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第3章
第482話 見覚えのある顔
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「エルシィさんのお母さんは、まだ現役でお子さんを産んでらっしゃるんですか!?」
「そうにゃりよ。多分死ぬまで子どもを産むかも知れないにゃりんねえ。」
「はあ~……、凄いですね……。」
エルシィさん自身も、お子さんの数が多いものね。エルシィさんもお母さんと同じくらい、お子さんを産むのかも知れないな。
「ラーラが先代の英雄だったことは知ってたにゃりんけど、そんなラーラにアタシが英雄候補として教えをこうだにゃんて、なんだかとっても感慨深いにゃりんねえ……。」
エルシィさんはちょっぴり誇らしげだ。
「本当はもっと早くに手ほどきして欲しかったのだがな、なにせ旅に出ていて行き先がわからず、捕まらなかったのだ。」
クローディアさまが、センスをパチンと鳴らしながら言う。
「ミーティアとかいう、居場所を特定して手紙を出せる、無属性魔法の手紙が出来て、ようやく連絡が取れたのよ。」
「ああ、そうだったんですね、お役に立ててなによりです。」
「ん?それはどういうことじゃ?」
クローディアさまが不思議そうに言う。
「ミーティアとリーティアは、僕のところで開発した商品なので……。魔塔を通じて販売許可を出してはいますけど。」
「なんと!そうであったのか!いや、あれは実に便利な代物じゃのう。これまでは居場所のわからない者には、あちらから連絡がない限り、連絡も取れなければ、生死もわからなかったが、これからはその限りではないということよ。返事がなくとも、届きさえすれば生きておるということだからの。」
「災害時や戦争時に、行方不明者を探すのに役立ちそうにゃりんねえ。」
「なるほど、そういう使い方もあるかも知れませんね。近くであれば、手紙の行方を追えば、その人にたどり着けますし。」
「──それよ。実は採掘場から経費でミーティアを購入したいという申請が上がっておっての。万が一落盤事故などあった際、埋もれた人々を救出するのに使えそうだということでな。なるほどと思い許可しておいた。」
「へええ!それはいい使い方ですね!」
リシャーラ王国も採掘したものが主な産業だし、大量に仕入れたりしてるのかもね。
落盤事故があると、そこから人を見つけて助け出すのは大変だと聞くからね。まあだからこそ、見つからなくてもいいように、犯罪者が送り込まれてるわけでもあるけど……。
スウォン皇国では犯罪者を採掘現場に送り込まないか、送り込んでいても、ちゃんと助けようとするってことだね。
「ただいま戻りました。」
ルルゥさんがフスマを開けて、謁見の間に入って来る。お風呂にでも入ってきたのか、髪の毛がまだ乾ききっていなかった。
湯上がりのルルゥさんを見ると、お風呂で遭遇しちゃった時のことを思い出して、ちょっと恥ずかしくなるなあ……。
「おう、戻ったか。アレックスが来ておるのじゃ。ラーラを英雄候補たちの師匠として迎えたいとのことでの。そちたちもアレックスの国で訓練をつけたいとのことよ。」
「アレックス殿の国で、ですか?スウォン皇国ではなく?他の英雄たちとまとめて訓練をしたほうが、効率がいいからでしょうか。
私はここから離れるわけには……。」
ルルゥさんはクローディアさまの御庭番として、護衛の仕事もあるものね。
「それはしばらくよい。我が国の国民から、最初の獣神を出したいと思っておるのよ。」
「そうでございますか……。
わかりました。ではそのように。」
ルルゥさんはクローディアさまの言葉に、スッと膝を立ててタタミにしゃがみながら、恭しく頭を下げた。
「ラーラはどうした?」
「まだ風呂に入っております。だいぶ汗をかきましたので……。ラーラ殿は体毛を乾かすのに毎回手間取っていらっしゃいますし。」
「そうか。そういうことらしい。申し訳ないが、アレックスよ、もうしばし待たれよ。」
「あ、はい、僕は問題ありません。」
みんなとおしゃべりしながらラーラさんを待っていると、スッとフスマがあいて、
「待たせたな。私に客人とのことだが。」
と、1人の女性が謁見の間に入って来た。
「おお、ラーラ、戻ったか。英雄たちの師匠になって欲しいという者が来ておるのだ。」
クローディアさまがセンスを鳴らす。
「クローディアさま。それはアイザックからの手紙で聞いておりますが、客人はアイザックではないと……、ん?お前もいるのか。」
ラーラさんはタンザビアさんに目線を向けながらそう言った。あれ……、待って、この人って誰かに似てる……。
体毛こそ、いかにも獣人って感じにかなりの面積に生えているけど、灰色の癖の付いた猫っ毛に、大きな青い印象的な目元といい、この人、レンジアにそっくりだよ!?
