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第3章
第424話 ヒックスさんの視線の先には
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今日のルカリア学園の授業は、午前中が講義で午後がスタミナ訓練だ。規定の授業は座席が割り当てられていて、選択授業は自由に座席を選ぶことが出来るんだ。
だけど普段の席が隣だし、そんなに知り合いを増やす機会もないから、僕はなんとなくいつもヒックスさんの隣に座ってしまう。
ヒックスさんは選択授業も一緒なんだ。
選択授業には、騎士科と魔法科の面々も一定数存在するから、僕はそこでヒルデとオフィーリア嬢と一緒になるんだよね。
でも彼女たちも友人と席を並べて座っているから、僕の隣りに座ることはないんだ。教室に入る時に、互いに挨拶をする程度かな。
食事も別々に食べるから、同じ学園に通っていると言っても、案外話す機会は少ない。
僕は仕事があるから忙しいし、ヒックスさんみたく放課後に研究室にも行かないしね。
正直彼女たちは、僕のことを追いかけてきたのかなって思っていたけど、ちょっと自意識過剰だったみたいだ。恥ずかしいな……。
本来ならオフィーリア嬢はもともと学園に通う予定があったんだし、改めてそれをしてるってだけなんだろう。ヒルデはわからないけど、楽しそうだったからかな。
確かに週2回なら仕事に支障も少ないし、学べることも多いから、冒険者としても英雄になるにも、行っておいて損はないよね。
でも、少しだけ話したところによると、オフィーリア嬢はどこかの研究室に所属したみたいだ。放課後もたまに冒険者ギルドの仕事をするというヒルデは無参加らしい。
だからこの間、オフィーリア嬢の連れて来た貴族たちに、冒険者の先輩として講習の仕事を受けていたわけだね。
魔法科じゃなくても参加することの出来る魔法の研究室は、正直ちょっと魅力ではあるけど……。僕だって魔法は使いたかったし。
ちなみにヒックスさんはアルケニオ男爵の研究室に所属しているらしい。魔法の研究家で有名な、ルカリア学園魔法科の講師だ。
いいなあ、アルケニオ男爵の研究室。僕も参加してみたかったよ。でもかなり頻繁に活動しているみたいだから、本当の学生でもない限り、さすがに連日の参加は難しいしね。
そんなヒックスさんはと言うと、斜め前のほうの席に座っている貴族風の服を着た、可愛らしい女の子を、さっきからずっとチラチラと見ながら気にしている様子だった。
明るいブラウンの肩までの髪に、はしばみ色の目をした子だ。貴族の集まりで見かけたことがないから、おそらく下級貴族だろう。
好きなのかな?って一瞬思ったんだけど、なんかうまく言えないけど、そういう感じとは違う気がするんだよなあ……。
なんか心配そうというか、声をかけたそうにしていることには、間違いないと思うんだけど……。それにしても、キリカとミルドレッドさんはどこにいるのかな?
姿を隠した状態で、潜入してきている筈だけど……。この教室が見られる場所といったら、窓の外か、教室のどこかのあいている席に座って潜んでいるしかないけど。
そう思って窓の外を見やると、一瞬、太い木の枝に腰掛けたキリカとミルドレッドさんが姿を現して、僕ににこやかに手を振ってくる。ちょっと!あぶないってば!
王宮のように魔法阻害の魔道具こそないものの、敷地に防壁魔法が使われているルカリア学園に、堂々と侵入するだけでもとんでもないのにさ。
でも、僕と僕のお嫁さん候補の接し方を確認しにくるとか言っていたけど、お嫁さん候補って誰の話なんだろうか?
僕がここにいる誰かに、興味を持つとでも思っているのかな?さすがに知らない人といきなりそういうことにはならないと思うんだけど……。それとも、学園に通っているヒルデや、オフィーリア嬢のことかな?
