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第42話 明太子餅チーズもんじゃ焼きパーティ②
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「突然お集まりいただき申し訳ありません。そしてありがとうございます。
今日はみなさんに大切なお知らせがあって参りました。」
コボルトたちがザワザワとする。
「先日王宮に行ってまいりました。」
ザワザワが大きくなる。
「そこで皆さんの作っている、食器、お茶、食材を王族に提供したところ、それらを王室御用達の看板を掲げて販売する許可をいただきました。
また、王室に定期的に納入して欲しいというご要望も賜りました。」
ザワザワとした声が、オオオオオ!という歓声に変わる。
「お店の場所も王宮近くの一等地に、王族の保証つきで、近く確保出来る予定です。
人間の従業員と護衛も雇いますが、皆さんからも店で働いてくださる方を募集したく思っております。住まいと給与と町に向かうまでの馬車はこちらで保証致します。
どなたか立候補はいらっしゃいますか?」
「私は行くわ。」
アシュリーさんが手を上げる。
「アシュリーさんさんには、実は店長をお願いしたいと思っております。」
「店長?私が?」
アシュリーさんは驚いていた。
「アシュリーさん、この話を持ち込んだのはあんただ、俺たちもコボルトから店長を出すなら、あんたがふさわしいと思う。」
そうだな、とコボルトたちが口々に言う。
「それと、オンスリーさん、ぜひ、あなたにも店員をお願いしたく。」
オンスリーさんはそれを聞いて目をパチクリさせている。
「王族たちは、前回勇者が現れた際に、オンスリーさんが勇者一行に加わって下さった恩を忘れておらず、コボルトにとても友好的でした。コボルトの店を全面的に後押しすると言って下さったのも、オンスリーさん、あなたの功績がとても大きいと思います。」
「王族の皆さまがそのように……。」
オンスリーさんは感無量のようだった。
「ですが、世間の人々はそのことを殆ど知らないようなのです。
私はコボルトの文化を伝えるとともに、そのことを広めたいと思っています。
伝説の勇者の仲間であったコボルトが、魔物の筈はありません。」
「そうだそうだ!俺たちは人間以外で唯一勇者に同行した名誉ある一族なんだ!」
「俺たちもそれを知って欲しいです、オンスリーさん!」
「オンスリーさん!店に立って下さい!」
「お前たち……。
分かった、引き受けよう。」
ワアアア!と歓声が上がる。
「それと、オンバ茶はかなり高値で販売することが決まりました。狙われる可能性が最も高い商品ですので、柵を作り終えてから店は始めましょう。店の工事や内装はその間に終わることと思います。
コボルトの伝統を生かした内装と、貴族受けする内装を合わせたいので、そこは皆さんと相談しながらやらせて下さい。」
「分かったわ。」
アシュリーさんがうなずく。
「この分だと、店の権利はすぐに譲れることになると思いますから、価格も後ほど相談しましょう。」
「そうね、価格はみんなで決めましょう。
今日はお祝いにパーティーをしましょう!
