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第1章

第103話 ダンジョンのバランスと管理責任

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 叔父さんも同じことを思ったみたいで、それをギルド職員さんたちに告げていた。
「Fランク以上であれば問題ないことになっているのですが、そんなことを……。」

「すべての階層の魔物をバランスよく倒さなければ、ダンジョンの安定は保たれません。
 ニナナイダンジョンは自主性にまかせていましたが、介入の必要がありそうですね。」

 冒険者ギルドが介入するとなると、受付の料金が村や町に入らなくなるんだそうだ。
 冒険者ギルドの拠点を置いて、人を雇うお金がかかるからなんだって。

 だからきちんと管理する前提で、ルールを取り決めているんだけど、レアドロップしやすいとされるダンジョンほど、人が来た時に魔物がいないことをさけるために、こういうことをする村や町が出るらしいよ。

 管理をしている村や町では、ダンジョンの中に入らないから、今どの程度湧いているのか分からないし、お金を払って中に何もいなかったら、お客さんが怒っちゃうもんね。

 だけどその結果として、ダンジョンブレイクがおこったり、ましてやスタンピードがおきたりなんかしたら、真っ先にやられちゃうのは近隣の村や町なのに。

 目先のお金の為に、なんて危ないことをするんだろう!と僕が言うと、叔父さんは、ヤレヤレ、と肩をすくめながら教えてくれる。

「それだけじゃない。そのまま王都にスタンピードが向かいでもしたら、無事に生き延びたとしても、全員責任をとらされて、首をはねられることになるだろうな。」

「管理ダンジョンにおける、ダンジョンブレイクやスタンピードは、管理している側に責任が要求されます。もしもそんなことにでもなれば、当然そうなるでしょうね。」

「ニナナイダンジョンは歴史も長く、こちらとしても安心していたのですが。」
 管理したての最初の5年間は、冒険者ギルドも様子を見に行くらしい。

 だけど管理に慣れてきたら、あとは地域の発展の為に、地元の管理に任せるのだそう。
 ダンジョン成金なんて言葉があるくらいには、ダンジョンはお金になるからね。

「そもそもダンジョンボスを倒せば、しばらくは他の魔物もわきません。ダンジョンボスを倒さなくとも、フロアを一掃すると、他の階でわきやすくなるものです。」

「管理ダンジョンに常に魔物がいることのほうがおかしいんですよ。恐らくはボスを倒せそうな人を拒絶していたんでしょうね。」
 ギルド職員さんが僕にそう教えてくれる。

「灼熱の長剣・通常(ノーマル)クラス✕6が、1つにつき中金貨2枚と小金貨8枚。
 ぜんぶで大金貨1枚と、中金貨6枚と、小金貨8枚です。久しぶりに見ましたよ。」

「灼熱の長剣・粗悪(インフェリオリティ)クラス✕2が、1つにつき小金貨5枚。
 ボスリザードマンの兜✕1が、1つにつき小金貨5枚になりますね。」

「え?灼熱の長剣って、粗悪(インフェリオリティ)クラスでも売れるんですか?」
 僕はてっきり、値段がつかないものだと思っていたんだけど。

 だってアイテムボックスの海から取り出す時に、スキルがステータスを教えてくれて、通常(ノーマル)クラスの攻撃力が+50、炎攻撃力+100なのに対して、粗悪(インフェリオリティ)クラスは、攻撃力が+9、炎攻撃力+10って出たんだ。

 炎に弱い魔物相手じゃなければ、普通の武器を買ったほうがまだ強いもの。だって1番弱いナイフで、攻撃力+10だよ?普通の長剣でも、攻撃力+30はあるのに。

「はい、鍛え直すのにいい素材になりますから。いちからうつよりもいい武器が作れるようになるので、買い手がいるんです。」
 と冒険者ギルド職員さんが教えてくれる。

「場合によっては、通常(ノーマル)よりも良い仕上がりになることもあるくらいです。
 さすがにどれだけ鍛え直しても、希少(レア)クラスには負けますけどね。」

 なるほど、鍛冶職人さんに人気があるってことなんだね。その職人さんの腕が良ければむしろ高く売れるものが作れるのか。

 ほんとなら中白金貨1枚と、小白金貨6枚と、大金貨9枚と、中金貨3枚と、銀貨2枚と銅貨9枚なんだけど、状態がとてもいいということで、きりよく中白金貨1枚と、小白金貨7枚をくれることになった。

 スクロールは、この先僕がレベル上げをしていくのに必要だから、1つも売らないことにしたんだ。何よりじゅうぶん稼げたし。

 特に大事なのがスキル経験値のスクロールだよね。僕は魚を出すだけで経験値になるからさ。毎日魚屋をやってるだけでも、たくさんレベル上げが可能が可能になるからね。

 僕の冒険者レベルは、FランクからDランクへと変わることになった。昇格試験を受けない状態で、一気にレベルを引き上げるのには、Dランクまでが限界なんだって。
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