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第1章
第95話 スキルが3つもレベルアップ
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敵わない相手には引くことも大切。命の危険が伴うことには、見極めが肝心だって。
そして、戦うべき時だと思った時には、覚悟を決めて引いてはいけないって。
僕はさっき叔父さんと約束したんだ。
僕はもっと強くなる。その為にはこのスキルを強くしなくちゃいけない。
──今は、その時なんだ!
「聞こえませんか?嫌だって言ったんですけど。ここは僕の狩り場ですから。」
僕はリザードマンに向けていた弓を、2人組みへとそのまま向けて睨んだ。
僕は今攻撃力20%アップのスクロールも使っているから、当たれば体を貫通する。
僕はもう子どもじゃない。叔父さんの後ろに守られてばっかりになんてならない。
僕には僕の戦い方があると、僕でも戦えると、叔父さんが教えてくれたから。
だからここは逃げない。リザードマン1万体のスキル経験値✕2倍は僕のものだ!
「早く、逃げたほうがいいですよ。」
叔父さんがにべもなくそう言った。
「なんだと?」
「お前なに言ってんのか分かってんのか。」
うって変わった叔父さんの冷たい態度に、2人組みがいらだってこちらを睨んでくる。
「──この状態からはもう、うちの子のスキルは止められないのでね。」
確かに途中で止めるのは無理なんだけど、実際には1度出した後なら、出したものを引っ込められるんだけどね。叔父さんは僕のスキルを魔法みたいに2人組みに説明した。
「何言ってんだこいつ?」
「いいからやっちまおうぜ!」
「あ!あの!その!よしたほうが!」
僕も慌てて止めたんだけど。
「お!ボスリザードマンもいるじゃねえか!
こいつはついてるぜ!」
「臆病モンですぐ逃げちまうからな!こいつらがいい撒き餌になってくれたぜ!」
そんなことを言いながら、リザードマンたちにまっすぐに向かって行ってしまった。
だけど、しばらくして、すぐにその違和感に気が付くことになるんだ。
「な、なんだ……?ボスリザードマンならともかく、雑兵たちが逃げて行く……?」
「俺らにびびってんだろ。
かまうこたねえ、行こうぜ。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
「な、なんの音だ?」
「お、おい後ろ!!」
「……後ろ?」
「早くー!逃げてくださーい!」
2人組みの後ろから、巨大な大津波が一気に襲いかかってくる。2人組みはそれを見て目を丸くして、しばらく固まっていた。
「ふざけんな!無理に決まってんだろー!」
「泳げ!泳ぐん……ゴボゴボゴボ……。」
2人組みはしばらく頑張って走っていたんだけど、あっけなく大津波にのまれた。
リザードマンたちは海なんて見たことないと思うけど、気が付いたら巨大な津波が自分たちの方に向かって来るんだから、そりゃあびっくりするよね。
そのまま向かって来るのかと思いきや、隊列を乱して一気に逃げ惑い始めた。
だけどこの先のダンジョンボスのいる階下につながる入口はとても狭い。
逃げ出せずに入口でひしめきあっている。
何より1番大っきなボスリザードマンが、我先にと逃げている。統制が取れているようで、こういうところが魔物だよなあ。
こちらに向かって来ていたリザードマンの足より、当然大津波のほうが早いから、リザードマンたちは、後ろの列から順番に、一気に大津波に押し流されてしまった。
僕はスキルを発動させて、大津波を引っ込めたけど、地面にはいくつもの水たまりが残って、完全に引っ込めきるのは無理だった。
「や……ったの……?」
ただ気絶して地面に横たわっているだけかのように見えたリザードマンたちが、フッ、フッ、と次々にその姿を消していく。
2人組みも地面に横たわっていたけど、よほど悪運が強いのか、どうやら生きてはいるみたいだった。良かった……。このまま死んでたりなんかしたら後味悪いからね。
そしてその場にたくさんのドロップアイテムが残ったのだった。
「やったあ!」
「うん、ここまでは想定内だな。」
叔父さんが満足そうにうなずいている。
僕の頭の中にまた【スキルがレベルアップしました】、【スキルがレベルアップしました】、【スキルがレベルアップしました】、と文字が3回立て続けに浮かんだ。
【《スキルレベル4・時空の海》アイテム収納が可能になりました。】、【《スキルレベル5・生命の海》対象物を即時取り出すことが可能になりました。】、【《スキルレベル6・時空の海》時空の扉が使用可能になりました。】と、また再び文字が浮かぶ。
アイテム収納が可能ってなんだろう?僕の為のアイテムボックスが出来たってことなのかな?だけど、もともと、お祖父さまのアイテムボックスにしまえるからなあ。
新しく専用のアイテムボックスが出来たってだけなら、特に嬉しくはないな。
ちょっと階段は降りるけどね……。
それを考えるとちょっぴり憂鬱だった。
そして、戦うべき時だと思った時には、覚悟を決めて引いてはいけないって。
僕はさっき叔父さんと約束したんだ。
僕はもっと強くなる。その為にはこのスキルを強くしなくちゃいけない。
──今は、その時なんだ!
