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第3章
第500話 スカーレット嬢をスカウト
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スカーレット嬢が、契約魔法の書類にサインをして血判を押し、それを空中に放り投げると、それが青い炎をまとって消えた。
普段商人と取引してる鍛冶職人、かつ魔道具職人だけあって、契約魔法には驚かないみたいだね。みんな初めてで驚くんだけどな。
「──これで契約完了ですね。ではまず、僕の国、フルバティエにご案内いたします。」
「あ、あんたの国!?ねえ待って、さっきからどういうことなのか理解出来ない!」
「ここは人が来るかも知れませんし、移動先でゆっくりご説明しますので、まずは僕について来ていただけませんか?タンザビアさんと一緒ですので、ご安心ください。」
「う……、おじいちゃんも、一緒?」
「ああ、そうだ。だから安心して一緒に来るがいい。おじいちゃんが元龍神なことは、スカーレットもわかっているだろう?」
「おじいちゃんの強さは知ってるよ……。
わかった、一緒に行くよ……。ついたらちゃんと色々と説明してよね……。」
「はい、もちろんです。」
驚くスカーレット嬢とタンザビアさんを伴って、時空の扉を出し、魔道昇降でフルバティエに到着した。つくまでの間、スカーレット嬢はずっとキョロキョロしながら、タンザビアさんがまとうマントの裾を握っていた。
眉を下げてこわごわといった表情だったから、初めて見る時空の扉も、時空の海の中も怖かったんだろうな。そもそも契約魔法の件で、ちょっと不安がらせちゃったし。
まあ、僕も初めて時空の海の中に入った時は、凄くワクワクもしたけど、同時にちょっと怖かったしね。基本真っ暗で、アイテムボックスの扉だけが光ってる空間だし。
「──つきましたよ!
ここが僕の国、フルバティエです!
ここはなんと雲の上なんですよ!」
「く、雲の上ぇ!?」
「どうだ、驚いたろう。俺も初めて聞いた時は驚いたもんさ。ほらそこ、雲が動いているだろう?ここが雲の上って証拠さ。」
「ひえっ!?」
タンザビアさんが地面の脇で動く雲を指さして、楽しげに笑っている。スカーレット嬢を驚かせたいから、雲の上ってことは内緒にしてくれって言われてたんだよね。
タンザビアさんって、ひょっとして結構イタズラ好きの人なのかも?スカーレット嬢は魔道昇降の出口のすぐ脇で動く雲を見て、怯えたようにバッと後ろに飛び退いた。それを楽しそうに笑ってみているタンザビアさん。
「お、お、お前、そんなとこにいないで、もうちょっとこっち来いよ。風でも吹いたら、おっこっちまうかも知れねえだろ?」
「え?ああ、だいじょうぶですよ。ほら、見えませんけど、ここにシールドが張ってあるので、空に見えますけど、壁なんです。」
僕はシールドに手をついて、グッと押して見せたんだけど、スカーレット嬢は、ヒイイイイ!と悲鳴を上げて、ますます怖がった。
「そんな土の際っきわに張っているような、薄っぺらいもんなんて、な、なんかの拍子で割れちまうかも知れねえだろうが……。
あ、あたし高いとこ駄目なんだよ……。」
タンザビアさんの後ろに隠れるように、というか、捕まって落ちないようにしているみたいに、ギュッとマントにしがみついてる。
「ああ、すみません……。じゃあ、雲の下が見えるのも怖いですよね……。早速城に移動しましょうか。ここに足を乗せれば、地面が移動するので、すぐですので。」
「ひっ!ヒイイイイ!動いた!
地面が動いた!気持ち悪い!」
「すみません、慣れて下さい……。」
「なんだよ、楽しいだろ?」
怖がるスカーレット嬢とは正反対に、動く地面に毎回楽しそうなタンザビアさん。
どうやって動かしてるんだ?って気にしていたから、道具職人の血が騒ぐのかな。
お茶会の時に、タンザビアさんは、スカーレット嬢と同じく、鍛冶職人と道具職人のスキルを持っているって言ってたからね。
「これが魔道具だったらなあ。どうやって動かしているのか知りたいとこだったが。」
「すみません、僕のスキルで出したので、何で動いてるのかまではわからなくて……。」
「は?出した?スキルで?」
驚いた表情で、タンザビアさん越しに僕を見るスカーレット嬢。並び順は、スカーレット嬢、タンザビアさん、僕、って感じだ。
「ええ、僕のスキルが、こうした、特殊なものを生み出せるスキルだったので……。」
「だからって、雲の上に国や城を作るかね?
普通考えないだろ?そんなこと。」
まあ、考えたのはキリカなんだけど……。
「英雄候補たちを、他の国の干渉から守る為には、誰にも手出し出来ない、安全な場所に国を作る必要があったので。」
────────────────────
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普段商人と取引してる鍛冶職人、かつ魔道具職人だけあって、契約魔法には驚かないみたいだね。みんな初めてで驚くんだけどな。
「──これで契約完了ですね。ではまず、僕の国、フルバティエにご案内いたします。」
「あ、あんたの国!?ねえ待って、さっきからどういうことなのか理解出来ない!」
「ここは人が来るかも知れませんし、移動先でゆっくりご説明しますので、まずは僕について来ていただけませんか?タンザビアさんと一緒ですので、ご安心ください。」
「う……、おじいちゃんも、一緒?」
「ああ、そうだ。だから安心して一緒に来るがいい。おじいちゃんが元龍神なことは、スカーレットもわかっているだろう?」
「おじいちゃんの強さは知ってるよ……。
わかった、一緒に行くよ……。ついたらちゃんと色々と説明してよね……。」
「はい、もちろんです。」
驚くスカーレット嬢とタンザビアさんを伴って、時空の扉を出し、魔道昇降でフルバティエに到着した。つくまでの間、スカーレット嬢はずっとキョロキョロしながら、タンザビアさんがまとうマントの裾を握っていた。
眉を下げてこわごわといった表情だったから、初めて見る時空の扉も、時空の海の中も怖かったんだろうな。そもそも契約魔法の件で、ちょっと不安がらせちゃったし。
まあ、僕も初めて時空の海の中に入った時は、凄くワクワクもしたけど、同時にちょっと怖かったしね。基本真っ暗で、アイテムボックスの扉だけが光ってる空間だし。
「──つきましたよ!
ここが僕の国、フルバティエです!
ここはなんと雲の上なんですよ!」
「く、雲の上ぇ!?」
「どうだ、驚いたろう。俺も初めて聞いた時は驚いたもんさ。ほらそこ、雲が動いているだろう?ここが雲の上って証拠さ。」
「ひえっ!?」
タンザビアさんが地面の脇で動く雲を指さして、楽しげに笑っている。スカーレット嬢を驚かせたいから、雲の上ってことは内緒にしてくれって言われてたんだよね。
タンザビアさんって、ひょっとして結構イタズラ好きの人なのかも?スカーレット嬢は魔道昇降の出口のすぐ脇で動く雲を見て、怯えたようにバッと後ろに飛び退いた。それを楽しそうに笑ってみているタンザビアさん。
「お、お、お前、そんなとこにいないで、もうちょっとこっち来いよ。風でも吹いたら、おっこっちまうかも知れねえだろ?」
「え?ああ、だいじょうぶですよ。ほら、見えませんけど、ここにシールドが張ってあるので、空に見えますけど、壁なんです。」
僕はシールドに手をついて、グッと押して見せたんだけど、スカーレット嬢は、ヒイイイイ!と悲鳴を上げて、ますます怖がった。
「そんな土の際っきわに張っているような、薄っぺらいもんなんて、な、なんかの拍子で割れちまうかも知れねえだろうが……。
あ、あたし高いとこ駄目なんだよ……。」
タンザビアさんの後ろに隠れるように、というか、捕まって落ちないようにしているみたいに、ギュッとマントにしがみついてる。
「ああ、すみません……。じゃあ、雲の下が見えるのも怖いですよね……。早速城に移動しましょうか。ここに足を乗せれば、地面が移動するので、すぐですので。」
「ひっ!ヒイイイイ!動いた!
地面が動いた!気持ち悪い!」
「すみません、慣れて下さい……。」
「なんだよ、楽しいだろ?」
怖がるスカーレット嬢とは正反対に、動く地面に毎回楽しそうなタンザビアさん。
どうやって動かしてるんだ?って気にしていたから、道具職人の血が騒ぐのかな。
お茶会の時に、タンザビアさんは、スカーレット嬢と同じく、鍛冶職人と道具職人のスキルを持っているって言ってたからね。
「これが魔道具だったらなあ。どうやって動かしているのか知りたいとこだったが。」
「すみません、僕のスキルで出したので、何で動いてるのかまではわからなくて……。」
「は?出した?スキルで?」
驚いた表情で、タンザビアさん越しに僕を見るスカーレット嬢。並び順は、スカーレット嬢、タンザビアさん、僕、って感じだ。
「ええ、僕のスキルが、こうした、特殊なものを生み出せるスキルだったので……。」
「だからって、雲の上に国や城を作るかね?
普通考えないだろ?そんなこと。」
まあ、考えたのはキリカなんだけど……。
「英雄候補たちを、他の国の干渉から守る為には、誰にも手出し出来ない、安全な場所に国を作る必要があったので。」
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