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第2章
第301話 伝説の1ページ
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「それで構わないわ。
私が役に立たなければ、かえって危険にさらしてしまうものね。」
ミーニャはコクッとうなずいた。
正直今この段階で諦めて欲しいけど、僕の加護があるから、ミーニャは他の英雄たちより育つのがたぶん早いからね。
現時点では強い可能性すらあるよ。
だけど戦い慣れているのかって言えばそうじゃないもの。当然同じ力なら、戦い慣れてる人たちのほうが強い筈だよ。
もともとSランク冒険者の叔父さんと、もともとBランク冒険者だったらしい追手が戦った時に、叔父さんが圧倒したみたいにね。
力の差が縮まった時に、ミーニャにもそれがわかる筈。今はどんどん成長するのが楽しくて、自信があるんだと思う。
だけど一瞬の隙が生死をわける戦いで、それじゃ勝てないってなった時に、実力がないことの意味がわかる筈だ。
今は引き止めても無駄だと思った僕は、ミーニャにクリスタルドラゴンの鱗を渡すことにした。僕が渡さなくても、ミルドレッドさんが渡しただろうしね。
「じゃあ、これ。
クリスタルドラゴンの鱗だよ。」
ミーニャにクリスタルドラゴンの鱗を渡すと、嬉しそうにそれを抱きしめた。
「私、必ずアレックスを守れるようになってみせるから、待ってててね!」
グッと拳を握りしめるミーニャ。
うう……。心配だ……。
ミーニャがもともと冒険者なら、僕も引き止めなかったかも知れないけど……。
この間まで普通の女の子だったのに、いきなり魔王討伐なんて無謀すぎるもの。
僕みたいに特殊な存在なわけでもないし。
そう思ってたら、
「ならばわらわがそなたを鍛えてやろうぞ!
ミーニャとか申したの。どうじゃ?
伝説の存在たるわらわに、稽古をつけられたいとは思わぬか?」
「ミルドレッドさん!?」
クリスタルドラゴンの鱗を手にしたミーニャは、キラキラと目を輝かせて、
「いいんですか!?」
と、両手でミルドレッドさんの手を握る。
「わらわは2番目以降を気にせんが、そなたは気に入った。番いの為に強くなろうとするのは、ドラゴンなら当たり前のことじゃ。」
「ミーニャは人間ですよ!?」
「だからこそじゃ。人間にも関わらず、番いの為に強くなろうとは見上げた根性じゃ。
そなたはよい番いを持ったのう!」
と、ミルドレッドさんまで嬉しそうだ。
「鍛えるったって、どこで……。
ドラゴンが姿を現したら、さっきみたいに大騒ぎになりますよ!?」
「わらわが認識阻害魔法を使えることを、忘れたのかの?攻撃魔法を使いつつ、認識阻害魔法を展開するなど余裕よ。広い場所さえあれば、わらわが戦っても問題ないぞよ。」
ええええ……。
ならさっきも使っておいて欲しかったんだけど……。さっきの騒ぎで、僕の居場所が敵に気付かれてないといいんだけど……。
認識阻害の魔法は、常時発動してるものじゃないのかな?てっきりそうだと思って、安心して生活してたんだけど。
「なに、姿を変える時は一瞬解けるが、またすぐかけ直せばよいだけのことじゃ。
それに気付けるやつなぞ、そうはおらんからの。心配するでないわ。」
だから解けたの!?そういう大切なことは先に説明しておいてくれないと!
すぐに時空の海に隠れたから、追って来てたとしても見つからないだろうけど……。
「ミルドレッドさん、いえ、師匠!
よろしくお願いします!」
ミーニャはすっかりその気だ。
SSランクの災厄級の魔物が鍛えたら、ほんとにミーニャは誰より強くなっちゃうかも知れないぞ……。
「アレックス、通信具は他にはないの?ミルドレッドさんと連絡を取りたいんだけど。」
「僕と叔父さんとミーニャのぶんしか、作ってないよ。予定もなかったし……。」
「なに、問題はないぞよ。
こうして……。」
ミルドレッドさんが、ツイッと指を振る。
「あー、あー、アレックス、ミーニャ、聞こえるかの?」
『「あー、あー、アレックス、ミーニャ、聞こえるかの?」』
「き、聞こえる!?」
「頭の中にミルドレッドさんの声が……。」
「心のなかで念話が可能じゃからの!」
ミルドレッドさんがドヤる。
「これでアレックスとミーニャとは、わらわと話したいと思った時に、念話が可能じゃ!
いつでも連絡してくるがよいぞ!
わらわが駆けつけるでな!」
「ありがとうございます!
