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第2章
第228話 ダンジョンボスの最後
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「さあ、これで鬼が消える心配はなくなりましたな。さすればそれがしの出番なり。
種族スキル、──共闘!!」
ギギルさんが種族スキルを発動させる。
「共闘?それってどんなスキルなの?」
「共闘は、仲間のステータスを一時的に5割引き上げるのにゃ!さあ、こっからにゃ!」
5割!?凄い!!
だから役に立つって言っていたんだ!
獣人は、本来のスキルの他に、種族スキルまであるんだよなあ、いいなあ。
人間にもあったらいいのにね。
「“爆炎”。“疾風”。“轟雷”。“暗黒”。」
オニは次々と連続で魔法を放ってくる。
普通の魔法は相殺出来たり、ノーベルさんの反射で防げるけど、暗黒が面倒くさい。
「み、見えぬ、くっ……!聖水を!」
「はい!」
これ、僕がもともと持ってた聖水じゃ、全然足らないよ!全員がかからないとはいえ!
そうこうしている間に、エルシィさんがオニと間合いを詰めてハンマーを振りかぶる。
「どーっせい!にゃあ!」
ドガン!オニの頭に痛烈な一撃だ!
オニの頭の防具がパカッと2つに割れた。
オニがふらついてめまいを起こしている。
「アタシのスキル、重撃と会心の威力はどうにゃ!かなりこたえたにゃりね!?」
エルシィさんは部位破壊に特化したスキル持ちなんだね。部位破壊でしか得られない素材があるから、冒険者をしたら高位ダンジョンで引く手あまたになりそうだね。
「“爆炎”。“疾風”。“轟雷”。“暗黒”。」
オニはふらつきながらも、しつこく魔法を放ってくる。今度は僕もかかっちゃった!
「見えないですぅ。」
「下手に動いてはなりませんぞ!」
「とりあえず反射は出してるけど、どっちから来るのか分からないよ!」
「見えないにゃあ!しつこいのにゃあ!」
「わらわもか……。くっ……。」
「しもうた……!これでは戦えぬ……!」
「まさか全員か?アレックス!どうだ?」
「叔父さんまで!?僕もだよ!
生命の海!抽出!真水!祝福を与える!」
「ぐあっ!!!?」
「にゃああああ!!!」
被弾した音とともに、みんなの悲鳴が聞こえてくる。抽出が間に合わない!!
「みんなどこ!?」
「右斜め3アガ、エルシィさんですぅ。
左斜め5アガ、マリーアさんですぅ。
正面右手9アガ、エルシィさんですぅ。
正面左手7アガ、セオドアさんですぅ。」
ヒナさんがみんなの位置を正確に知らせてくれる。
「ヒナさん!ヒナさんは見えるの!?」
「僕もぉ、見えないですぅ。けどお、僕の種族スキルはぁ、気配察知なんですぅ。
誰がどこにいるかぁ、分かるんですぅ。」
「そうなんだ!ありがとう!」
僕は火力の4人を優先的に回復してから、自分に聖水を振りかけた。
見えるようになった僕の目に入ってきたのは、高い位置に飛び上がり、真下目掛けて一直線にオニの甲冑を切り裂くルルゥさんだ。
そうか!ルルゥさんは無事だったんだ!
「そこだ!」
無防備なオニの腹を、叔父さんの一閃が切り裂く。連続攻撃は槍で食い止められた。
「“大爆炎”。“斬疾風”。“激轟雷”。」
「攻撃が強くなったにゃ!体力が半分を切った証拠なのにゃ!ここから先はみんなは下がるにゃ!当たったら即死もありうるにゃ!」
エルシィさんが攻撃しつつ振り返って、ノーベルさん、ギギルさん、ヒナさんを1人ずつ見ながらそう言った。
「わかり申した!
スキルは発動させておきまする!」
「助かるのにゃ!」
「みんなぁ、僕の周囲に集まって下さいぃ。ノーベルさんはぁ、もう反射しなくてもいいですぅ。種族スキル絶対防御発動ですぅ。」
ヒナさんの周囲にシールドが展開する。
絶対防御──!?なにそれ!?
「了解だよ!」
シールドの効果を分かっているのか、ノーベルさんは反射をといてしまった。
「一定時間しかぁ、ききませんからぁ、その間にぃ、倒して下さいねぇ。」
ヒナさん、一定時間なら僕のスキルで必ず守れるとか、そう言えば言ってた!
「ヒナさん、オニが魔法を放てなくなったらパラライザーを頼む!」
と、叔父さんが叫ぶ。了解ですぅ、とヒナさんがのんびりと答えた。
「ぐっ……!」
オニの強まった攻撃に、マリーアさんとルシーアさんの魔法で相殺しきれなくなる。
僕、少しも近付けそうにないよ!だけど、
「“大爆炎”。“斬疾風”。“激轟雷”。」
オニが呪文を唱えたのに、魔法が発動しなくなった。──魔力切れだ!!
オニが最後の力で槍を振りかざす。
「ヒナさん、パラライザーを!」
「はいですぅ。」
オニは槍を振りかざした体勢で固まった。
「アレックス!今だ!」
「うん!」
「──近くまで運びます。」
「え?」
ルルゥさんが僕を抱えてオニの近くまで跳躍すると、高い場所から僕を落っことした!
