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第2章
第332話 自由すぎる家族
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「今は言葉ひとつ伝えるのにも苦労していますが、それならばまとめやすいというものです。当然力は薄まりますから、あなたほどの力を持つ子どもは生まれないでしょうが。」
「……。」
「どうした?アレックス。
思案げな顔をして。」
「僕、僕の子孫たちが僕と同等以下の力を持ったとして、むしろ混乱を招かないか、その力を持って暴れたりしないかが気にかかります。人間が色濃く出るにつれ……。」
「なんだ、そんなことを今から心配してるのか?アレックスの子どもなんだ、心配はいらないさ!」
「心配はありませんね。」
「その通りだ!
なにせアレックスの子だからな!」
「そんなことを心配してたのか?
かわいいやつだなあ。」
「安心してたくさん妻を娶ると良い。」
ガレシア兄さまがカラカラと笑い、兄さま姉さまたちが次々同調する。ええ……。
「それはさすがに気軽に考え過ぎじゃないですか?僕の家系だって、乱暴な考え方の人がいないわけじゃないんですよ?」
どうにも兄さまたちは、僕のことを猫可愛がりするあまり、僕の遺伝子にまで厚い信頼を寄せてくれているみたいだけど、僕、さすがに子孫のことにまで責任持てないよ!
「本当に問題があれば、母さまは神の力を取り上げることも出来るんだ、何も心配はないさ。たまに神罰として、スキルを取り上げることだってあるくらいだからな。」
「え?あれって本当に神罰なんですか?」
「ああそうさ、こちらが与えたものだからな、取り上げることだって出来るのさ。」
母さま──アジャリベさま信仰の中心である、中央聖教会が作った聖典に、神の祝福は時として神罰により奪われることがある、っていうのがあるんだよね。
悪いことをしていると、神さまが見ているぞという脅しのようなものだね。子どもが悪さをすると、貰ったスキルを奪われるぞ、と親が怒る時に言う言葉でもあるんだ。
「アレックスだって、神格が上がって、祝福を授けられるようになって、同時に奪えることをキリカから説明されたろ?」
「そういえば説明されましたね……。」
「だからもしも万が一そんなことになったとしたって、心配することはないのさ。」
「なるほど、安心しました。」
万が一、子孫がそんなことになったら、僕の責任において奪わなくちゃ!
生きてるうちだけでも!
僕は決意を新たにした。
叔父さんの希望を伝えて、思い出の舟遊びをする時は3人だけにして貰うということになり、ようやく旅行が本決まりになる。というか、ほんとにこの人数で行くんだね……。
ミルドレッドさんに畑の水やりをお願いしたところ、子どものようにひっくり返ってヤダヤダをされてしまった。
「ずるいのじゃ!わらわが留守番なんて嫌なのじゃ!わらわも連れて行ってたも!」
えええ……。
そこで改めて、叔父さんも交えて、母さまたちと話をして、僕の将来のお嫁さん候補ということであれば、家族として連れて行くのもいいだろう、ということになった。
待って?僕そんなつもりないよ?
だけどそこで話を聞く兄弟たちではなかった。まあ、ミルドレッドさんには日頃から世話になっているからな、と叔父さんも言う。
僕一人が我慢すれば済むということになって、結局ミルドレッドさんも加えた大所帯で旅行に行くことになってしまった。
叔父さんがご近所さん──と言ってもかなり距離があるけど──に、晴れていた場合の水やりをお願いして了承をもらって、時空の扉でレグリオ王国へとやって来た。
そして、そこには当然、というか、時空の海に入れるようになったレンジアが、姿を消して護衛としてついて来てくれている。
うう……。家族旅行は嬉しいけど、みんな好き勝手に行動しそうで心配だなあ。
と思っていた僕の心配は、ばっちりと当たってしまう。
──みんなどこ!?
好き勝手行動し過ぎだよ!
母さまと叔父さんまでいないし!
まさか叔父さんがついてて消えるなんて。
「叔父さんも、母さまには甘いからなあ。
はあ、家族旅行って言ってたのに、これなら全員で来る必要なかったんじゃ……。」
「アレックスさま、私がいる。」
「オニイチャン、私もいますよ?」
護衛のレンジアとキリカは残ってくれていたけど、ミルドレッドさんまでいない。
広範囲の認識阻害魔法をかける場合、術者の近くにいないといけないから、近距離用の単体魔法を僕にかけて、さっさとどこかに行ってしまった。
「みんな今どこにいるんだろう……。」
「よく見ればわかる。」
「そうですね、わかりますね。」
「え?どういうこと?」
「アレックスさまのご家族、光ってる。」
よく見ればところどころに、人の姿が見えないにも関わらず、妙にキラキラと光っている場所が、市場のあちこちに存在してる。
────────────────────
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「……。」
「どうした?アレックス。
思案げな顔をして。」
「僕、僕の子孫たちが僕と同等以下の力を持ったとして、むしろ混乱を招かないか、その力を持って暴れたりしないかが気にかかります。人間が色濃く出るにつれ……。」
「なんだ、そんなことを今から心配してるのか?アレックスの子どもなんだ、心配はいらないさ!」
「心配はありませんね。」
「その通りだ!
