158 / 485
第2章
第213話 英雄候補者に対する祝福
しおりを挟む
水攻撃完全耐性のオニがやられたことで、他のオニたちは怯んでしまって、僕らに近付いてこようとすらしなかった。
今度は僕らが追いかけ回す番だった。
僕のスキルとルルゥさんの武器の攻撃で、自分たちの武器を失い、また心の拠り所だったオニを倒された彼らは、なすすべなく僕らに倒されていった。
「大量にゃー!」
ドロップアイテムの上で、勝どきを上げるエルシィさん。叔父さんがさっそく、さっきドロップしたメイスを鑑定してくれる。
叔父さんの武器鑑定スクロールは、消耗しないタイプのレアなやつなんだ!
「ふむ、固有(ユニーク)クラス、攻撃力+200、水属性攻撃無効か。まあまあだ。」
ぼくはそれをノーベルさんにあげることにした。僕が持ってても使わないしね。
「いいの?」
ノーベルさんが目を丸くしている。
「王家からの貸与品のほうが、単純火力としては強いだろうけど、いずれ返さなくちゃならないでしょ?借りてる間も魔物に応じて使い分け出来るし、良かったら使ってよ。」
「ありがとう!恩に着るよ!」
ノーベルさんは自分の物になったメイスを抱きしめて嬉しそうに笑った。
「さて、ここまでは無事に来たにゃりね。
連れて行くなら、次が最後の階だと思ってるにゃ。今までは順調だったにゃりんけど、ここから一気に強くなるにゃ。」
それでも行くにゃ?とエルシィさんが確認してくる。当然勢いづいていた僕らは、こっくりとうなずいた。
「この先のオニは魔法耐性が強いにゃ。オマケに防御力も高いのにゃ。だから1体倒すのに時間がかかる筈にゃ。1度に倒そうとしないこと、1人で倒そうとしないことにゃ。」
それこそ、さっきの水属性攻撃完全耐性持ちの鬼が、たくさんいるようなものだと思ったほうがいいのにゃ。とエルシィさんに言われて、みんなゴクリ……とつばを飲んだ。
2人がかりでも倒せなかったオニが、たくさんひしめき合っているのなら、叔父さんとエルシィさんはともかく、1体ずつに全員でかかってようやくというところだろうね。
「それでも行くにゃりか?」
エルシィさんがみんなにたずねる。
「もちろん!」
「ここまで来たら行くしかありませんな。」
「僕もぉ~、今度はもっとちゃんと戦いたいなぁ。まだ武器でしか戦ってないしぃ。
僕個人のぉ、スキルやぁ、種族のスキルがどこまで通じるのかぁ、試したいしねぇ。」
そう言えば、獣人には種族スキルっていうのがあるんだよね。それに個人に配布されたギフトのスキルだってあるわけだし。だけどそれをみんなまだ使っていないかも?
これまでの階層では、貰ったばかりの武器の試し斬りってことだったんだね。本格的に戦うのはこれからってことなんだ!
みんなのスキル、見てみたい……!
「それに何故だか、とても力が湧いてくるような気がするんだよね。まだまだやれる!っていうか、全然疲れてないんだ。この洞窟の効果なのかな?みんなもそれを感じない?」
「ノーベルどのもでしたか!実はそれがしもなのです!なぜだか戦い続けたいような、はやる気持ちでいっぱいなのです!」
ダンジョンハイってやつなのかなあ?みんな戦闘に慣れているって風でもないものね。
エルシィさんは、おかしいにゃりね?洞窟にそんな効果はない筈にゃけど、と言った。
「みんな単に新しい武器に浮かれてるっていうだけなんじゃないにゃりか?下の層に降りても、そんな風に浮かれているままにゃったら、すぐにでも引き返すにゃりよ?」
ため息をつきながらエルシィさんが言う。
「……そうじゃない。なぜかこう、体の内側から感じたことのない力が湧いてくるような感じなのだ。うまくは言えんが……。」
ルルゥさんまで、自分の両方の手のひらを見つめながらそう言った。戦い慣れてるルルゥさんがそう言うのなら、なにか特別なことが起きてるってことなのかな?
【回答、英雄候補者に対する祝福について。
半神半人たる神の子、アレックスが周囲にいることで、英雄候補者に祝福が授けられます。HP、MP、SP回復率100%、これはスキルのレベルに影響を受けません。
また、周囲におらずとも、立ち寄った場所にいる英雄候補者にも祝福を授けます。ただし、回復率は30%にとどまります。】
え?立ち寄った場所に祝福を授けるって、僕、そんな聖女さまみたいなことになってるの?でも、聖女さまみたく病気を治すとか、そういうのじゃないんだね?
