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第34話 八宝菜丼とチョミックル(サワガニもどき)の素揚げ②
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火の通りやすい豆腐とわかめのお味噌汁も準備して、お昼ごはんを机に並べた。
「さあ、カイア、ご飯にしようか。
まずは手を洗おうな。」
カイアを抱き上げて手を洗わせてやり、一緒にテーブルについた。
「いただきます。」
カイアも真似して手を合わせる。
今日のお昼ごはんは八宝菜丼とチョミックル(サワガニもどき)の素揚げと、豆腐とわかめのお味噌汁だ。
カイアにはスプーンを出してやると、上手に八宝菜丼を食べた。
俺は八宝菜には必ずヤングコーンが欲しい派だ。カイアもヤングコーンがお気にめしたらしく、1つとってはキラキラした目で見つめて食べ、2つとってはまたキラキラした目で見つめてから食べている。
多めに入れておいてよかった。
だがカイアがそれよりも気に入ったのはチョミックルの素揚げだった。
サクサクとした食感に、ちゃんとカニの旨味がある。これはたまらない。
……ビールが飲みたいな。昼間だけど飲んじまおうかな。
ビールを出そうかとも思ったが、カイアがもっと食べたそうだったので、俺の分も分けてあげた為、ビールは諦めた。
……カイアが喜んでくれるのが一番だな、うん。嬉しそうに食べるカイアを見ながらそう思う。
ビールを飲まなかったことだし、アシュリーさんに頼まれた、出汁こし布を販売登録する為に、商人ギルドに行ってみるか。
いい店の出店場所も教えて貰えるかも知れないしな。
「カイア、1人でお留守番出来るか?」
そう尋ねると、寂しそうな顔をする。
1人でお泊りするわけではないのだが、やはり不安らしい。
「どうしようかな……。」
そこにドアを叩く音がする。
「はい?」
「ジョージ、突然来てごめんなさいね、おすそ分けに来たのよ。」
やって来たのは、手にふきんを被せた籠を持った、笑顔のマイヤーさんだった。スカートの端をつまんで、マイヤーさんの後ろに隠れたアーリーちゃんもいる。
「ああ、それはすみません。
ありがとうございます。」
マイヤーさんの差し出した籠を受け取る俺の足元から、恐る恐るカイアが顔を覗かせる。アーリーちゃんとカイア、人見知り同士が目を合わせ、ぱちくりしている。
「え……、ジョージ、それは魔物なの?」
マイヤーさんが恐れたようにカイアを見おろす。その態度にカイアがビクッとして俺にすがりつく。
「ああ、いえいえ、ドライアドという精霊の子株だそうです。」
「精霊……!?初めて見たわ。」
マイヤーさんもアーリーちゃんも興味津々だ。
「カイア、ちゃんとご挨拶しなさい。」
カイアが俺に言われて、2人にペコリとお辞儀をする。
「まあ~、かしこいのねえ。」
マイヤーさんがカイアの可愛らしさに目を細める。
「あら、どうしたの?
アーリーったら、珍しいわね。
カイアちゃんと一緒に遊びたいの?」
見ればアーリーちゃんが、カイアにそっと手を伸ばしている。
「……マイヤーさん、ぶしつけなお願いなのですが、カイアを一日預かっていただけないでしょうか?俺はこれから出かける予定なのですが、カイアが寂しがっていて……。」
「あら、別に構わないですよ?
