上 下
266 / 486
第2章

第321話 新たな産業の提案

しおりを挟む
【“キリカは妹として受け入れておるであろうが!なんじゃ、妹はよくて姉は駄目だと申すのか。姉は可愛くないとでも言うのか!
 わらわとて可愛いのだぞ!”

 そりゃあそうですよ、姉よりも、イ・モ・ウト、が可愛いのは、当然のことです!
 オニイチャンは、弟のリアム君のことだって、とっても可愛がってますからね!】

 ディダ姉さま……。嫉妬が凄いです。
 あとキリカ、あんまり煽らないで?

【“だからこそ、君と会って話がしたいのだよ。こうして声だけでは、アレックスも兄弟の実感が沸かないのではないか、とね。”】

 スローン兄さま……。そうですね、確かにそれはあると思います。

【“なら作れ!今すぐ作るのだ!”】

 ディダ姉さま……。さすがに今すぐはちょっと……。国を作ったばかりで、僕さすがに疲れてるんですよ。
 創生の海はスタミナをたくさん使うから。

【“ぬ……。そうであったな。
 人間の体はまこと不便だ。なら待ってやるから、明日にでも作るがよい。”】

 明日でもだいぶ早いけどな!?

【もう。だから姉さまたちと念話をつなぎたくなかったんですよ。すぐオニイチャンに無茶を言おうとするんだから!

 オニイチャンは疲れてるんですよ?

 それにオニイチャンと直接会えるのは、私だけでじゅうぶんなんですっ!】

 キリカ……。それは僕を心配してくれているのか、単なる嫉妬なのか、どっちなの?

 わかりましたよ、兄さまたちの体も作ります。だけど今日は本当に疲れてるんで、明日以降にさせてくださいね?

【“おお、ついにアレックスに我らの姿を見せることが出来るのだな!”

 “まあ、じゃあお母さまの体も作ってくれるのかしら?アレックスに会えるのが今から楽しみね!”】

 か、母さまもですか!?
 か、考えてなかった……。

【“そんな……。ひどいわ。私はアレックスに会いたくてたまらなかったのに、アレックスはそうではなかったのですね……。”】

 そんなわけありません!僕も母さまに、会えるものなら会いたかったですよ!
 だけど亡くなったものだと思っていたので頭になかったというだけです。

 もちろん、兄さまたちの体を作るのであれば、母さまの体だって作りますよ!

【“嬉しいわ、アレックス。
 楽しみにしていますね。”】

 はい、母さま!

【“僕たちも、アレックスが生まれた時から楽しみにしてたんだかんなー。
 忘れんなよ?”】

 はい、マルグス兄さま。
 僕も楽しみにしてますね!

 思いがけず、兄さまたちの体を作ることになったな。でも、楽しみだし頑張ろう!

「アレックスさま……?」
 兄さまたちと話し込んでしまった僕を、不思議そうにバルトロメオ陛下たちが、ひざまずいたまま見上げている。

「あ、ごめんなさい、マルグス兄さまたちと話し込んでしまって……。」
「おお、マルグスさまと……。」
「さすがはアレックスさまだ。」

 ん?また力が増した?兄さまたちと話をしてたのを知っただけで?他の神さまたちと話しが出来る!凄い!ってことなのかな?

「ここがドラゴンの国として新たに制定されるにあたり、僕は皆さんに新たな産業を授けようと思っています。」

「産業?どのようなものですか?」
「この中に魔道具を作れる方はいらっしゃいますか?」

「我ら人型になれるドラゴンは、全員手先が器用ですので、もちろん魔道具を作ることはございますが……。魔道具を産業にすることをお考えなのですか?」

「はい、これです。」
 僕はギアホースのデルタをマジックバッグから取り出して見せた。

「これは……?」
「ギアホースというものです。
 あ、これ、設計図です。」

 僕は職人ギルドで作ってもらった設計図の控えを、バルトロメオ陛下に渡す。
 陛下が設計図を広げて確認している。

「ああ、これなら作れるな。」
 リニオンさんが腰に手を当てながら、横から覗き込みつつそう言ってくる。
 国王陛下相手に随分とフランクだなあ。

「リニオン、いくら孫だからって、仲間の前では遠慮をするものだぞ。」
「いーだろ、じーちゃん。今更だろ。」
 
 バルトロメオ陛下、リニオンさんのお祖父さまなんだ。ということは、バルトロメオ陛下もインフェルノドラゴンってことか。ていうか、リニオンさん、王子さまなんだね。

 だからあんなに子どもが欲しいのかなあ。王族ともなると、後継者問題があるもんね。
「ただ、魔石が大量にいるな。それはみんなに取ってきてもらわねばならん。」

「うむ。いますぐには作れんな。
 ──アレックスさま、魔石を集め次第、取り掛からせていただきます。」

「はい、これを使えば、人間も空を自由に移動出来るという魔道具ですが、戦力に影響を与えるものだとも思いますので、販売先や量は検討いただけたらなと。」

────────────────────

少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。

可愛い精霊たちが我が子の飯テロものも本日よりアップ開始しました。
また一気に上げていきますのでよろしくお願い致します。
しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。