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幼馴染は魔法使いの弟子
黄色い薔薇の物語編 14
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今度はアニエス視点で、再会の続きです。
********************************************
「サフィール!!??」
突然再会した幼馴染。
かつてアニエスが恋した男は、「これは夢かもしれない」と呟くと、そのまま倒れた。
慌てたのはアニエスである。それまでの葛藤など吹き飛んで、彼女はサフィールの傍に駆け寄った。
「大丈夫!? サフィール!?」
駆け寄って、間近にサフィールの姿を見て、アニエスは絶句した。
痩せすぎ、なのだ。元々細身の少年だったけれど、成長した彼は身長の割に痩せすぎている。どうせ不摂生な生活を送っているのだろうと、アニエスはすぐにピンと来た。
「あなた、ちゃんとご飯食べているの? それに、ちゃんと寝てる?」
「…食べて…ない。寝ては…いる」
「何よそれ! どうして食べてないの!!」
ああもう本当に魔法使いって!!
アニエスは食事の世話に通っていたかつての日々を思い出す。この師弟ときたら、目を離すとすぐ食事を忘れて研究に没頭するのだ。
(…大人になったのに)
大人になったのに、ちっとも、変わらない。
「…待っていて。すぐに、何か食べる物を持ってくるから…」
アニエスはすぐに立ち上がって、店を飛び出した。向かう先は、滞在している宿屋である。
「おばさん! 厨房を貸して下さい!」
すごい剣幕で戻って来たアニエスの言葉に、夫妻はただただ頷いた。
「ありがとう! 食材も少しだけ使わせてもらっていいですか?」
「あ、ああ。良いわよ。どんどん使って頂戴」
「ありがとうございます!!」
アニエスは小鍋を火にかけると、それにバターを落として洗った米を軽く炒める。
そこに魚介ダシのスープを入れて柔らかく炊き込み、ミルクと小麦粉でとろみをつけて、塩胡椒とチーズで味を調える。簡単ミルクリゾットだ。
それをバスケットに入れると、アニエスは再びだっと飛び出していった。
その後ろ姿を、夫妻は茫然と見送る。
「どうしちゃったのかしら…アニエス」
ミリアの母は、そう首を傾げた。
「でも…」
「ん?」
「なんだか朝よりずっと、活き活きしているわねぇ」
「そうだなぁ」
アニエスはバスケットを抱え、再び魔法使いの店を訪れた。
今度はノックをせずに、扉を開ける。
「…え?」
そこには、見知らぬ少年が一人、立っていた。
黒髪に同じく黒い猫耳を生やし、黒い尻尾を持つ少年。
(…魔法使いの…使い魔…? 猫…かしら…)
「お客様ですか?」
少年は、アニエスを見上げて「いらっしゃいませですにゃー」と言った。
「私は…」
サフィールの、と言いかけて、アニエスは口籠る。
私は、彼の、何だろう…。
「その…幼馴染で…」
「幼馴染?」
少年は首を傾げる。
(私は…)
ただの、幼馴染だわ、とアニエスは思う。
幼馴染が、空腹で倒れる幼馴染を心配するのはおかしなことじゃないと、自分に言い訳するように。
「彼に食事を届けに来たの。…ずいぶん、お腹が空いているようだったから」
「そうなのですかにゃ」
ありがとうございますと、少年はぺこりと一礼した。
「俺の名前はカルセドニー。ご主人様の使い魔ですにゃ」
「よろしくね、カルセドニー。私はアニエスよ」
「アニエス…様…」
カルセドニーは、アニエスの名前を聞いて目を見開く。
そして小さく、「あなたが…」と呟いた。
「?」
「いえっ、なんでもないですにゃー。ご主人様は今寝ておられるので、お目覚めになったら、頂いたゴハンを召し上がっていただきますにゃ」
そう言って、カルセドニーはアニエスからバスケットを受け取る。
アニエスは「よろしくね」と言ってから、ふと思い立ち、尋ねた。
「ところでサフィールは、いつも食事はどうしているの?」
ちゃんと食べていないようだけれど、と聞くアニエスに、カルセドニーは「はい」と首を振る。
「ご主人様はお腹が空かれた時にだけ、俺達に食事を買って来るように言われますにゃ」
「買って…来る? その、自炊とかは…」
「? 俺達は料理ができませんのにゃ。そしてご主人様も、しませんのにゃ」
「っ!! まさか、いつも出来合いの物を食べているの?」
「は…はいですにゃ」
露店の軽食や、料理屋の惣菜。
そういった物を使い魔猫達が買いに行って、食べているのだという。
「しかもお腹が空いた時だけですって!? それで、いつも今日みたいに倒れるの!!」
