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第2章
第185話 魔導具職人、スカーレット・タンザビア
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普通の海外用の通信具でも、思っていたよりかなりお高いんだねえ……。
でも海外用の通信具は必須だし……。
僕はウンウン唸って悩んだ結果、注文数はそのままで、2つだけ念話機能を取り付けて下さいと、お願いすることにした。
2つは僕の分と叔父さんの分。これはさすがに念話機能付きにした。叔父さんとはいつどんな時に相談したいことがあるかも分からないし、声に出せない事柄も多いからね。
あとの3つは、アタモの町の店用と、他に新しく作る店用と、……ミーニャの分だ。
離れていて、なかなか会えないからね。
せめて声くらい、たまには聞きたいもの。
へへへっ。ちょっと恥ずかしいけど。
ミーニャ、喜んでくれるかなあ。
これは1つだけプレゼント用に包んでください、とお爺さんにお願いをした。
「なんだ、いい子でもいるのか。」
プレゼント用と聞いて、お爺さんがそう尋ねてくる。
「はい、まあ。」
「他の国の女か。」
「いえ、同じ国の女の子ですけど。」
なんでそんなこと聞くんだろ?外国とも通信可能な通信具を頼んだからかな?
「ああ、それがいい。他の国の女なんざ駄目だ。女を追いかけてよその国に行って、ろくすっぽ帰って来なくなっちまうからな。」
……やけに具体的だね?
「うちの息子も、ナムチャベト王国の女を追いかけて、あっちで所帯を持っちまったよ。
腕の良い武器職人で、俺のあとを継がせるつもりでいたんだが、戻って来やがらねえ。」
ああ、そういうこと……。
お爺さんに反対されて、駆け落ちでもしちゃったんだね、きっと。
「代わりに孫娘を寄越しやがった。自分の代わりに鍛えてくれだとさ。あんたの通信具はソイツに作らせるつもりだ。武器職人としてはまだまだだが、魔道具職人としては、まあまあ、いい腕を持ってやがるからな。」
そんな風に言うけど、この頑固そうなお爺さんに認められるくらいだもの、実際はかなり腕がいいんだろうね。お爺さんもちょっぴり嬉しそうだし。可愛いんだろうな孫娘が。
「おーい、スカーレット、来てくれ、お客さんだ。通信具を作って欲しいらしい。」
「──ちょっと待ってって言っといてよ!
今手が離せないんだ!」
元気な声が工房の奥から聞こえてくる。
お爺さんは特にそれを咎めることもなく、ちょっと待ってやってくれ、と言って、僕にお茶を振る舞ってくれた。あ、美味しいや。
しばらくすると、
「通信具が欲しいだって?
どんなのが欲しいんだ?」
工房の奥から、少し背の高い、緑の髪に、高い魔力保持者であることを示す金色の目をした、大人っぽい美人さんがやって来た。
お母さんがナムチャベト王国の人だって言うけど、バッチリその特徴を受け継いでいるね。緑の髪も金色の目も、男女ともにかなり背が高いのも、ナムチャベト王国の特徴だ。
それにしては少し背が低いのは、リシャーラ王国の血が入っているからなんだろうな。
うちの国は小柄な人が多いからね。
……僕もだけど。
ナムチャベト王国は、龍を祖先に持つと言われる竜人の国なんだ。怒ると龍化すると言われていて、力も強いし足も早いんだ。
──ん?待てよ?竜人?それって……。
情報の海さん!今この近くに、英雄になれる可能性のある人って、いるかな?
【回答、勇者、聖女、賢神、闘神、弓神、獣神、龍神に変化出来うる候補者について。
現時点で勇者に変化する可能性のある者について。
●ヒルデ・ガルド。
勇者に変化する可能性、2%。
●セオドア・ラウマン。
勇者に変化する可能性、16.8%。
現時点で聖女に変化する可能性のある者について。
半径20リオ以内に該当者がいません。
現時点で賢神に変化する可能性のある者について。
●オフィーリア・オーウェンズ。
賢神に変化する可能性、0.5%。
現時点で闘神に変化する可能性のある者について。
半径20リオ以内に該当者がいません。
現時点で弓神に変化する可能性のある者について。
●ミーニャ・ロットマン。
弓神に変化する可能性、0.3%。
現時点で獣神に変化する可能性のある者について。
●レンジア(暗号名:コバルト)。
獣神に変化する可能性、5%。
現時点で龍神に変化する可能性のある者について。
●スカーレット・タンザビア。
龍神に変化する可能性、5%。
以上です。】
やっぱり……。半分獣人のレンジアが獣神になれる可能性があるように、半分竜人のスカーレットさんも、龍神になれる可能性のある人なんだ!
ということはだよ?ナムチャベト王国に行けば、もっとたくさんの龍神候補の人たちがいるかも知れないね!それどころか、叔父さんみたく、数値が高い人もいるかもだよ!
アイテムボックスの海を探検して、それぞれの時空の扉がどこにつながっているのかを調べたら、まずは龍神候補探しに、ナムチャベト王国を訪ねなきゃ!
