上 下
338 / 486
第3章

第392話 無限廊下

しおりを挟む
【マジックバッグは回収されるようですね。
 アイテムボックスはスキルの為、防げる魔道具がないようです。防ぐことが可能なのは現代魔法を封じる魔道具でのみですね。

 ただし何かをアイテムボックスから突然取り出されてもいいように、対処可能な能力を持った賢者が対応するようです。】

 つまりはかなり偉い人か、凄く強い人が来るっていうことだね?

【そのようですね。】

 カナンのペンダントはどうなんだろ?
 魔道具ではないし、カナン自体が宝石に宿った精霊なわけだけど……。

 攻撃する能力がないかって言われたら、あるじゃない?もちろんカナンは、僕の身を護るためにだけしか力を使ったことはないけどさ、相手にそれが通じるのかな?

【祝福がかかったアイテムは、基本的に害意を持つ相手にのみ反応しますので、攻撃用のアイテムとして判断されませんね。
 本来ならば。】

 本来ならば?なら、カナンのペンダントは違うってこと?

【これは200年前の勇者の持ち物になったものであり、代々手にした相手を誘惑してきた精霊が宿ったアイテムです。

 いわば呪いに該当するもの。呪いはどう害悪をもたらすものでるか判断がつきませんので、おそらく回収されることでしょう。】

 返してもらえるんだよね?

【帰還時に返却される筈です。】

 良かった。
 それにしても長い廊下だなあ……。
 ダンジョンの無限廊下みたい。

 レンジアは一歩下がったところで、大人しくついて来ているけど、いつまで続くのか、わからない廊下に、護衛らしく心配をいだいて、いつ攻撃に転じないか心配になるよ。

【解析と妨害に時間がかかっているようですね。完了するまで廊下は終わらないということです。カナンさんのペンダントもそうですが、オニイチャンにはお母さまの加護や、オニイチャン自身の力がありますから。
 解析に時間がかかって当然ですね。】

 そっか……。というか、僕の力を解析するって、それって神の力もってこと?
 ──解析終わるのかな?

【どうでしょうね。人にオニイチャンの力が測りきれるとは思えません。
 無限廊下が終わらないかも知れませんよ。
 それこそ永久に。】

 ええ!?困るよ。
 帰ったら魔法の登録も出来ないし……。
 誰か出てきてくれたらなあ。
 直接質問出来るのに。

【待つしかありませんね。
 終わらなそうならそこで考えましょう。
 私もオニイチャンにあちらの道具を使った時の結果までは情報がありませんし。】

 はあ……。さっきまでレベルアップして嬉しかったのになあ。──あれ?そういえば、ドラゴンの国を作った時にはレベルアップしなかったね?あれはどうして?

【ドラゴンの国は確かに、あの時点でこの世に存在しないものでしたので、創生の海で生み出すことは可能でしたが、もともと一度世に存在していたものですから。

 まったく存在しなかったものを、いちから生み出すのに比べたら経験値が違います。
 だからレベルアップしなかったというだけですね。数にはカウントされてますが。】

 ええ……。あんなにスタミナ回復薬を使って大変だったのに、スキル経験値のカウントとしては、そうなっちゃうんだ……。

【まったく存在しないものを次々生み出したほうが、スキル経験値は上がりますね。
 逆に言えば、新しいものを生み出すだけでいいのですから簡単なのでは?

 オニイチャンは商人でもあるのですから、商売に使えそうなものを、たくさん考えるといいでしょうね。そうすれば、商売の役にも立ちますし、レベルアップもすぐです。】

 そうは言っても、なんでも生み出せるとはいえ、新しいものって、考えるのが結構大変なんだよ。それこそ商売に使えるものってなると、なおのことだよ。

 商売のタネがそう簡単に思いつけたら、みんな苦労しないと思うな。確かに僕としても僕しか生み出せないものより、従業員が生み出せるものを作りたいとは思っているけど。

【それはそうですね。魚も、珊瑚も、金塊などの鉱石も、塩も、オニイチャンのスキルで取り出したものと、一般に流通しているものとは、値段も質も違いますし、何よりオニイチャンにしか出せませんからね。

 魚だって、流通のことを考えたら費用がかさみますし、漁師に採らせた場合、今までの値段で販売するなど不可能ですから。

 魔法の手紙のような、オニイチャンと同じスキルを持たない人たちが生み出せるものをたくさん作る必要があると思います。

 ギアホースは魔導具師が作ることが可能なものとして生み出しましたが、戦力に影響を与える関係から、大量販売は不可能な商品になってしまいましたし。】

 それなんだよねえ……。思ったより強いものを作りすぎちゃったから。馬に乗って空を飛ぶのは楽しいんだけどね。

────────────────────

少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。