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第19話 ネギ塩ルルクス(トマト)、ムルソー(こごみ)のお浸し、チーク茸(エリンギ)とオーク肉(豚肉)のオイスターソース煮込み②
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Aランク以上ともなると、Sランククエストに参加出来ることになるが、果たしてあの盾がSランク以上に通じるものか分からない。しかも年に1度は必ずSランククエストに参加しなくてはならないらしい。
さすがにパーティーを組むしかないだろうか?
そもそもオリハルコン弾だって通じるか分からないのだ。Sランクの魔物は等しく特殊攻撃をしてきて、巨大な体躯のものが多いのだとギルド長は言った。
そんなもの倒したことがないので、倒せるイメージが出来ない。
ワイバーンはまだこのくらいのサイズなら動物でも見たことがある、という大きさだったから、数さえいなければ問題はないと思う。
だが、世の中にはSランクを1人で倒す冒険者もそこそこいるらしい。
武器を聞いてみると、大半が近接職だったが、弓使いも何人かいるのだそうだ。
弓でいけるなら、武器次第では可能性があるかも知れない。
これは1年以内にオリハルコン銃を手に入れなくてはいけなくなってきたな。
今回ワイバーンはすべて買い取りして貰うことにした。村の人たちからいただいた食材もあることだし、必要ならまた狩ればいい。
1体につき大金貨2枚と中金貨4枚、しめて小白金貨6枚。
魔石が大量に取れたらしく、それが合計で小白金貨1枚と大金貨6枚と中金貨5枚。
……なんか見えて来たな。
オリハルコン銃を手に入れる為の金額を、既に半分以上稼いでしまったことになる。
俺は再びヴァッシュさんの工房を尋ねることにした。
「おお、ジョージ、見てくれ、こいつでどうかね。」
ヴァッシュさんが見せてくれた食器洗浄機は、自動でお湯が出て時間で止まる、俺がイメージした通りのものになっていた。
「はい、完璧です。ありがとうございます。」
「ならさっそくこいつを登録に行こう。
ネジの登録が終わっている筈だから、受け付けして貰える筈だ。
それが終わったらこいつを引き渡すよ。」
俺たちは連れだって商人ギルドと職人ギルドへと向かった。
「──ではこちらが控えになります。
3日後にまた、お越しください。」
ネジの時よりも日数がかかるらしい。
魔石を入れ替えられることと、全自動の2つの機能が備わったからだろうか?
「こいつを売り出したら、ジョージにもギルドを通じて金が入るからな。
楽しみにしておくといい。」
「まあ、高いものですし、急には売れないでしょうから、期待しないで待ってます。」
そう言う俺に、
「分からんぞ?
新しもの好きの貴族や、貴族相手の高級料理店なんかが必要としたら、一気に売れるかも知れん。」
貴族は分からないが、料理店は必要とするだろうな。その分人件費が浮くわけだし、長い目で見たらそっちの方がおトクだ。
1度自動の便利さを知ってしまったら、人間なかなか戻れないものだ。
帰り道、ヴァッシュさんに誘われて、再びナナリーさんの店に入った。
前回は昼飯時を過ぎていたのですいていたが、店の中はほぼ満員だった。
少し待ってテーブルが片付けられ、俺たちは席に通された。
「今日のオススメは何かね?」
「ナインテイルのタンの煮込みスープよ、おじいちゃん。」
ナナリーさんが笑顔で答える。
「おお、ワシの大好物じゃ。
ジョージは食ったことがあるかね?」
「いえ、ないですね。」
「ならぜひ食べて貰おう。
ナナリーのタンの煮込みスープは母さんよりも美味いからな。」
「おじいちゃんたら。」
照れて嬉しそうになるナナリーさん。
俺もそれを頼むことにした。
目の前に、熱々の陶器に入ったナインテイルのタンの煮込みスープが運ばれてくる。
タンが分厚くて食べごたえがある。
スープは、塩とブイヨンに、生姜かな?生姜はあるんだな、この世界。ほんの少し酒が入っている。
うん、実に俺好みだ。
パンと一緒にペロリと平らげる。
「ナナリーさん、すみません、おかわり貰えますか?」
「はーい。」
カウンターの奥から声が聞こえた。
さすがにパーティーを組むしかないだろうか?
