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第2部
第51話 謎の4人組②
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「なんだよ、なんか文句でもある……、」
自分たちの言葉に異を唱えた若い女性を、若い男性たちは一瞬にらんだが、すぐに彼女たちが全員美人であることに気付き、一瞬強く出られなくなってひるんだ。
若い男性たちの態度に、一緒のテーブルについていた若い女性たちが、テーブルの下でコッソリと蹴りを入れ、痛っと男性が叫ぶ。
「さっきから聞いてりゃ、あんたたちが冒険者ですって?冒険者に失礼だから、名乗るのをやめてくれない?ほんとに冒険者なの?」
赤髪ショートカットの美女が言う。
「なんだと!?俺たちは冒険者だぞ!!」
「そうだ!急になんのいいがかりだよ!」
若い男性たちは椅子から立ち上がって、美女たちにくってかかる。
「ほんとよね。まあ、そうなのかも知れないけど、はじめたてってとこでしょ?採取以外のクエストを受けたことはおあり?」
銀髪に髪をひとつにまとめて、ひとすじ前髪をたらした美女が言う。
若い男性たちは、ウッという表情で、先程とは違った態度でひるんだ。
「冒険者って言っても、色々だものね。
傷を見れば何が原因なのか、わからない程度で冒険者を名乗られてもね。」
黒髪ロングヘアーの美女が、食後のお茶を飲みながら目を伏せて言う。
「──あなたは分かるんじゃない?
さっきから話を聞いていたみたいね。」
「え……?」
金髪ポニーテールの美女が、テーブルを立ってリスタを挑発的に見ていた。その目線を受けて、リスタが困惑したように金髪の美女を見ている。リリアが雰囲気を怖がって、俺にしがみついてくる。俺はリリアの頭を撫でてやり、だいじょうぶだ、と言った。
「どういうつもりでお隣に絡んでいるのか分かりませんが、失礼なのでは?見たところ、彼らはデート中です。恋人との大切な時間を過ごす為に、この店を選んで、恋人を楽しませようとしている男性の顔を潰そうとするだなんて、それが冒険者のやり方なんですか。
俺はあなた方にこそ、冒険者だなんて名乗って欲しくはありませんね。」
俺の言葉に、金髪ポニーテールの美女が腕組みをしたまま俺をにらんでくる。
「冒険者がなめられるのを見過ごせっての?
こんな程度の人間が冒険者だと思われるのは迷惑なのよ。ただでさえ冒険者ってだけで見下す人間がいるってのに!」
「それは否定はしませんが、あなた方の態度も、冒険者がなめられる原因のひとつだと思いますよ。店の中で見知らぬ人間に喧嘩をふっかけて騒ぐだなんて。ダンジョン内ではそういう態度もとがめられませんが、ここはみんなが美味しい料理を楽しむ為の店です。」
「だからなによ。」
店内の他のお客たちも、口を挟むべきか困った様子の店員たちも、こちらを見ている。
「お客様がみんな迷惑しているのがわかりませんか?おまけにここは俺の友人の店だ。
友人にかわってあなた方にお願いしたい。
料理を食べ終わっているようですし、どうぞこのままお帰りいただけませんか?」
「──なんですって!!」
金髪ポニーテールの美女がわめく。
「Sランク冒険者を連れているからって、調子に乗ってるんじゃない?
──あなたの実力でもないのにね。」
銀髪をまとめた美女が言う。
リスタのことを知っているのか?
「みっともないわね。女に守られて。」
「だからこの男たちをかばうんじゃない?
自分と同じだから哀れんでいるのよ。」
赤髪ショートカットと、黒髪ロングヘアーの美女が言う。
クスクスと笑う美女たちに、リスタはハアッとため息をついてから、じっと見つめた。
「……あなた方が何を勘違いしているのか分からないけれど……。彼は私と同じギルドに所属していたメンバーで、現役のSランク冒険者よ。決して私の後ろで守られるような人ではないわ。──それとも、Sランク2人を相手に、喧嘩を売ろうと言うの?」
リスタは美しい顔で冷たく微笑んだ。
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自分たちの言葉に異を唱えた若い女性を、若い男性たちは一瞬にらんだが、すぐに彼女たちが全員美人であることに気付き、一瞬強く出られなくなってひるんだ。
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「さっきから聞いてりゃ、あんたたちが冒険者ですって?冒険者に失礼だから、名乗るのをやめてくれない?ほんとに冒険者なの?」
赤髪ショートカットの美女が言う。
「なんだと!?俺たちは冒険者だぞ!!」
「そうだ!急になんのいいがかりだよ!」
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「ほんとよね。まあ、そうなのかも知れないけど、はじめたてってとこでしょ?採取以外のクエストを受けたことはおあり?」
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若い男性たちは、ウッという表情で、先程とは違った態度でひるんだ。
「冒険者って言っても、色々だものね。
傷を見れば何が原因なのか、わからない程度で冒険者を名乗られてもね。」
黒髪ロングヘアーの美女が、食後のお茶を飲みながら目を伏せて言う。
「──あなたは分かるんじゃない?
さっきから話を聞いていたみたいね。」
「え……?」
金髪ポニーテールの美女が、テーブルを立ってリスタを挑発的に見ていた。その目線を受けて、リスタが困惑したように金髪の美女を見ている。リリアが雰囲気を怖がって、俺にしがみついてくる。俺はリリアの頭を撫でてやり、だいじょうぶだ、と言った。
「どういうつもりでお隣に絡んでいるのか分かりませんが、失礼なのでは?見たところ、彼らはデート中です。恋人との大切な時間を過ごす為に、この店を選んで、恋人を楽しませようとしている男性の顔を潰そうとするだなんて、それが冒険者のやり方なんですか。
俺はあなた方にこそ、冒険者だなんて名乗って欲しくはありませんね。」
俺の言葉に、金髪ポニーテールの美女が腕組みをしたまま俺をにらんでくる。
「冒険者がなめられるのを見過ごせっての?
こんな程度の人間が冒険者だと思われるのは迷惑なのよ。ただでさえ冒険者ってだけで見下す人間がいるってのに!」
「それは否定はしませんが、あなた方の態度も、冒険者がなめられる原因のひとつだと思いますよ。店の中で見知らぬ人間に喧嘩をふっかけて騒ぐだなんて。ダンジョン内ではそういう態度もとがめられませんが、ここはみんなが美味しい料理を楽しむ為の店です。」
「だからなによ。」
店内の他のお客たちも、口を挟むべきか困った様子の店員たちも、こちらを見ている。
「お客様がみんな迷惑しているのがわかりませんか?おまけにここは俺の友人の店だ。
友人にかわってあなた方にお願いしたい。
料理を食べ終わっているようですし、どうぞこのままお帰りいただけませんか?」
「──なんですって!!」
金髪ポニーテールの美女がわめく。
「Sランク冒険者を連れているからって、調子に乗ってるんじゃない?
──あなたの実力でもないのにね。」
銀髪をまとめた美女が言う。
リスタのことを知っているのか?
「みっともないわね。女に守られて。」
「だからこの男たちをかばうんじゃない?
自分と同じだから哀れんでいるのよ。」
赤髪ショートカットと、黒髪ロングヘアーの美女が言う。
クスクスと笑う美女たちに、リスタはハアッとため息をついてから、じっと見つめた。
「……あなた方が何を勘違いしているのか分からないけれど……。彼は私と同じギルドに所属していたメンバーで、現役のSランク冒険者よ。決して私の後ろで守られるような人ではないわ。──それとも、Sランク2人を相手に、喧嘩を売ろうと言うの?」
リスタは美しい顔で冷たく微笑んだ。
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