150 / 504
第1章
第150話 気になっていた焼肉屋さん
しおりを挟む
「お二方は、いつもアレックスさまを手助けしてくださっているのですよね?今日はわたくしからごちそうさせてくださいませ。」
「ホント!?」
ルークくんはそう言って、パアッと顔を輝かせたあとで、ミアちゃんの表情をうかがった。ミアちゃんも逡巡してるみたいだ。
「いいんじゃないかな?僕も行くからさ。」
僕がそう言うと、2人の表情が明るくなった。僕らはオフィーリア嬢の誘いで、市場の入口に最も近い焼肉屋さんに向かった。
ずっと気になってたんだよね!
焼肉屋さんてどんなお店なんだろう?
黒塗りの壁と柱が遠くからでも目立つ感じで、とってもいい匂いがいつもしてるんだ!
入口でグレースさんが、6名です、と店員さんに告げると、店員さんが奥の個室へと案内してくれた。貴賓室ってわけじゃないみたいだけど、とってもキレイな内装だったよ。
「この網の上で各自肉を焼くのです。」
とジャックさんが教えてくれる。
へえー!こんな食べ方はじめてだよ!
肉はグレースさんにおまかせすることにした。店員さんが次々と生肉とタレと取り皿を持って来てくれる。
「ミノタウロスのタンです。こちらは左からミノタウロスの脇肉、もも肉、腕肉、頬肉、こちらはミノタウロスの腸になります。」
腸!?内臓を食べるの!?
僕が驚いていると、
「とても美味しいんですのよ。わたくしこれがとても好きですの。」
とオフィーリア嬢が笑顔でそう言った。
オフィーリア嬢がそう言うのなら美味しいんだろうね。タンはかるく炙ったくらいで食べるのがいいらしい。軽く塩を振ってもいいし、タレで食べてもそこはお好みらしい。
「──美味しい!!」
ミノタウロスの腸も美味しいけど、僕はタンのほうが好きかも!タレよりも塩だね!うん!塩も白くていい塩を使ってるみたいだ。
僕の出した塩に似てるかも?
そう言えば商人ギルドに店舗を借りに行った時に、塩を頼まれていたっけ。後で商人ギルドに立ち寄らないとなあ。
ミアちゃんもルークくんも、美味しそうにモリモリ食べていた。みんなにも食べさせてやりたいな……、ってポツリと言うところがルークくんの優しいところだよね。
2人がやっていた魚屋さんだって、みんなのご飯の為だって言ってたもんね。自分たちだけがお腹いっぱい食べられたら、それでいいとは思っていないみたいだ。
「申し訳ありませんが、塩はこちらで終了です。残りはタレでお楽しみください。」
追加の肉を持って来てくれた店員さんがそう告げる。
「あら、そうなんですの?残念ですわ。」
「ここの塩は1級品ですからね、そう簡単には手に入らないのでしょう。」
とジャックさんが言っている。
まさか……ね。
「オフィーリア嬢、用事を思い出してしまいまして。食事の途中で大変申し訳ないのですが、少し抜けてもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ。かまいませんわ。」
「2人はこちらで見ていますので。」
「すみません、よろしくお願いします。」
僕は慌てて商人ギルドに駆け込むと、頼まれていた塩を持ってきました、と告げた。
今回は前回の5倍で、塩の入った小袋が5つ。1つ大金貨2枚だから小白金貨1枚だ。
代金を受け取って、急いで焼肉屋さんに引き返すと、何ごともなかったかのように食事を続けた。すると、店員さんが、塩が入荷しましたのでお持ちしました、と入って来た。
……やっぱりかあ……。
あんな高い塩、どこが買ってるのかと思っていたけど、そのうちの1つがこのお店だったらしい。確かに肉に塩、大事だよね!
ミアちゃんとルークくんは、なにも知らずに食べているけど、ミノタウロスって、Aランクの魔物で、買い取りがとってもお高いって冒険者ギルドの掲示板に書かれていたよ。
そんなお高い肉を食べるお客さんだもの、神の塩くらい使うよね。
それにしても、ここ、いくらするんだろ、Aランクの肉とか高そうだなあ。
毎回こんなご飯を食べてるってわけじゃ、さすがにないだろうけどね。はじめたばかりの冒険者で、そこまで稼げるとも思えないもの。ヒルデも経費がかかると言ってたし。
とっても美味しかったから、今度叔父さんと来てみたいな。ヒルデも冒険者ギルドに呼ばれて連れて来れなかったし、ミーニャはもちろん、レンジアも連れて来てあげたい。
そういえばレンジア、今日はお店出してなかったな。僕についてくる必要があるからお休みなのかも。こんな美味しいお肉を食べてる僕らを、どこかでただ見てるのかな?
だとしたら、王家の影の仕事って辛いなあ……。人が豪華なごちそうを食べているところを、ただ眺めているだけだなんて。
うん、レンジアは絶対つれてこよう!