アーリーも一緒に遊びたがっていることですし。カイアちゃん、おばあちゃんのおうちにいらっしゃい、アーリーと遊んでくれたら嬉しいわ。」
マイヤーさんが目を細めて微笑む。
「カイアちゃん……、あそぼ……。」
あまり自分からは話さないアーリーちゃんが、カイアにそう言って手をのばす。
カイアが笑顔になってアーリーちゃんに手をのばした。
「すみません、じゃあ、お願いします。
夜に迎えに行きますので。」
「はいはい、了解しました。
あ、お土産にお酒は持ってこなくていいですからね?」
としっかり笑顔で釘をさされてしまった。
お礼に持って行って、ついでにガーリンさんと飲もうと思っていたのを察知されたらしい。俺は苦笑しながら頭をかいた。
「いこ、カイアちゃん。」
カイアはアーリーちゃんと手をつないでトコトコと歩いて行く。
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「さあ、カイア、ご飯にしようか。
まずは手を洗おうな。」
カイアを抱き上げて手を洗わせてやり、一緒にテーブルについた。
「いただきます。」
カイアも真似して手を合わせる。
今日のお昼ごはんは八宝菜丼とチョミックル(サワガニもどき)の素揚げと、豆腐とわかめのお味噌汁だ。
カイアにはスプーンを出してやると、上手に八宝菜丼を食べた。
俺は八宝菜には必ずヤングコーンが欲しい派だ。カイアもヤングコーンがお気にめしたらしく、1つとってはキラキラした目で見つめて食べ、2つとってはまたキラキラした目で見つめてから食べている。
多めに入れておいてよかった。
だがカイアがそれよりも気に入ったのはチョミックルの素揚げだった。
サクサクとした食感に、ちゃんとカニの旨味がある。これはたまらない。
……ビールが飲みたいな。昼間だけど飲んじまおうかな。
ビールを出そうかとも思ったが、カイアがもっと食べたそうだったので、俺の分も分けてあげた為、ビールは諦めた。
……カイアが喜んでくれるのが一番だな、うん。嬉しそうに食べるカイアを見ながらそう思う。
ビールを飲まなかったことだし、アシュリーさんに頼まれた、出汁こし布を販売登録する為に、商人ギルドに行ってみるか。
いい店の出店場所も教えて貰えるかも知れないしな。
「カイア、1人でお留守番出来るか?」
そう尋ねると、寂しそうな顔をする。
1人でお泊りするわけではないのだが、やはり不安らしい。
「どうしようかな……。」
そこにドアを叩く音がする。
「はい?」
「ジョージ、突然来てごめんなさいね、おすそ分けに来たのよ。」
やって来たのは、手にふきんを被せた籠を持った、笑顔のマイヤーさんだった。スカートの端をつまんで、マイヤーさんの後ろに隠れたアーリーちゃんもいる。
「ああ、それはすみません。
ありがとうございます。」
マイヤーさんの差し出した籠を受け取る俺の足元から、恐る恐るカイアが顔を覗かせる。アーリーちゃんとカイア、人見知り同士が目を合わせ、ぱちくりしている。
「え……、ジョージ、それは魔物なの?」
マイヤーさんが恐れたようにカイアを見おろす。その態度にカイアがビクッとして俺にすがりつく。
「ああ、いえいえ、ドライアドという精霊の子株だそうです。」
「精霊……!?初めて見たわ。」
マイヤーさんもアーリーちゃんも興味津々だ。
「カイア、ちゃんとご挨拶しなさい。」
カイアが俺に言われて、2人にペコリとお辞儀をする。
「まあ~、かしこいのねえ。」
マイヤーさんがカイアの可愛らしさに目を細める。
「あら、どうしたの?
アーリーったら、珍しいわね。
カイアちゃんと一緒に遊びたいの?」
見ればアーリーちゃんが、カイアにそっと手を伸ばしている。
「……マイヤーさん、ぶしつけなお願いなのですが、カイアを一日預かっていただけないでしょうか?俺はこれから出かける予定なのですが、カイアが寂しがっていて……。」
「あら、別に構わないですよ?
アーリーも一緒に遊びたがっていることですし。カイアちゃん、おばあちゃんのおうちにいらっしゃい、アーリーと遊んでくれたら嬉しいわ。」
マイヤーさんが目を細めて微笑む。
「カイアちゃん……、あそぼ……。」
あまり自分からは話さないアーリーちゃんが、カイアにそう言って手をのばす。
カイアが笑顔になってアーリーちゃんに手をのばした。
「すみません、じゃあ、お願いします。
夜に迎えに行きますので。」
「はいはい、了解しました。
あ、お土産にお酒は持ってこなくていいですからね?」
としっかり笑顔で釘をさされてしまった。
お礼に持って行って、ついでにガーリンさんと飲もうと思っていたのを察知されたらしい。俺は苦笑しながら頭をかいた。
「いこ、カイアちゃん。」
カイアはアーリーちゃんと手をつないでトコトコと歩いて行く。
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