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第1章
第129話 金の抽出
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だからレンジアが希望する場所に、本来置かれていなかった屋台を、商人ギルドが新しく設置したんじゃないかなあ。
人気店は逃すまじ!って感じでね。
もしもレンジアが店舗を出そうとして、次に店舗型のいいところがあいたら、そこを優先的に割り当てて貰えるかも知れないね。
それにしても、王家の影なんてやってるのに、どうやって店を構えられそうなくらいの料理の腕を身につけられたんだろう?
普通に生きていれば、料理の腕前だけで生きていかれる筈だよ。王家の影は世襲制か、捨て子を拾って育ててると聞いたことがあるから、他に選択肢がなかったのかなあ。
──レンジアは何を楽しみに生きてるんだろう?疑うことなく王家の影として生きて、王家の影として死ぬさだめのレンジア。
そんな中で1つだけでも、自分のやりたいことを見つけたんだろうか。
リュウメン屋さんが、彼女のやりたいことの1つだったりするのかな。
少しでもこの屋台が、彼女の楽しい時間になってるといいけど。
いつかレンジアがお店を出したいと言ったら、協力してあげたいなって思ったよ。
今日もレンジアのリュウメン屋さんは大盛況だ。後で久しぶりに食べに行こうよ、とミアちゃんとルークくんとヒルデを誘った。
お昼ごはんを食べちゃったから、さすがに1人前は入らないしね。みんな大喜びで、仕事が終わるのを楽しみにしてるみたいだ。
魚を大量に売りさばきながら、僕はさっきの話を思い出していた。
もちろん海底鉱山の金の話しだ。
僕のスキルは塩を抽出出来るんだから、金だけを抽出出来ないかな?そう思った僕は、午後の仕事をしながら、ずっとそのことを考えてワクワクして落ち着かなかった。
さすがに人前で金塊を出すのはまずいからね、家に戻るまで待つしかない。魚を売りさばいて、ミアちゃんと、ルークくんと、ヒルデとともにリュウメンを分け合って食べた。
ラナおばさんとポーリンさんも、僕らにつられてはんぶんこして食べている。
うん、やっぱり美味しいなあ。
レンジアが接客しながらチラチラとこっちを見ている。まさかまた、僕にあーんしようとしてるとか?……まさかね?
店に集中しなくちゃいけないし、僕の監視もあるしで、さすがに今日はそれはなかったけど、お客さんに呼ばれる前まで、フォークでリュウメンをすくおうとしていたよ。
お客さんに呼ばれて、ポカンと口をあけて僕を見たまましばらく止まってた。どちらを優先すべきか、頭が働かなかったのかも。
……やっぱり、あーんしようとしてたみたいだ。前はお客さんが他にいなかったけど、今はたくさんいるから勘弁して欲しいな。人前でなくても、あれ、結構恥ずかしいのに。
自宅に戻って僕の部屋に入ると、早速スキルを使ってみた。
「生命の海!抽出!対象指定、金!」
【生命の海、抽出。
金の抽出を開始します。】
やった!出来るんだ!
そう思ったのに。
………あれからすっかり反応がなかった。
しばらく待っても何もおこらない。
「や、やっぱり無理かぁ……。」
海じゃなくて、地続きのものって扱いなのかもね。海の底は地面の延長線にあるものだもの。僕がガッカリしてしまった時だった。
すると、頭の中に、【スキルがレベルアップしました】、という文字が浮かぶ。
え?今のでレベルアップ……!?
【《スキルレベル7・情報の海》が使用可能になりました】、と頭の中に声が響いた。
「──情報の海!?なにそれ!?」
【回答します。情報の海。世界中に漂う情報を集めることが可能です。
質問をすることで情報を提供します。
情報の検索範囲はレベルで変わります。】
と、いつもレベルアップを頭の中で告げてくれる声が聞こえる。
というか、しゃべれたの!?
あれってスキルの声だったんだ……。
てっきり僕にスキルを授けてくれた、神様の声だとばかり思っていたよ。僕なんかに神様の声が聞こえるわけはないよね。あはは。
今ので質問したことになったってこと?
僕のただの独り言みたいなものなのに。
えと……、なにを教えて貰えるんだろう?
──そうだ!1番知りたかったこと。
それはこのスキルがどんなスキルなのかってことだ。それを聞いてみよう!!
「今の僕のスキルで出来ることはなに?」
【回答、現時点のスキルについて。
スキルレベル1・生命の海の開放。
スキルレベル2・生命の海。
名称指定したものを取り出すことが可能。
スキルレベル3・時空の海の開放。
スキルレベル4・時空の海。
アイテム収納が可能。
スキルレベル5・生命の海。
対象物を即時取り出すことが可能。
スキルレベル6・時空の海。
時空の扉が使用可能。
スキルレベル7・情報の海の開放。
以上となります。】
人気店は逃すまじ!って感じでね。
もしもレンジアが店舗を出そうとして、次に店舗型のいいところがあいたら、そこを優先的に割り当てて貰えるかも知れないね。
それにしても、王家の影なんてやってるのに、どうやって店を構えられそうなくらいの料理の腕を身につけられたんだろう?
