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第1章
第58話 デビルスネークの脅威
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「……デビルスネークだ。」
あれが……。アイテムボックスの海の中で見つけた素材にあった魔物だ。
「デビルスネークはランクはいくつなの?
結構おっきいけど……。」
「Gだ。」
あれでGなの!?
「俺1人ならまず問題ない。だが、今のお前を連れて狩るのは危険だ。まだ気が付かれていないから、そーっと山を降りるんだ。」
「分かったよ。」
頼まれても戦いたくないや、あんなの。
僕は弓矢をマジックバッグにしまった。
僕たちは息を殺しながら、そーっと山を降りてゆく。幸いデビルスネークは、食事に夢中で、少しも僕らに気付いていなかった。
僕に前を歩かせつつ、叔父さんが後ろを振り返って、デビルスネークがこちらに気付かないか、様子を見ながら山を下ってゆく。
「──うわっ!?」
「えっ!?わあっ!!」
突然叔父さんがけつまずいて、僕の上に倒れ込んでくる。
「いててて……。」
「すまん、やっちまった。
だいじょうぶか?」
「だ、だいじょうぶ……、──あ。」
パキパキボキバキッ!
僕らに気が付いて、ゆらりと頭を持ち上げたデビルスネークと目が合った。
「お、叔父さん……。」
「逃げろアレックス……!!」
叔父さんは、デビルスネークを刺激しないように小声でそう言うと、素早く僕の上から起き上がり、腰のショートソードを抜いて、デビルスネークを睨みながら構えた。
──プサ、プサ、プサ、プサ。
そこにどこからともなく、黒い鉄のようなものが飛んで来ると、デビルスネークに突き刺さり、デビルスネークは飛んで来た方向に頭をもたげて、敵の姿を確認しようとした。
だけどすぐにギャエエェエ!!と変な声を上げながら、デビルスネークがグルグルとその場でのたうち回ったかと思うと、そのままズシン……と、頭を下げて動かなくなった。
叔父さんは、もう動かなくなったデビルスネークに近付くと、体に刺さっているそれを抜いて、先端を確認していた。
「これは……、リーグラ王国の暗器……?
先端に毒が塗ってあるな。
誰がこんなものを……。」
あたりを見渡したけど、誰の姿も確認出来なかった。……たぶん、レンジアだ。僕のことを護衛すると言っていたから。
叔父さんがいたから、レンジアが手を出さなくてもだいじょうぶだったと思うけど、ひとまず助かったよ……。
「とりあえず、こいつを運んで、冒険者ギルドに報告をしよう。こいつはオスだ。成体のデビルスネークは必ずつがいで行動する。
どこかにメスがいる筈だ。一角ウサギが減った理由も、おそらくこいつらだろうな。」
「……だいじょうぶなの?」
「デビルスネークは、本来1回食事をしたら2週間は食べなくてもだいじょうぶな魔物なんだ。それが狩りをしていたということは、メスは巣穴ではらんでいる可能性が高い。」
「メスにエサを運んでいたってこと?」
「おそらくな。はらんでいるメスは危険だ。
Gランクといえども人数が必要だろうな。ここから先は引退した俺の仕事じゃない。」
「……山を降りて来たりしない?」
「オスが戻って来ないことに気が付いたら、当然その可能性がある。だから早く冒険者ギルドに報告しに行くんだ。」
怖っ!!
「アレックス、この大きさでも、お前のマジックバッグの中に入るか?」
「うん、だいじょうぶ。」
僕は叔父さんに手伝って貰って、マジックバッグの中にデビルスネークを入れた。
叔父さんと一緒に山を下る。それにしてもSランク冒険者の叔父さんにも存在を気付かせないなんて、王家の影は凄いんだな。
僕らは1度叔父さんの家に戻って、馬車に乗って町に向かうと、冒険者ギルドに駆け込んで、さっきのデビルスネークの現状を伝えた。まだお昼前だから、冒険者たちの姿が少なかった。クエストから戻ってないんだね。
オスがメスの為にエサを取っていたこと、オスだけを倒したけど、メスの居場所は分からないことを叔父さんが伝える。
はらんでいる手負いの、メスのデビルスネークの話に、冒険者ギルドがザワザワしている。下位の魔物とはいえ、やっぱり子どもがいるメスは、それだけ危険ってことだよね。
その結果、緊急クエストが発生することになって、Fランククエストの依頼票が、受付嬢によって掲示板に張り出された。
近隣が危険と判断された場合の緊急クエストは、僕らからの依頼じゃなく、領主から公費が捻出される公的なものになるんだって。
人里近い山だから、いつ降りてきてもおかしくないのが、緊急と判断されたみたいだ。
──受注票が貼り出されたその途端、
「あら、これいいじゃない。」
すぐさまそれをペリッと引っ剥がしたのはヒルデだった。
「ヒルデ!!まさか1人でやるの!?」
あれが……。アイテムボックスの海の中で見つけた素材にあった魔物だ。
「デビルスネークはランクはいくつなの?