「聞こえませんか?嫌だって言ったんですけど。ここは僕の狩り場ですから。」
僕はリザードマンに向けていた弓を、2人組みへとそのまま向けて睨んだ。
僕は今攻撃力20%アップのスクロールも使っているから、当たれば体を貫通する。
僕はもう子どもじゃない。叔父さんの後ろに守られてばっかりになんてならない。
僕には僕の戦い方があると、僕でも戦えると、叔父さんが教えてくれたから。
だからここは逃げない。リザードマン1万体のスキル経験値✕2倍は僕のものだ!
「早く、逃げたほうがいいですよ。」
叔父さんがにべもなくそう言った。
「なんだと?」
「お前なに言ってんのか分かってんのか。」
うって変わった叔父さんの冷たい態度に、2人組みがいらだってこちらを睨んでくる。
「──この状態からはもう、うちの子のスキルは止められないのでね。」
確かに途中で止めるのは無理なんだけど、実際には1度出した後なら、出したものを引っ込められるんだけどね。叔父さんは僕のスキルを魔法みたいに2人組みに説明した。
「何言ってんだこいつ?」
「いいからやっちまおうぜ!」
「あ!あの!その!よしたほうが!」
僕も慌てて止めたんだけど。
「お!ボスリザードマンもいるじゃねえか!
こいつはついてるぜ!」
「臆病モンですぐ逃げちまうからな!こいつらがいい撒き餌になってくれたぜ!」
そんなことを言いながら、リザードマンたちにまっすぐに向かって行ってしまった。
だけど、しばらくして、すぐにその違和感に気が付くことになるんだ。
「な、なんだ……?ボスリザードマンならともかく、雑兵たちが逃げて行く……?」
「俺らにびびってんだろ。
かまうこたねえ、行こうぜ。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
「な、なんの音だ?」
「お、おい後ろ!!」
「……後ろ?」
「早くー!逃げてくださーい!」
2人組みの後ろから、巨大な大津波が一気に襲いかかってくる。2人組みはそれを見て目を丸くして、しばらく固まっていた。
「ふざけんな!無理に決まってんだろー!」
「泳げ!泳ぐん……ゴボゴボゴボ……。」
2人組みはしばらく頑張って走っていたんだけど、あっけなく大津波にのまれた。
リザードマンたちは海なんて見たことないと思うけど、気が付いたら巨大な津波が自分たちの方に向かって来るんだから、そりゃあびっくりするよね。
そのまま向かって来るのかと思いきや、隊列を乱して一気に逃げ惑い始めた。
だけどこの先のダンジョンボスのいる階下につながる入口はとても狭い。
逃げ出せずに入口でひしめきあっている。
何より1番大っきなボスリザードマンが、我先にと逃げている。統制が取れているようで、こういうところが魔物だよなあ。
こちらに向かって来ていたリザードマンの足より、当然大津波のほうが早いから、リザードマンたちは、後ろの列から順番に、一気に大津波に押し流されてしまった。
僕はスキルを発動させて、大津波を引っ込めたけど、地面にはいくつもの水たまりが残って、完全に引っ込めきるのは無理だった。
「や……ったの……?」
ただ気絶して地面に横たわっているだけかのように見えたリザードマンたちが、フッ、フッ、と次々にその姿を消していく。
2人組みも地面に横たわっていたけど、よほど悪運が強いのか、どうやら生きてはいるみたいだった。良かった……。このまま死んでたりなんかしたら後味悪いからね。
そしてその場にたくさんのドロップアイテムが残ったのだった。
「やったあ!」
「うん、ここまでは想定内だな。」
叔父さんが満足そうにうなずいている。
僕の頭の中にまた【スキルがレベルアップしました】、【スキルがレベルアップしました】、【スキルがレベルアップしました】、と文字が3回立て続けに浮かんだ。
【《スキルレベル4・時空の海》アイテム収納が可能になりました。】、【《スキルレベル5・生命の海》対象物を即時取り出すことが可能になりました。】、【《スキルレベル6・時空の海》時空の扉が使用可能になりました。】と、また再び文字が浮かぶ。
アイテム収納が可能ってなんだろう?僕の為のアイテムボックスが出来たってことなのかな?だけど、もともと、お祖父さまのアイテムボックスにしまえるからなあ。
新しく専用のアイテムボックスが出来たってだけなら、特に嬉しくはないな。
ちょっと階段は降りるけどね……。
それを考えるとちょっぴり憂鬱だった。
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