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第41話 葱塩ダレのサラダチキン温玉トロロそうめん②

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「では、こちらも王室御用達確定ということで構わないかしら?」
「もちろんですわ!」
「異論はございません。」
 俺たちが持ってきたコボルトの製品は、魔宝石を除いて、すべてが王室御用達に決まった。魔宝石はすべてを店に出せるわけではないので、王室御用達にはならなかった。

「折りたたみ式コンテナは、ある程度使用してみてから、判断させていただきたく存じます。自動食器洗浄機は、近く王室御用達の通達があることでしょう。」
 ジョスラン侍従長が言った。
 そういえば新しく入れたとロンメルが言っていたな。

「土地の購入の件に関しましては、私が保証人になるという、専用の書類の作成が必要ですので、準備が整い次第、ルピラス商会を通じてご連絡させていただきますね。」
 パトリシア王女が微笑む。
「かしこまりました。お時間をいただき、本当にありがとうございました。」
 俺とエドモンドさんは深く頭を下げた。

 王宮をあとにしても、俺とエドモンドさんは興奮冷めやらぬまま馬車に揺られていた。
「……やったな。思った以上の成果だ!」
「はい、殆どを王室御用達にしていただけるとは、さすがに思っていませんでした。」

「早く看板を作らないとな。それと大工と内装業者の手配だ。忙しくなるぞ。」
「俺は明日、コボルトの集落に行ってそれを伝えたいと思います。店に出す分以外に、王宮におさめる分の準備も必要でしょうし、集落を守る為の柵の工事がどうなっているのかも気になりますし。」

「そうだな、特にオンバ茶が奪われるようじゃまずい。あれは本当に金になる。
 ジョージが売ろうとしていた価格の10倍以上に設定したほうがいい。」
「ですが、それですと大勢の方の手に渡らないのでは……。」
 広める目的からすると逆になってしまう。

「いや、安くすると買い占めて転売する奴らが現れる。そのほうがまずい。それにその価格でも貴族は購入するだろう。
 店に出すよりも先に、セレス様に納入するんだ、店を出すころには、セレス様がいい広告塔になってくれるだろうさ。」
 エドモンドさんがニヤリとする。

「エドモンドさんがおっしゃるのであればそうなんでしょうね。分かりました、オンバ茶の価格は引き上げます。」
「いや、待てよ……。10倍でも安いな。
 50倍だ、ジョージ。」
「50倍!?さすがに異常過ぎる価格ではないですか?お茶ですよ?」

「──ジョージ、女性が最も欲しがるものはなんだと思う。」
「美……ですか?」
「……それと若ささ。これから店を出すまでの間に、セレス様は毎日10杯以上のお茶を飲んで、日々若返るだろうさ。何せ効果が保証されてるんだからな。」

 まあ、確かにグレイスさんが保証してくれたし、セレス様が目に見えて若返ったら、みんな驚くだろうな。
「そうなったらみんな飛びつく。50倍でも安いくらいだ。保証する。100倍でも転売されるだろう。
 ──これでも譲歩したくらいだぜ?」

「王宮にもその値段で販売を?」
「もちろんだ。いくら出しても確実に若返るお茶が欲しいことだろう。
 お茶は通年で取れるのか?」
「取れますけど……、あまり一気にお金が儲かり過ぎるのも、コボルトの目を曇らせそうで怖いですけどね。」
 急に大金を持つと人は変わるからな。

「まあ、そこはコボルト自身でどうにかして貰うしかないな。とりあえず、王宮に渡す分のお茶と食器と食材を持ってきてくれ。多分あの様子なら、すぐにでも注文があるだろうからな。」
「分かりました。」
 エドモンドさんはルピラス商会に戻ると、御者を部下の人に代わって貰って、そのまま俺を家に送り届けるように指示した。

 自宅について、部下の人にお礼を言い、家に入ると、俺はマジックバックからカイアを出した。
「苦しくなかったか?」
 カイアはこっくりとうなずく。マジックバックの中に入れると物が腐らないから、時間の流れ方が凄くゆっくりなのかも知れない。長時間入れていたのに、カイアは少しも寂しがっていなかった。

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