だからみんな元気いっぱいでまだまだ戦いたい!って気持ちになってるってことなんだね。疲れないならそりゃ動きたくもなるよ。
僕の英雄を育てる力のせいだったのか。
今度は僕らが追いかけ回す番だった。
僕のスキルとルルゥさんの武器の攻撃で、自分たちの武器を失い、また心の拠り所だったオニを倒された彼らは、なすすべなく僕らに倒されていった。
「大量にゃー!」
ドロップアイテムの上で、勝どきを上げるエルシィさん。叔父さんがさっそく、さっきドロップしたメイスを鑑定してくれる。
叔父さんの武器鑑定スクロールは、消耗しないタイプのレアなやつなんだ!
「ふむ、固有(ユニーク)クラス、攻撃力+200、水属性攻撃無効か。まあまあだ。」
ぼくはそれをノーベルさんにあげることにした。僕が持ってても使わないしね。
「いいの?」
ノーベルさんが目を丸くしている。
「王家からの貸与品のほうが、単純火力としては強いだろうけど、いずれ返さなくちゃならないでしょ?借りてる間も魔物に応じて使い分け出来るし、良かったら使ってよ。」
「ありがとう!恩に着るよ!」
ノーベルさんは自分の物になったメイスを抱きしめて嬉しそうに笑った。
「さて、ここまでは無事に来たにゃりね。
連れて行くなら、次が最後の階だと思ってるにゃ。今までは順調だったにゃりんけど、ここから一気に強くなるにゃ。」
それでも行くにゃ?とエルシィさんが確認してくる。当然勢いづいていた僕らは、こっくりとうなずいた。
「この先のオニは魔法耐性が強いにゃ。オマケに防御力も高いのにゃ。だから1体倒すのに時間がかかる筈にゃ。1度に倒そうとしないこと、1人で倒そうとしないことにゃ。」
それこそ、さっきの水属性攻撃完全耐性持ちの鬼が、たくさんいるようなものだと思ったほうがいいのにゃ。とエルシィさんに言われて、みんなゴクリ……とつばを飲んだ。
2人がかりでも倒せなかったオニが、たくさんひしめき合っているのなら、叔父さんとエルシィさんはともかく、1体ずつに全員でかかってようやくというところだろうね。
「それでも行くにゃりか?」
エルシィさんがみんなにたずねる。
「もちろん!」
「ここまで来たら行くしかありませんな。」
「僕もぉ~、今度はもっとちゃんと戦いたいなぁ。まだ武器でしか戦ってないしぃ。
僕個人のぉ、スキルやぁ、種族のスキルがどこまで通じるのかぁ、試したいしねぇ。」
そう言えば、獣人には種族スキルっていうのがあるんだよね。それに個人に配布されたギフトのスキルだってあるわけだし。だけどそれをみんなまだ使っていないかも?
これまでの階層では、貰ったばかりの武器の試し斬りってことだったんだね。本格的に戦うのはこれからってことなんだ!
みんなのスキル、見てみたい……!
「それに何故だか、とても力が湧いてくるような気がするんだよね。まだまだやれる!っていうか、全然疲れてないんだ。この洞窟の効果なのかな?みんなもそれを感じない?」
「ノーベルどのもでしたか!実はそれがしもなのです!なぜだか戦い続けたいような、はやる気持ちでいっぱいなのです!」
ダンジョンハイってやつなのかなあ?みんな戦闘に慣れているって風でもないものね。
エルシィさんは、おかしいにゃりね?洞窟にそんな効果はない筈にゃけど、と言った。
「みんな単に新しい武器に浮かれてるっていうだけなんじゃないにゃりか?下の層に降りても、そんな風に浮かれているままにゃったら、すぐにでも引き返すにゃりよ?」
ため息をつきながらエルシィさんが言う。
「……そうじゃない。なぜかこう、体の内側から感じたことのない力が湧いてくるような感じなのだ。うまくは言えんが……。」
ルルゥさんまで、自分の両方の手のひらを見つめながらそう言った。戦い慣れてるルルゥさんがそう言うのなら、なにか特別なことが起きてるってことなのかな?
【回答、英雄候補者に対する祝福について。
半神半人たる神の子、アレックスが周囲にいることで、英雄候補者に祝福が授けられます。HP、MP、SP回復率100%、これはスキルのレベルに影響を受けません。
また、周囲におらずとも、立ち寄った場所にいる英雄候補者にも祝福を授けます。ただし、回復率は30%にとどまります。】
え?立ち寄った場所に祝福を授けるって、僕、そんな聖女さまみたいなことになってるの?でも、聖女さまみたく病気を治すとか、そういうのじゃないんだね?
だからみんな元気いっぱいでまだまだ戦いたい!って気持ちになってるってことなんだね。疲れないならそりゃ動きたくもなるよ。
僕の英雄を育てる力のせいだったのか。
515
お気に入りに追加
3,021
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。