オフィーリア嬢のことは気に入っていると言っていたしね。でも僕別に、あの2人のことを、お嫁さん候補として考えたことないんだけどな。ミーニャだっているし。
ミーニャも一緒に学園に通えたら良かったんだけど、弓はルカリア学園に科がないんだよね。そもそもなり手が魔法使いよりも少ないっていうのもあるけど。
学校自体もそもそも少なくて、リシャーラ王国で弓科を持っている学校は2つしかないんだ。これは他の国に比べても少ないほう。
リシャーラ王国の王宮の騎士団にも、弓兵部隊は専属で存在しないからね。他の国には弓兵だけの部隊も存在するみたいだけど、リシャーラ王国は魔法使いのほうが多くて、あまり弓には力を入れていないんだ。
デバフを使えたりするから、弓が戦力にいると戦局が異なると言うけど、実際魔法使いよりも身を守る術を持たないから、弓って隠れていられないとかなり難しいんだよね。
弓神みたく、前に出て縦横無尽に動き回って戦う、なんてことが出来る存在は、もう本当にひとにぎりだと思う。だからこそ、それが出来る人がいるのは大きいんだろうな。
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だけど普段の席が隣だし、そんなに知り合いを増やす機会もないから、僕はなんとなくいつもヒックスさんの隣に座ってしまう。
ヒックスさんは選択授業も一緒なんだ。
選択授業には、騎士科と魔法科の面々も一定数存在するから、僕はそこでヒルデとオフィーリア嬢と一緒になるんだよね。
でも彼女たちも友人と席を並べて座っているから、僕の隣りに座ることはないんだ。教室に入る時に、互いに挨拶をする程度かな。
食事も別々に食べるから、同じ学園に通っていると言っても、案外話す機会は少ない。
僕は仕事があるから忙しいし、ヒックスさんみたく放課後に研究室にも行かないしね。
正直彼女たちは、僕のことを追いかけてきたのかなって思っていたけど、ちょっと自意識過剰だったみたいだ。恥ずかしいな……。
本来ならオフィーリア嬢はもともと学園に通う予定があったんだし、改めてそれをしてるってだけなんだろう。ヒルデはわからないけど、楽しそうだったからかな。
確かに週2回なら仕事に支障も少ないし、学べることも多いから、冒険者としても英雄になるにも、行っておいて損はないよね。
でも、少しだけ話したところによると、オフィーリア嬢はどこかの研究室に所属したみたいだ。放課後もたまに冒険者ギルドの仕事をするというヒルデは無参加らしい。
だからこの間、オフィーリア嬢の連れて来た貴族たちに、冒険者の先輩として講習の仕事を受けていたわけだね。
魔法科じゃなくても参加することの出来る魔法の研究室は、正直ちょっと魅力ではあるけど……。僕だって魔法は使いたかったし。
ちなみにヒックスさんはアルケニオ男爵の研究室に所属しているらしい。魔法の研究家で有名な、ルカリア学園魔法科の講師だ。
いいなあ、アルケニオ男爵の研究室。僕も参加してみたかったよ。でもかなり頻繁に活動しているみたいだから、本当の学生でもない限り、さすがに連日の参加は難しいしね。
そんなヒックスさんはと言うと、斜め前のほうの席に座っている貴族風の服を着た、可愛らしい女の子を、さっきからずっとチラチラと見ながら気にしている様子だった。
明るいブラウンの肩までの髪に、はしばみ色の目をした子だ。貴族の集まりで見かけたことがないから、おそらく下級貴族だろう。
好きなのかな?って一瞬思ったんだけど、なんかうまく言えないけど、そういう感じとは違う気がするんだよなあ……。
なんか心配そうというか、声をかけたそうにしていることには、間違いないと思うんだけど……。それにしても、キリカとミルドレッドさんはどこにいるのかな?
姿を隠した状態で、潜入してきている筈だけど……。この教室が見られる場所といったら、窓の外か、教室のどこかのあいている席に座って潜んでいるしかないけど。
そう思って窓の外を見やると、一瞬、太い木の枝に腰掛けたキリカとミルドレッドさんが姿を現して、僕ににこやかに手を振ってくる。ちょっと!あぶないってば!
王宮のように魔法阻害の魔道具こそないものの、敷地に防壁魔法が使われているルカリア学園に、堂々と侵入するだけでもとんでもないのにさ。
でも、僕と僕のお嫁さん候補の接し方を確認しにくるとか言っていたけど、お嫁さん候補って誰の話なんだろうか?
僕がここにいる誰かに、興味を持つとでも思っているのかな?さすがに知らない人といきなりそういうことにはならないと思うんだけど……。それとも、学園に通っているヒルデや、オフィーリア嬢のことかな?
オフィーリア嬢のことは気に入っていると言っていたしね。でも僕別に、あの2人のことを、お嫁さん候補として考えたことないんだけどな。ミーニャだっているし。
ミーニャも一緒に学園に通えたら良かったんだけど、弓はルカリア学園に科がないんだよね。そもそもなり手が魔法使いよりも少ないっていうのもあるけど。
学校自体もそもそも少なくて、リシャーラ王国で弓科を持っている学校は2つしかないんだ。これは他の国に比べても少ないほう。
リシャーラ王国の王宮の騎士団にも、弓兵部隊は専属で存在しないからね。他の国には弓兵だけの部隊も存在するみたいだけど、リシャーラ王国は魔法使いのほうが多くて、あまり弓には力を入れていないんだ。
デバフを使えたりするから、弓が戦力にいると戦局が異なると言うけど、実際魔法使いよりも身を守る術を持たないから、弓って隠れていられないとかなり難しいんだよね。
弓神みたく、前に出て縦横無尽に動き回って戦う、なんてことが出来る存在は、もう本当にひとにぎりだと思う。だからこそ、それが出来る人がいるのは大きいんだろうな。
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