そもそもオリハルコン弾だって通じるか分からないのだ。Sランクの魔物は等しく特殊攻撃をしてきて、巨大な体躯のものが多いのだとギルド長は言った。
そんなもの倒したことがないので、倒せるイメージが出来ない。
ワイバーンはまだこのくらいのサイズなら動物でも見たことがある、という大きさだったから、数さえいなければ問題はないと思う。
だが、世の中にはSランクを1人で倒す冒険者もそこそこいるらしい。
武器を聞いてみると、大半が近接職だったが、弓使いも何人かいるのだそうだ。
弓でいけるなら、武器次第では可能性があるかも知れない。
これは1年以内にオリハルコン銃を手に入れなくてはいけなくなってきたな。
今回ワイバーンはすべて買い取りして貰うことにした。村の人たちからいただいた食材もあることだし、必要ならまた狩ればいい。
1体につき大金貨2枚と中金貨4枚、しめて小白金貨6枚。
魔石が大量に取れたらしく、それが合計で小白金貨1枚と大金貨6枚と中金貨5枚。
……なんか見えて来たな。
オリハルコン銃を手に入れる為の金額を、既に半分以上稼いでしまったことになる。
俺は再びヴァッシュさんの工房を尋ねることにした。
「おお、ジョージ、見てくれ、こいつでどうかね。」
ヴァッシュさんが見せてくれた食器洗浄機は、自動でお湯が出て時間で止まる、俺がイメージした通りのものになっていた。
「はい、完璧です。ありがとうございます。」
「ならさっそくこいつを登録に行こう。
ネジの登録が終わっている筈だから、受け付けして貰える筈だ。
それが終わったらこいつを引き渡すよ。」
俺たちは連れだって商人ギルドと職人ギルドへと向かった。
「──ではこちらが控えになります。
3日後にまた、お越しください。」
ネジの時よりも日数がかかるらしい。
魔石を入れ替えられることと、全自動の2つの機能が備わったからだろうか?
「こいつを売り出したら、ジョージにもギルドを通じて金が入るからな。
楽しみにしておくといい。」
「まあ、高いものですし、急には売れないでしょうから、期待しないで待ってます。」
そう言う俺に、
「分からんぞ?
新しもの好きの貴族や、貴族相手の高級料理店なんかが必要としたら、一気に売れるかも知れん。」
貴族は分からないが、料理店は必要とするだろうな。その分人件費が浮くわけだし、長い目で見たらそっちの方がおトクだ。
1度自動の便利さを知ってしまったら、人間なかなか戻れないものだ。
帰り道、ヴァッシュさんに誘われて、再びナナリーさんの店に入った。
前回は昼飯時を過ぎていたのですいていたが、店の中はほぼ満員だった。
少し待ってテーブルが片付けられ、俺たちは席に通された。
「今日のオススメは何かね?」
「ナインテイルのタンの煮込みスープよ、おじいちゃん。」
ナナリーさんが笑顔で答える。
「おお、ワシの大好物じゃ。
ジョージは食ったことがあるかね?」
「いえ、ないですね。」
「ならぜひ食べて貰おう。
ナナリーのタンの煮込みスープは母さんよりも美味いからな。」
「おじいちゃんたら。」
照れて嬉しそうになるナナリーさん。
俺もそれを頼むことにした。
目の前に、熱々の陶器に入ったナインテイルのタンの煮込みスープが運ばれてくる。
タンが分厚くて食べごたえがある。
スープは、塩とブイヨンに、生姜かな?生姜はあるんだな、この世界。ほんの少し酒が入っている。
うん、実に俺好みだ。
パンと一緒にペロリと平らげる。
「ナナリーさん、すみません、おかわり貰えますか?」
「はーい。」
カウンターの奥から声が聞こえた。
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