「ホント!?」
ルークくんはそう言って、パアッと顔を輝かせたあとで、ミアちゃんの表情をうかがった。ミアちゃんも逡巡してるみたいだ。
「いいんじゃないかな?僕も行くからさ。」
僕がそう言うと、2人の表情が明るくなった。僕らはオフィーリア嬢の誘いで、市場の入口に最も近い焼肉屋さんに向かった。
ずっと気になってたんだよね!
焼肉屋さんてどんなお店なんだろう?
黒塗りの壁と柱が遠くからでも目立つ感じで、とってもいい匂いがいつもしてるんだ!
入口でグレースさんが、6名です、と店員さんに告げると、店員さんが奥の個室へと案内してくれた。貴賓室ってわけじゃないみたいだけど、とってもキレイな内装だったよ。
「この網の上で各自肉を焼くのです。」
とジャックさんが教えてくれる。
へえー!こんな食べ方はじめてだよ!
肉はグレースさんにおまかせすることにした。店員さんが次々と生肉とタレと取り皿を持って来てくれる。
「ミノタウロスのタンです。こちらは左からミノタウロスの脇肉、もも肉、腕肉、頬肉、こちらはミノタウロスの腸になります。」
腸!?内臓を食べるの!?
僕が驚いていると、
「とても美味しいんですのよ。わたくしこれがとても好きですの。」
とオフィーリア嬢が笑顔でそう言った。
オフィーリア嬢がそう言うのなら美味しいんだろうね。タンはかるく炙ったくらいで食べるのがいいらしい。軽く塩を振ってもいいし、タレで食べてもそこはお好みらしい。
「──美味しい!!」
ミノタウロスの腸も美味しいけど、僕はタンのほうが好きかも!タレよりも塩だね!うん!塩も白くていい塩を使ってるみたいだ。
僕の出した塩に似てるかも?
そう言えば商人ギルドに店舗を借りに行った時に、塩を頼まれていたっけ。後で商人ギルドに立ち寄らないとなあ。
ミアちゃんもルークくんも、美味しそうにモリモリ食べていた。みんなにも食べさせてやりたいな……、ってポツリと言うところがルークくんの優しいところだよね。
2人がやっていた魚屋さんだって、みんなのご飯の為だって言ってたもんね。自分たちだけがお腹いっぱい食べられたら、それでいいとは思っていないみたいだ。
「申し訳ありませんが、塩はこちらで終了です。残りはタレでお楽しみください。」
追加の肉を持って来てくれた店員さんがそう告げる。
「あら、そうなんですの?残念ですわ。」
「ここの塩は1級品ですからね、そう簡単には手に入らないのでしょう。」
とジャックさんが言っている。
まさか……ね。
「オフィーリア嬢、用事を思い出してしまいまして。食事の途中で大変申し訳ないのですが、少し抜けてもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ。かまいませんわ。」
「2人はこちらで見ていますので。」
「すみません、よろしくお願いします。」
僕は慌てて商人ギルドに駆け込むと、頼まれていた塩を持ってきました、と告げた。
今回は前回の5倍で、塩の入った小袋が5つ。1つ大金貨2枚だから小白金貨1枚だ。
代金を受け取って、急いで焼肉屋さんに引き返すと、何ごともなかったかのように食事を続けた。すると、店員さんが、塩が入荷しましたのでお持ちしました、と入って来た。
……やっぱりかあ……。
あんな高い塩、どこが買ってるのかと思っていたけど、そのうちの1つがこのお店だったらしい。確かに肉に塩、大事だよね!
ミアちゃんとルークくんは、なにも知らずに食べているけど、ミノタウロスって、Aランクの魔物で、買い取りがとってもお高いって冒険者ギルドの掲示板に書かれていたよ。
そんなお高い肉を食べるお客さんだもの、神の塩くらい使うよね。
それにしても、ここ、いくらするんだろ、Aランクの肉とか高そうだなあ。
毎回こんなご飯を食べてるってわけじゃ、さすがにないだろうけどね。はじめたばかりの冒険者で、そこまで稼げるとも思えないもの。ヒルデも経費がかかると言ってたし。
とっても美味しかったから、今度叔父さんと来てみたいな。ヒルデも冒険者ギルドに呼ばれて連れて来れなかったし、ミーニャはもちろん、レンジアも連れて来てあげたい。
そういえばレンジア、今日はお店出してなかったな。僕についてくる必要があるからお休みなのかも。こんな美味しいお肉を食べてる僕らを、どこかでただ見てるのかな?
だとしたら、王家の影の仕事って辛いなあ……。人が豪華なごちそうを食べているところを、ただ眺めているだけだなんて。
うん、レンジアは絶対つれてこよう!
584
お気に入りに追加
2,084
あなたにおすすめの小説
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる