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第3章

第464話 僕の子作りは大変らしい

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「子作りする際に、アレックスがちょうどよく神力を込められるか心配だったのよ。」
 エリシア姉さまが眉を下げて微笑む。

「だから出来れば見守って、うまくいかない場合は僕らがサポート出来たら良かったんだけどね。見えないから難しいかな。」
 スローン兄さまが申し訳無さそうに言う。

 つまり、僕がちょうどいいバランスで神力を注いで子作り出来なかった場合、僕の子どもが死んでしまうから、そこをみんなで調整するつもりだったってことだね。

 それはありがたいんだけど……。
 それでもやっぱり、兄弟たちに夫婦の寝室を覗かれるのは絶対に嫌だよ!僕のを見られるのも、奥さんのを見せるのも無理!

「な、なんとか頑張ってみます……。」
 僕が自ら子作りを頑張ります宣言をしたことで、ヒルデが咳払いをし、ミーニャが目を閉じて恥ずかしそうに頬を染めた。

「それじゃ、そろそろ、鍛錬場を案内してくれないかしら?アレックスがどんな風に作ったのか、確認しておきたいわ。」

「あ、はい、案内しますね。
 ミーニャとヒルデも一緒について来てよ。
 2人がこれから使う場所でもあるし。」

「うん。」
「わかったわ。気になってたのよね。」
「我らもついて行かせてもらおう。」
「そうね。」

 そんなわけで、僕と母さま、ミーニャとヒルデ、そして兄さまたちがゾロゾロと連れ立って、城の地下に向かうことになった。

 巨大な城だからね、いちいち階段を昇り降りしなくてもいいように、大人数を運べる魔道昇降を取り付けたんだ。リシャーラ王国の王宮は、4階建てなのに階段だからなあ。

 しかもひとつの階の天井が高いから、階段もその分長いんだ。あれを毎日上り下りするって考えると、正直しんどいよねえ。

 新年の挨拶は、地方貴族も辺境伯も含めた全員で行うんだけど、序列順に挨拶をすることになってるのに、先に挨拶しなくちゃならないお年寄りが階段を登れなくて、そこに時間がかかることが多いんだもの。

 魔道昇降を取り付けたらいいと思うんだけど、それとなく魔道具工房で話題に出した時に、魔道昇降って後付け出来ない物だから無理だろうなって言われたよ。

 建物をそれに合わせて設計しているから、どこかをぶち抜いて作ったり出来ないんだって。お城はたいてい石造りだから、穴をあけたところから城が崩れてしまうらしい。

 建築構造の問題なら仕方ないよね。だから僕のお城には初めから大きい魔道昇降をつけたんだ。これで一気に地下まで降りる。

「こんな大きな魔道昇降は初めて見るわ。
 百貨店でもここまで大きくないわよ。」
 ヒルデが関心したようにそう呟いた。

「うちの城の自慢のひとつかな。さ、ついたよ。みんな、こっちだよ。どうぞ。」
 僕は先頭に立って降りると、目の前の巨大な扉に手のひらを向けてみんなを案内した。

 ここの扉は、壁についている四角いボタンを押すことで、自動開閉が可能なんだ。
 宴会場はお客様を呼ぶところだから、従者に開けてもらったほうが見栄えがいいけど、ここは英雄たちしか使わないからね。

 いちいち人に開けてもらうより、自分たちで開閉出来たほうがいいかなって思ったからだね。みんな、おお……と関心している。

 中は石畳と、壁ひとつない空間が広がっている。時空間魔法を使って、自由に大勢が一度に訓練できるようにしたんだ。

 ところどころ柱が立って、なおかつその上に平たい円錐の台が乗っているのは、高いところから攻撃したり、されたりする訓練をする為だね。手をかざせば上に上がれるんだ。

「な……、なんか入った途端、ズッシリと体が重たい気がするんだけど……。」
「わ、私もです、ヒルデさん。」
 ヒルデとミーニャがそう訴える。

「ここは時間の流れが地上と違って、なおかつ圧がかかるようになってるんだ。
 ここで鍛えると、地上よりも効率がいいようになっているんだよ。」

「なるほど、あらかじめ負荷がかかる仕組みになっているんだね。なおかつ時間の流れが遅いから、同じ訓練をしても、地上の時間よりも早く鍛えられるということだね。」
 スローン兄さまが関心したように言う。

「はい、そういうことですね。
 もちろん英雄同士で戦って訓練してもいいですし、念じれば、好きな数だけ、戦いたい魔物を呼び出すことも可能なんです。」

「へえ……。凄いわね。自分が苦手とする魔物を呼び出せば、効率的に訓練が出来るというわけね。これで地形も変えられたら、なお最高だったけど。山とか、平地とかね。」

「出来るよ?他の人がいる時には配慮してもらわないといけないから、相談してになると思うけど、その為にここはフラットなんだ。
 念じればフィールドが変わる仕組み。」

────────────────────

つまりは●神と時の部屋の、フィールド変換可能バージョン。
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