結構おっきいけど……。」
「Gだ。」
あれでGなの!?
「俺1人ならまず問題ない。だが、今のお前を連れて狩るのは危険だ。まだ気が付かれていないから、そーっと山を降りるんだ。」
「分かったよ。」
頼まれても戦いたくないや、あんなの。
僕は弓矢をマジックバッグにしまった。
僕たちは息を殺しながら、そーっと山を降りてゆく。幸いデビルスネークは、食事に夢中で、少しも僕らに気付いていなかった。
僕に前を歩かせつつ、叔父さんが後ろを振り返って、デビルスネークがこちらに気付かないか、様子を見ながら山を下ってゆく。
「──うわっ!?」
「えっ!?わあっ!!」
突然叔父さんがけつまずいて、僕の上に倒れ込んでくる。
「いててて……。」
「すまん、やっちまった。
だいじょうぶか?」
「だ、だいじょうぶ……、──あ。」
パキパキボキバキッ!
僕らに気が付いて、ゆらりと頭を持ち上げたデビルスネークと目が合った。
「お、叔父さん……。」
「逃げろアレックス……!!」
叔父さんは、デビルスネークを刺激しないように小声でそう言うと、素早く僕の上から起き上がり、腰のショートソードを抜いて、デビルスネークを睨みながら構えた。
──プサ、プサ、プサ、プサ。
そこにどこからともなく、黒い鉄のようなものが飛んで来ると、デビルスネークに突き刺さり、デビルスネークは飛んで来た方向に頭をもたげて、敵の姿を確認しようとした。
だけどすぐにギャエエェエ!!と変な声を上げながら、デビルスネークがグルグルとその場でのたうち回ったかと思うと、そのままズシン……と、頭を下げて動かなくなった。
叔父さんは、もう動かなくなったデビルスネークに近付くと、体に刺さっているそれを抜いて、先端を確認していた。
「これは……、リーグラ王国の暗器……?
先端に毒が塗ってあるな。
誰がこんなものを……。」
あたりを見渡したけど、誰の姿も確認出来なかった。……たぶん、レンジアだ。僕のことを護衛すると言っていたから。
叔父さんがいたから、レンジアが手を出さなくてもだいじょうぶだったと思うけど、ひとまず助かったよ……。
「とりあえず、こいつを運んで、冒険者ギルドに報告をしよう。こいつはオスだ。成体のデビルスネークは必ずつがいで行動する。
どこかにメスがいる筈だ。一角ウサギが減った理由も、おそらくこいつらだろうな。」
「……だいじょうぶなの?」
「デビルスネークは、本来1回食事をしたら2週間は食べなくてもだいじょうぶな魔物なんだ。それが狩りをしていたということは、メスは巣穴ではらんでいる可能性が高い。」
「メスにエサを運んでいたってこと?」
「おそらくな。はらんでいるメスは危険だ。
Gランクといえども人数が必要だろうな。ここから先は引退した俺の仕事じゃない。」
「……山を降りて来たりしない?」
「オスが戻って来ないことに気が付いたら、当然その可能性がある。だから早く冒険者ギルドに報告しに行くんだ。」
怖っ!!
「アレックス、この大きさでも、お前のマジックバッグの中に入るか?」
「うん、だいじょうぶ。」
僕は叔父さんに手伝って貰って、マジックバッグの中にデビルスネークを入れた。
叔父さんと一緒に山を下る。それにしてもSランク冒険者の叔父さんにも存在を気付かせないなんて、王家の影は凄いんだな。
僕らは1度叔父さんの家に戻って、馬車に乗って町に向かうと、冒険者ギルドに駆け込んで、さっきのデビルスネークの現状を伝えた。まだお昼前だから、冒険者たちの姿が少なかった。クエストから戻ってないんだね。
オスがメスの為にエサを取っていたこと、オスだけを倒したけど、メスの居場所は分からないことを叔父さんが伝える。
はらんでいる手負いの、メスのデビルスネークの話に、冒険者ギルドがザワザワしている。下位の魔物とはいえ、やっぱり子どもがいるメスは、それだけ危険ってことだよね。
その結果、緊急クエストが発生することになって、Fランククエストの依頼票が、受付嬢によって掲示板に張り出された。
近隣が危険と判断された場合の緊急クエストは、僕らからの依頼じゃなく、領主から公費が捻出される公的なものになるんだって。
人里近い山だから、いつ降りてきてもおかしくないのが、緊急と判断されたみたいだ。
──受注票が貼り出されたその途端、
「あら、これいいじゃない。」
すぐさまそれをペリッと引っ剥がしたのはヒルデだった。
「ヒルデ!!まさか1人でやるの!?」
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