「ち、血の海!!固定ダメージ!!」
──1、2、3、4、5。
ドサッ。地面に着地、というか落ちる寸前で、再びルルゥさんが僕を抱きかかえた。
「グ、オォ……。」
短い声を最後に、オニが消滅した。
────────────────────
ちなみに種族スキルが2つ以上ある種族は、獣神候補者の特記事項の種族だけです。
種族スキル、──共闘!!」
ギギルさんが種族スキルを発動させる。
「共闘?それってどんなスキルなの?」
「共闘は、仲間のステータスを一時的に5割引き上げるのにゃ!さあ、こっからにゃ!」
5割!?凄い!!
だから役に立つって言っていたんだ!
獣人は、本来のスキルの他に、種族スキルまであるんだよなあ、いいなあ。
人間にもあったらいいのにね。
「“爆炎”。“疾風”。“轟雷”。“暗黒”。」
オニは次々と連続で魔法を放ってくる。
普通の魔法は相殺出来たり、ノーベルさんの反射で防げるけど、暗黒が面倒くさい。
「み、見えぬ、くっ……!聖水を!」
「はい!」
これ、僕がもともと持ってた聖水じゃ、全然足らないよ!全員がかからないとはいえ!
そうこうしている間に、エルシィさんがオニと間合いを詰めてハンマーを振りかぶる。
「どーっせい!にゃあ!」
ドガン!オニの頭に痛烈な一撃だ!
オニの頭の防具がパカッと2つに割れた。
オニがふらついてめまいを起こしている。
「アタシのスキル、重撃と会心の威力はどうにゃ!かなりこたえたにゃりね!?」
エルシィさんは部位破壊に特化したスキル持ちなんだね。部位破壊でしか得られない素材があるから、冒険者をしたら高位ダンジョンで引く手あまたになりそうだね。
「“爆炎”。“疾風”。“轟雷”。“暗黒”。」
オニはふらつきながらも、しつこく魔法を放ってくる。今度は僕もかかっちゃった!
「見えないですぅ。」
「下手に動いてはなりませんぞ!」
「とりあえず反射は出してるけど、どっちから来るのか分からないよ!」
「見えないにゃあ!しつこいのにゃあ!」
「わらわもか……。くっ……。」
「しもうた……!これでは戦えぬ……!」
「まさか全員か?アレックス!どうだ?」
「叔父さんまで!?僕もだよ!
生命の海!抽出!真水!祝福を与える!」
「ぐあっ!!!?」
「にゃああああ!!!」
被弾した音とともに、みんなの悲鳴が聞こえてくる。抽出が間に合わない!!
「みんなどこ!?」
「右斜め3アガ、エルシィさんですぅ。
左斜め5アガ、マリーアさんですぅ。
正面右手9アガ、エルシィさんですぅ。
正面左手7アガ、セオドアさんですぅ。」
ヒナさんがみんなの位置を正確に知らせてくれる。
「ヒナさん!ヒナさんは見えるの!?」
「僕もぉ、見えないですぅ。けどお、僕の種族スキルはぁ、気配察知なんですぅ。
誰がどこにいるかぁ、分かるんですぅ。」
「そうなんだ!ありがとう!」
僕は火力の4人を優先的に回復してから、自分に聖水を振りかけた。
見えるようになった僕の目に入ってきたのは、高い位置に飛び上がり、真下目掛けて一直線にオニの甲冑を切り裂くルルゥさんだ。
そうか!ルルゥさんは無事だったんだ!
「そこだ!」
無防備なオニの腹を、叔父さんの一閃が切り裂く。連続攻撃は槍で食い止められた。
「“大爆炎”。“斬疾風”。“激轟雷”。」
「攻撃が強くなったにゃ!体力が半分を切った証拠なのにゃ!ここから先はみんなは下がるにゃ!当たったら即死もありうるにゃ!」
エルシィさんが攻撃しつつ振り返って、ノーベルさん、ギギルさん、ヒナさんを1人ずつ見ながらそう言った。
「わかり申した!
スキルは発動させておきまする!」
「助かるのにゃ!」
「みんなぁ、僕の周囲に集まって下さいぃ。ノーベルさんはぁ、もう反射しなくてもいいですぅ。種族スキル絶対防御発動ですぅ。」
ヒナさんの周囲にシールドが展開する。
絶対防御──!?なにそれ!?
「了解だよ!」
シールドの効果を分かっているのか、ノーベルさんは反射をといてしまった。
「一定時間しかぁ、ききませんからぁ、その間にぃ、倒して下さいねぇ。」
ヒナさん、一定時間なら僕のスキルで必ず守れるとか、そう言えば言ってた!
「ヒナさん、オニが魔法を放てなくなったらパラライザーを頼む!」
と、叔父さんが叫ぶ。了解ですぅ、とヒナさんがのんびりと答えた。
「ぐっ……!」
オニの強まった攻撃に、マリーアさんとルシーアさんの魔法で相殺しきれなくなる。
僕、少しも近付けそうにないよ!だけど、
「“大爆炎”。“斬疾風”。“激轟雷”。」
オニが呪文を唱えたのに、魔法が発動しなくなった。──魔力切れだ!!
オニが最後の力で槍を振りかざす。
「ヒナさん、パラライザーを!」
「はいですぅ。」
オニは槍を振りかざした体勢で固まった。
「アレックス!今だ!」
「うん!」
「──近くまで運びます。」
「え?」
ルルゥさんが僕を抱えてオニの近くまで跳躍すると、高い場所から僕を落っことした!
「ち、血の海!!固定ダメージ!!」
──1、2、3、4、5。
ドサッ。地面に着地、というか落ちる寸前で、再びルルゥさんが僕を抱きかかえた。
「グ、オォ……。」
短い声を最後に、オニが消滅した。
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ちなみに種族スキルが2つ以上ある種族は、獣神候補者の特記事項の種族だけです。
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