なにせアレックスの子だからな!」
「そんなことを心配してたのか?
かわいいやつだなあ。」
「安心してたくさん妻を娶ると良い。」
ガレシア兄さまがカラカラと笑い、兄さま姉さまたちが次々同調する。ええ……。
「それはさすがに気軽に考え過ぎじゃないですか?僕の家系だって、乱暴な考え方の人がいないわけじゃないんですよ?」
どうにも兄さまたちは、僕のことを猫可愛がりするあまり、僕の遺伝子にまで厚い信頼を寄せてくれているみたいだけど、僕、さすがに子孫のことにまで責任持てないよ!
「本当に問題があれば、母さまは神の力を取り上げることも出来るんだ、何も心配はないさ。たまに神罰として、スキルを取り上げることだってあるくらいだからな。」
「え?あれって本当に神罰なんですか?」
「ああそうさ、こちらが与えたものだからな、取り上げることだって出来るのさ。」
母さま──アジャリベさま信仰の中心である、中央聖教会が作った聖典に、神の祝福は時として神罰により奪われることがある、っていうのがあるんだよね。
悪いことをしていると、神さまが見ているぞという脅しのようなものだね。子どもが悪さをすると、貰ったスキルを奪われるぞ、と親が怒る時に言う言葉でもあるんだ。
「アレックスだって、神格が上がって、祝福を授けられるようになって、同時に奪えることをキリカから説明されたろ?」
「そういえば説明されましたね……。」
「だからもしも万が一そんなことになったとしたって、心配することはないのさ。」
「なるほど、安心しました。」
万が一、子孫がそんなことになったら、僕の責任において奪わなくちゃ!
生きてるうちだけでも!
僕は決意を新たにした。
叔父さんの希望を伝えて、思い出の舟遊びをする時は3人だけにして貰うということになり、ようやく旅行が本決まりになる。というか、ほんとにこの人数で行くんだね……。
ミルドレッドさんに畑の水やりをお願いしたところ、子どものようにひっくり返ってヤダヤダをされてしまった。
「ずるいのじゃ!わらわが留守番なんて嫌なのじゃ!わらわも連れて行ってたも!」
えええ……。
そこで改めて、叔父さんも交えて、母さまたちと話をして、僕の将来のお嫁さん候補ということであれば、家族として連れて行くのもいいだろう、ということになった。
待って?僕そんなつもりないよ?
だけどそこで話を聞く兄弟たちではなかった。まあ、ミルドレッドさんには日頃から世話になっているからな、と叔父さんも言う。
僕一人が我慢すれば済むということになって、結局ミルドレッドさんも加えた大所帯で旅行に行くことになってしまった。
叔父さんがご近所さん──と言ってもかなり距離があるけど──に、晴れていた場合の水やりをお願いして了承をもらって、時空の扉でレグリオ王国へとやって来た。
そして、そこには当然、というか、時空の海に入れるようになったレンジアが、姿を消して護衛としてついて来てくれている。
うう……。家族旅行は嬉しいけど、みんな好き勝手に行動しそうで心配だなあ。
と思っていた僕の心配は、ばっちりと当たってしまう。
──みんなどこ!?
好き勝手行動し過ぎだよ!
母さまと叔父さんまでいないし!
まさか叔父さんがついてて消えるなんて。
「叔父さんも、母さまには甘いからなあ。
はあ、家族旅行って言ってたのに、これなら全員で来る必要なかったんじゃ……。」
「アレックスさま、私がいる。」
「オニイチャン、私もいますよ?」
護衛のレンジアとキリカは残ってくれていたけど、ミルドレッドさんまでいない。
広範囲の認識阻害魔法をかける場合、術者の近くにいないといけないから、近距離用の単体魔法を僕にかけて、さっさとどこかに行ってしまった。
「みんな今どこにいるんだろう……。」
「よく見ればわかる。」
「そうですね、わかりますね。」
「え?どういうこと?」
「アレックスさまのご家族、光ってる。」
よく見ればところどころに、人の姿が見えないにも関わらず、妙にキラキラと光っている場所が、市場のあちこちに存在してる。
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