前祝いよ!みんな、いいわよね?」
「もちろんだ!」
「この店から俺たちは変わるんだ!」
「最近工事続きで疲れていたから、こんな日もないとな!」
「じゃあ、俺が何か作りますよ。」
「やったわ!ジョージの料理よ!」
アシュリーさんをはじめとするみんなが嬉しそうにしてくれる。
何を作ろうかな?みんなで一度に食べられるものが楽しいよな。子どもたちがたくさんいるから、子どもが楽しく食べられるものといったら……。
「なあ、ちょっと見た目がびっくりする料理を作ってもいいかな?俺の地元の料理なんだが、初めての人は驚くんだ。」
アシュリーさんをはじめ、みんながきょとんとする。
「ジョージが作るものなら、きっとなんでも美味しいから構わないわよ?」
「そうか、なら、鉄板を使うから、火をおこすのを手伝ってくれないかな?」
「外で料理する時用のかまどがあるけど、それなんかどうだい?」
コボルトの若者が声をかけてくる。
「ちょっと見せて貰えるかな?それ。」
案内して貰うと、かまどの上が広く口があいていて、そこに棒を渡して鍋を吊るして温める仕様になっていた。
今日はみなさんに大切なお知らせがあって参りました。」
コボルトたちがザワザワとする。
「先日王宮に行ってまいりました。」
ザワザワが大きくなる。
「そこで皆さんの作っている、食器、お茶、食材を王族に提供したところ、それらを王室御用達の看板を掲げて販売する許可をいただきました。
また、王室に定期的に納入して欲しいというご要望も賜りました。」
ザワザワとした声が、オオオオオ!という歓声に変わる。
「お店の場所も王宮近くの一等地に、王族の保証つきで、近く確保出来る予定です。
人間の従業員と護衛も雇いますが、皆さんからも店で働いてくださる方を募集したく思っております。住まいと給与と町に向かうまでの馬車はこちらで保証致します。
どなたか立候補はいらっしゃいますか?」
「私は行くわ。」
アシュリーさんが手を上げる。
「アシュリーさんさんには、実は店長をお願いしたいと思っております。」
「店長?私が?」
アシュリーさんは驚いていた。
「アシュリーさん、この話を持ち込んだのはあんただ、俺たちもコボルトから店長を出すなら、あんたがふさわしいと思う。」
そうだな、とコボルトたちが口々に言う。
「それと、オンスリーさん、ぜひ、あなたにも店員をお願いしたく。」
オンスリーさんはそれを聞いて目をパチクリさせている。
「王族たちは、前回勇者が現れた際に、オンスリーさんが勇者一行に加わって下さった恩を忘れておらず、コボルトにとても友好的でした。コボルトの店を全面的に後押しすると言って下さったのも、オンスリーさん、あなたの功績がとても大きいと思います。」
「王族の皆さまがそのように……。」
オンスリーさんは感無量のようだった。
「ですが、世間の人々はそのことを殆ど知らないようなのです。
私はコボルトの文化を伝えるとともに、そのことを広めたいと思っています。
伝説の勇者の仲間であったコボルトが、魔物の筈はありません。」
「そうだそうだ!俺たちは人間以外で唯一勇者に同行した名誉ある一族なんだ!」
「俺たちもそれを知って欲しいです、オンスリーさん!」
「オンスリーさん!店に立って下さい!」
「お前たち……。
分かった、引き受けよう。」
ワアアア!と歓声が上がる。
「それと、オンバ茶はかなり高値で販売することが決まりました。狙われる可能性が最も高い商品ですので、柵を作り終えてから店は始めましょう。店の工事や内装はその間に終わることと思います。
コボルトの伝統を生かした内装と、貴族受けする内装を合わせたいので、そこは皆さんと相談しながらやらせて下さい。」
「分かったわ。」
アシュリーさんがうなずく。
「この分だと、店の権利はすぐに譲れることになると思いますから、価格も後ほど相談しましょう。」
「そうね、価格はみんなで決めましょう。
今日はお祝いにパーティーをしましょう!
前祝いよ!みんな、いいわよね?」
「もちろんだ!」
「この店から俺たちは変わるんだ!」
「最近工事続きで疲れていたから、こんな日もないとな!」
「じゃあ、俺が何か作りますよ。」
「やったわ!ジョージの料理よ!」
アシュリーさんをはじめとするみんなが嬉しそうにしてくれる。
何を作ろうかな?みんなで一度に食べられるものが楽しいよな。子どもたちがたくさんいるから、子どもが楽しく食べられるものといったら……。
「なあ、ちょっと見た目がびっくりする料理を作ってもいいかな?俺の地元の料理なんだが、初めての人は驚くんだ。」
アシュリーさんをはじめ、みんながきょとんとする。
「ジョージが作るものなら、きっとなんでも美味しいから構わないわよ?」
「そうか、なら、鉄板を使うから、火をおこすのを手伝ってくれないかな?」
「外で料理する時用のかまどがあるけど、それなんかどうだい?」
コボルトの若者が声をかけてくる。
「ちょっと見せて貰えるかな?それ。」
案内して貰うと、かまどの上が広く口があいていて、そこに棒を渡して鍋を吊るして温める仕様になっていた。
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