりもちもちになるのだ。

 創味シャンタンを加えて混ぜ、ほんの少し香り付けで醤油を加え、皿に盛り付けてお好みでかけて貰う為にカットしたレモンをそえて、シーフードミックスの海鮮塩焼きそばの完成だ。都度水と油を拭き取っているので、思ったより油っこくならない。

「みんな、こっちも食べてみてくれ。」
 お店を貸してくれたコボルトのイエッツァさんとともに、お盆に乗せたシーフードミックスの海鮮塩焼きそばを運んでゆくと、みんな次々に手に取って分け合って食べている。
 大人数分一気に作ったが、これもまた足りなくなるかな?

 そう思っていると、いつの間にか他のコボルトたちも、各家庭で料理を作って持ち寄ってくれたようだ。みんなでお腹いっぱいそれを食べる。
「はい、ジョージ、魔宝石に付与可能な精霊魔法のリストよ──って、それは何?美味しそう!私も食べるわ!」

 シーフードミックスの海鮮塩焼きそばを見て、リストを作って戻って来たアシュリーさんが、さっそく目を輝かせる。
 アシュリーさんも食い道楽な人なんだな。
 今回の件をきっかけに、友人になれるかも知れないなあ。

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