普通に生きていれば、料理の腕前だけで生きていかれる筈だよ。王家の影は世襲制か、捨て子を拾って育ててると聞いたことがあるから、他に選択肢がなかったのかなあ。
──レンジアは何を楽しみに生きてるんだろう?疑うことなく王家の影として生きて、王家の影として死ぬさだめのレンジア。
そんな中で1つだけでも、自分のやりたいことを見つけたんだろうか。
リュウメン屋さんが、彼女のやりたいことの1つだったりするのかな。
少しでもこの屋台が、彼女の楽しい時間になってるといいけど。
いつかレンジアがお店を出したいと言ったら、協力してあげたいなって思ったよ。
今日もレンジアのリュウメン屋さんは大盛況だ。後で久しぶりに食べに行こうよ、とミアちゃんとルークくんとヒルデを誘った。
お昼ごはんを食べちゃったから、さすがに1人前は入らないしね。みんな大喜びで、仕事が終わるのを楽しみにしてるみたいだ。
魚を大量に売りさばきながら、僕はさっきの話を思い出していた。
もちろん海底鉱山の金の話しだ。
僕のスキルは塩を抽出出来るんだから、金だけを抽出出来ないかな?そう思った僕は、午後の仕事をしながら、ずっとそのことを考えてワクワクして落ち着かなかった。
さすがに人前で金塊を出すのはまずいからね、家に戻るまで待つしかない。魚を売りさばいて、ミアちゃんと、ルークくんと、ヒルデとともにリュウメンを分け合って食べた。
ラナおばさんとポーリンさんも、僕らにつられてはんぶんこして食べている。
うん、やっぱり美味しいなあ。
レンジアが接客しながらチラチラとこっちを見ている。まさかまた、僕にあーんしようとしてるとか?……まさかね?
店に集中しなくちゃいけないし、僕の監視もあるしで、さすがに今日はそれはなかったけど、お客さんに呼ばれる前まで、フォークでリュウメンをすくおうとしていたよ。
お客さんに呼ばれて、ポカンと口をあけて僕を見たまましばらく止まってた。どちらを優先すべきか、頭が働かなかったのかも。
……やっぱり、あーんしようとしてたみたいだ。前はお客さんが他にいなかったけど、今はたくさんいるから勘弁して欲しいな。人前でなくても、あれ、結構恥ずかしいのに。
自宅に戻って僕の部屋に入ると、早速スキルを使ってみた。
「生命の海!抽出!対象指定、金!」
【生命の海、抽出。
金の抽出を開始します。】
やった!出来るんだ!
そう思ったのに。
………あれからすっかり反応がなかった。
しばらく待っても何もおこらない。
「や、やっぱり無理かぁ……。」
海じゃなくて、地続きのものって扱いなのかもね。海の底は地面の延長線にあるものだもの。僕がガッカリしてしまった時だった。
すると、頭の中に、【スキルがレベルアップしました】、という文字が浮かぶ。
え?今のでレベルアップ……!?
【《スキルレベル7・情報の海》が使用可能になりました】、と頭の中に声が響いた。
「──情報の海!?なにそれ!?」
【回答します。情報の海。世界中に漂う情報を集めることが可能です。
質問をすることで情報を提供します。
情報の検索範囲はレベルで変わります。】
と、いつもレベルアップを頭の中で告げてくれる声が聞こえる。
というか、しゃべれたの!?
あれってスキルの声だったんだ……。
てっきり僕にスキルを授けてくれた、神様の声だとばかり思っていたよ。僕なんかに神様の声が聞こえるわけはないよね。あはは。
今ので質問したことになったってこと?
僕のただの独り言みたいなものなのに。
えと……、なにを教えて貰えるんだろう?
──そうだ!1番知りたかったこと。
それはこのスキルがどんなスキルなのかってことだ。それを聞いてみよう!!
「今の僕のスキルで出来ることはなに?」
【回答、現時点のスキルについて。
スキルレベル1・生命の海の開放。
スキルレベル2・生命の海。
名称指定したものを取り出すことが可能。
スキルレベル3・時空の海の開放。
スキルレベル4・時空の海。
アイテム収納が可能。
スキルレベル5・生命の海。
対象物を即時取り出すことが可能。
スキルレベル6・時空の海。
時空の扉が使用可能。
スキルレベル7・情報の海の開放。
以上となります。】
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