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「そうにゃりよ。多分死ぬまで子どもを産むかも知れないにゃりんねえ。」
「はあ~……、凄いですね……。」
エルシィさん自身も、お子さんの数が多いものね。エルシィさんもお母さんと同じくらい、お子さんを産むのかも知れないな。
「ラーラが先代の英雄だったことは知ってたにゃりんけど、そんなラーラにアタシが英雄候補として教えをこうだにゃんて、なんだかとっても感慨深いにゃりんねえ……。」
エルシィさんはちょっぴり誇らしげだ。
「本当はもっと早くに手ほどきして欲しかったのだがな、なにせ旅に出ていて行き先がわからず、捕まらなかったのだ。」
クローディアさまが、センスをパチンと鳴らしながら言う。
「ミーティアとかいう、居場所を特定して手紙を出せる、無属性魔法の手紙が出来て、ようやく連絡が取れたのよ。」
「ああ、そうだったんですね、お役に立ててなによりです。」
「ん?それはどういうことじゃ?」
クローディアさまが不思議そうに言う。
「ミーティアとリーティアは、僕のところで開発した商品なので……。魔塔を通じて販売許可を出してはいますけど。」
「なんと!そうであったのか!いや、あれは実に便利な代物じゃのう。これまでは居場所のわからない者には、あちらから連絡がない限り、連絡も取れなければ、生死もわからなかったが、これからはその限りではないということよ。返事がなくとも、届きさえすれば生きておるということだからの。」
「災害時や戦争時に、行方不明者を探すのに役立ちそうにゃりんねえ。」
「なるほど、そういう使い方もあるかも知れませんね。近くであれば、手紙の行方を追えば、その人にたどり着けますし。」
「──それよ。実は採掘場から経費でミーティアを購入したいという申請が上がっておっての。万が一落盤事故などあった際、埋もれた人々を救出するのに使えそうだということでな。なるほどと思い許可しておいた。」
「へええ!それはいい使い方ですね!」
リシャーラ王国も採掘したものが主な産業だし、大量に仕入れたりしてるのかもね。
落盤事故があると、そこから人を見つけて助け出すのは大変だと聞くからね。まあだからこそ、見つからなくてもいいように、犯罪者が送り込まれてるわけでもあるけど……。
スウォン皇国では犯罪者を採掘現場に送り込まないか、送り込んでいても、ちゃんと助けようとするってことだね。
「ただいま戻りました。」
ルルゥさんがフスマを開けて、謁見の間に入って来る。お風呂にでも入ってきたのか、髪の毛がまだ乾ききっていなかった。
湯上がりのルルゥさんを見ると、お風呂で遭遇しちゃった時のことを思い出して、ちょっと恥ずかしくなるなあ……。
「おう、戻ったか。アレックスが来ておるのじゃ。ラーラを英雄候補たちの師匠として迎えたいとのことでの。そちたちもアレックスの国で訓練をつけたいとのことよ。」
「アレックス殿の国で、ですか?スウォン皇国ではなく?他の英雄たちとまとめて訓練をしたほうが、効率がいいからでしょうか。
私はここから離れるわけには……。」
ルルゥさんはクローディアさまの御庭番として、護衛の仕事もあるものね。
「それはしばらくよい。我が国の国民から、最初の獣神を出したいと思っておるのよ。」
「そうでございますか……。
わかりました。ではそのように。」
ルルゥさんはクローディアさまの言葉に、スッと膝を立ててタタミにしゃがみながら、恭しく頭を下げた。
「ラーラはどうした?」
「まだ風呂に入っております。だいぶ汗をかきましたので……。ラーラ殿は体毛を乾かすのに毎回手間取っていらっしゃいますし。」
「そうか。そういうことらしい。申し訳ないが、アレックスよ、もうしばし待たれよ。」
「あ、はい、僕は問題ありません。」
みんなとおしゃべりしながらラーラさんを待っていると、スッとフスマがあいて、
「待たせたな。私に客人とのことだが。」
と、1人の女性が謁見の間に入って来た。
「おお、ラーラ、戻ったか。英雄たちの師匠になって欲しいという者が来ておるのだ。」
クローディアさまがセンスを鳴らす。
「クローディアさま。それはアイザックからの手紙で聞いておりますが、客人はアイザックではないと……、ん?お前もいるのか。」
ラーラさんはタンザビアさんに目線を向けながらそう言った。あれ……、待って、この人って誰かに似てる……。
体毛こそ、いかにも獣人って感じにかなりの面積に生えているけど、灰色の癖の付いた猫っ毛に、大きな青い印象的な目元といい、この人、レンジアにそっくりだよ!?
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