でも海外用の通信具は必須だし……。
僕はウンウン唸って悩んだ結果、注文数はそのままで、2つだけ念話機能を取り付けて下さいと、お願いすることにした。
2つは僕の分と叔父さんの分。これはさすがに念話機能付きにした。叔父さんとはいつどんな時に相談したいことがあるかも分からないし、声に出せない事柄も多いからね。
あとの3つは、アタモの町の店用と、他に新しく作る店用と、……ミーニャの分だ。
離れていて、なかなか会えないからね。
せめて声くらい、たまには聞きたいもの。
へへへっ。ちょっと恥ずかしいけど。
ミーニャ、喜んでくれるかなあ。
これは1つだけプレゼント用に包んでください、とお爺さんにお願いをした。
「なんだ、いい子でもいるのか。」
プレゼント用と聞いて、お爺さんがそう尋ねてくる。
「はい、まあ。」
「他の国の女か。」
「いえ、同じ国の女の子ですけど。」
なんでそんなこと聞くんだろ?外国とも通信可能な通信具を頼んだからかな?
「ああ、それがいい。他の国の女なんざ駄目だ。女を追いかけてよその国に行って、ろくすっぽ帰って来なくなっちまうからな。」
……やけに具体的だね?
「うちの息子も、ナムチャベト王国の女を追いかけて、あっちで所帯を持っちまったよ。
腕の良い武器職人で、俺のあとを継がせるつもりでいたんだが、戻って来やがらねえ。」
ああ、そういうこと……。
お爺さんに反対されて、駆け落ちでもしちゃったんだね、きっと。
「代わりに孫娘を寄越しやがった。自分の代わりに鍛えてくれだとさ。あんたの通信具はソイツに作らせるつもりだ。武器職人としてはまだまだだが、魔道具職人としては、まあまあ、いい腕を持ってやがるからな。」
そんな風に言うけど、この頑固そうなお爺さんに認められるくらいだもの、実際はかなり腕がいいんだろうね。お爺さんもちょっぴり嬉しそうだし。可愛いんだろうな孫娘が。
「おーい、スカーレット、来てくれ、お客さんだ。通信具を作って欲しいらしい。」
「──ちょっと待ってって言っといてよ!
今手が離せないんだ!」
元気な声が工房の奥から聞こえてくる。
お爺さんは特にそれを咎めることもなく、ちょっと待ってやってくれ、と言って、僕にお茶を振る舞ってくれた。あ、美味しいや。
しばらくすると、
「通信具が欲しいだって?
どんなのが欲しいんだ?」
工房の奥から、少し背の高い、緑の髪に、高い魔力保持者であることを示す金色の目をした、大人っぽい美人さんがやって来た。
お母さんがナムチャベト王国の人だって言うけど、バッチリその特徴を受け継いでいるね。緑の髪も金色の目も、男女ともにかなり背が高いのも、ナムチャベト王国の特徴だ。
それにしては少し背が低いのは、リシャーラ王国の血が入っているからなんだろうな。
うちの国は小柄な人が多いからね。
……僕もだけど。
ナムチャベト王国は、龍を祖先に持つと言われる竜人の国なんだ。怒ると龍化すると言われていて、力も強いし足も早いんだ。
──ん?待てよ?竜人?それって……。
情報の海さん!今この近くに、英雄になれる可能性のある人って、いるかな?
【回答、勇者、聖女、賢神、闘神、弓神、獣神、龍神に変化出来うる候補者について。
現時点で勇者に変化する可能性のある者について。
●ヒルデ・ガルド。
勇者に変化する可能性、2%。
●セオドア・ラウマン。
勇者に変化する可能性、16.8%。
現時点で聖女に変化する可能性のある者について。
半径20リオ以内に該当者がいません。
現時点で賢神に変化する可能性のある者について。
●オフィーリア・オーウェンズ。
賢神に変化する可能性、0.5%。
現時点で闘神に変化する可能性のある者について。
半径20リオ以内に該当者がいません。
現時点で弓神に変化する可能性のある者について。
●ミーニャ・ロットマン。
弓神に変化する可能性、0.3%。
現時点で獣神に変化する可能性のある者について。
●レンジア(暗号名:コバルト)。
獣神に変化する可能性、5%。
現時点で龍神に変化する可能性のある者について。
●スカーレット・タンザビア。
龍神に変化する可能性、5%。
以上です。】
やっぱり……。半分獣人のレンジアが獣神になれる可能性があるように、半分竜人のスカーレットさんも、龍神になれる可能性のある人なんだ!
ということはだよ?ナムチャベト王国に行けば、もっとたくさんの龍神候補の人たちがいるかも知れないね!それどころか、叔父さんみたく、数値が高い人もいるかもだよ!
アイテムボックスの海を探検して、それぞれの時空の扉がどこにつながっているのかを調べたら、まずは龍神候補探しに、ナムチャベト王国を訪ねなきゃ!
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