ミルドレッドさん!」
「なんの!人間を鍛えるのは勇者一行以来じゃの!わらわも楽しみじゃ!」
楽しげに笑うミルドレッドさん。
ほ、ほんとにミーニャが、勇者一行についていけるようになっちゃうかも……。
これがミーニャが伝説の弓神として、世界中に名を轟かせる、始まりの1ページだったことは、僕とミーニャとミルドレッドさんだけが知る出来事となった。
私が役に立たなければ、かえって危険にさらしてしまうものね。」
ミーニャはコクッとうなずいた。
正直今この段階で諦めて欲しいけど、僕の加護があるから、ミーニャは他の英雄たちより育つのがたぶん早いからね。
現時点では強い可能性すらあるよ。
だけど戦い慣れているのかって言えばそうじゃないもの。当然同じ力なら、戦い慣れてる人たちのほうが強い筈だよ。
もともとSランク冒険者の叔父さんと、もともとBランク冒険者だったらしい追手が戦った時に、叔父さんが圧倒したみたいにね。
力の差が縮まった時に、ミーニャにもそれがわかる筈。今はどんどん成長するのが楽しくて、自信があるんだと思う。
だけど一瞬の隙が生死をわける戦いで、それじゃ勝てないってなった時に、実力がないことの意味がわかる筈だ。
今は引き止めても無駄だと思った僕は、ミーニャにクリスタルドラゴンの鱗を渡すことにした。僕が渡さなくても、ミルドレッドさんが渡しただろうしね。
「じゃあ、これ。
クリスタルドラゴンの鱗だよ。」
ミーニャにクリスタルドラゴンの鱗を渡すと、嬉しそうにそれを抱きしめた。
「私、必ずアレックスを守れるようになってみせるから、待ってててね!」
グッと拳を握りしめるミーニャ。
うう……。心配だ……。
ミーニャがもともと冒険者なら、僕も引き止めなかったかも知れないけど……。
この間まで普通の女の子だったのに、いきなり魔王討伐なんて無謀すぎるもの。
僕みたいに特殊な存在なわけでもないし。
そう思ってたら、
「ならばわらわがそなたを鍛えてやろうぞ!
ミーニャとか申したの。どうじゃ?
伝説の存在たるわらわに、稽古をつけられたいとは思わぬか?」
「ミルドレッドさん!?」
クリスタルドラゴンの鱗を手にしたミーニャは、キラキラと目を輝かせて、
「いいんですか!?」
と、両手でミルドレッドさんの手を握る。
「わらわは2番目以降を気にせんが、そなたは気に入った。番いの為に強くなろうとするのは、ドラゴンなら当たり前のことじゃ。」
「ミーニャは人間ですよ!?」
「だからこそじゃ。人間にも関わらず、番いの為に強くなろうとは見上げた根性じゃ。
そなたはよい番いを持ったのう!」
と、ミルドレッドさんまで嬉しそうだ。
「鍛えるったって、どこで……。
ドラゴンが姿を現したら、さっきみたいに大騒ぎになりますよ!?」
「わらわが認識阻害魔法を使えることを、忘れたのかの?攻撃魔法を使いつつ、認識阻害魔法を展開するなど余裕よ。広い場所さえあれば、わらわが戦っても問題ないぞよ。」
ええええ……。
ならさっきも使っておいて欲しかったんだけど……。さっきの騒ぎで、僕の居場所が敵に気付かれてないといいんだけど……。
認識阻害の魔法は、常時発動してるものじゃないのかな?てっきりそうだと思って、安心して生活してたんだけど。
「なに、姿を変える時は一瞬解けるが、またすぐかけ直せばよいだけのことじゃ。
それに気付けるやつなぞ、そうはおらんからの。心配するでないわ。」
だから解けたの!?そういう大切なことは先に説明しておいてくれないと!
すぐに時空の海に隠れたから、追って来てたとしても見つからないだろうけど……。
「ミルドレッドさん、いえ、師匠!
よろしくお願いします!」
ミーニャはすっかりその気だ。
SSランクの災厄級の魔物が鍛えたら、ほんとにミーニャは誰より強くなっちゃうかも知れないぞ……。
「アレックス、通信具は他にはないの?ミルドレッドさんと連絡を取りたいんだけど。」
「僕と叔父さんとミーニャのぶんしか、作ってないよ。予定もなかったし……。」
「なに、問題はないぞよ。
こうして……。」
ミルドレッドさんが、ツイッと指を振る。
「あー、あー、アレックス、ミーニャ、聞こえるかの?」
『「あー、あー、アレックス、ミーニャ、聞こえるかの?」』
「き、聞こえる!?」
「頭の中にミルドレッドさんの声が……。」
「心のなかで念話が可能じゃからの!」
ミルドレッドさんがドヤる。
「これでアレックスとミーニャとは、わらわと話したいと思った時に、念話が可能じゃ!
いつでも連絡してくるがよいぞ!
わらわが駆けつけるでな!」
「ありがとうございます!
ミルドレッドさん!」
「なんの!人間を鍛えるのは勇者一行以来じゃの!わらわも楽しみじゃ!」
楽しげに笑うミルドレッドさん。
ほ、ほんとにミーニャが、勇者一行についていけるようになっちゃうかも……。
これがミーニャが伝説の弓神として、世界中に名を轟かせる、始まりの1ページだったことは、僕とミーニャとミルドレッドさんだけが知る出来事となった。
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