「はっ…はい…ですにゃ」
それがサフィールの日常だった。そして、サフィール以外の人間と暮らしたことの無いカルセドニーにとっても、それが人間の生活なのだと思っていた。
が、違うらしい。
目の前の女性。アニエスは、「信じられない!」と声を荒げる。
「そんなのばかりじゃあ、栄養が偏るでしょう!! 大体、倒れるまで食べないなんて!! そんなんじゃあ、いつか病気になってしまうわ!!」
「っ、ごっ、ごめんなさいですにゃ!」
「あっ」
目の前の使い魔猫が、びくんっと怯える。その姿に、頭に血が上っていたアニエスははっと我に返った。
「ご、ごめんなさい…。突然怒鳴ってしまって…」
あなたが悪いわけじゃないのにね、とアニエスはその頭を優しく撫でてやる。
そして、店の奥。
クッションの上に倒れて寝入っているサフィールの姿を、きっと睨んだ。
「いいわ、もう」
そして、カルセドニーにこう言った。
「これからは、出来る限り私が食事を作って来るわ。あなたはそれを、サフィールに食べさせてくれる?」
「えっ?」
「私、しばらくはこの島にいるの。その間だけでも、作って持ってくるから」
アニエスはにっこりと微笑む。
「これでも昔は、サフィールや魔法使い様…、彼のお師匠様の食事を作っていたのよ。私がいるからには、もうこんな不摂生な食生活は送らせないわ」
それは、アニエスの胸に芽生えた決意だった。
たとえ、お節介と思われても良い。
それでも、あんな痩せた体を見せられて、こんな食生活を聞かされて、放っておけない。
(……まるで昔に戻ったみたい)
学校帰りに通って、食事を作っていた昔を思い出す。
でも、あの頃とは違う。
彼はもう少年ではなく、男で。
自分もまた、もう子供ではない、大人なのだ。
(…大人、なのにね…)
こんな日が来るなんて思わなかった。
こんな再会になろうとは、思ってもみなかった。
(…変わったのに、変わらない、サフィール…)
自分も同じだと、アニエスは思う。
(…やってることは、昔とちっとも変ってないわ…)
************************************************
こんな再会編です。
ちなみに、カルがアニエスの名前に反応したのは、サフィールが時たま寝言で呟いていたから。そして、時たま訪れるアレックスに少しだけ話を聞いたことがあったから、です。
今更ですが、サフィールに家事能力は一切ありません(笑)放っておくと、こんな生活を送ります。そして、使い魔猫達が今でこそ掃除やら料理やらができるようになったのは、アニエスの教育の賜物…なのです。
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「サフィール!!??」
突然再会した幼馴染。
かつてアニエスが恋した男は、「これは夢かもしれない」と呟くと、そのまま倒れた。
慌てたのはアニエスである。それまでの葛藤など吹き飛んで、彼女はサフィールの傍に駆け寄った。
「大丈夫!? サフィール!?」
駆け寄って、間近にサフィールの姿を見て、アニエスは絶句した。
痩せすぎ、なのだ。元々細身の少年だったけれど、成長した彼は身長の割に痩せすぎている。どうせ不摂生な生活を送っているのだろうと、アニエスはすぐにピンと来た。
「あなた、ちゃんとご飯食べているの? それに、ちゃんと寝てる?」
「…食べて…ない。寝ては…いる」
「何よそれ! どうして食べてないの!!」
ああもう本当に魔法使いって!!
アニエスは食事の世話に通っていたかつての日々を思い出す。この師弟ときたら、目を離すとすぐ食事を忘れて研究に没頭するのだ。
(…大人になったのに)
大人になったのに、ちっとも、変わらない。
「…待っていて。すぐに、何か食べる物を持ってくるから…」
アニエスはすぐに立ち上がって、店を飛び出した。向かう先は、滞在している宿屋である。
「おばさん! 厨房を貸して下さい!」
すごい剣幕で戻って来たアニエスの言葉に、夫妻はただただ頷いた。
「ありがとう! 食材も少しだけ使わせてもらっていいですか?」
「あ、ああ。良いわよ。どんどん使って頂戴」
「ありがとうございます!!」
アニエスは小鍋を火にかけると、それにバターを落として洗った米を軽く炒める。
そこに魚介ダシのスープを入れて柔らかく炊き込み、ミルクと小麦粉でとろみをつけて、塩胡椒とチーズで味を調える。簡単ミルクリゾットだ。
それをバスケットに入れると、アニエスは再びだっと飛び出していった。
その後ろ姿を、夫妻は茫然と見送る。
「どうしちゃったのかしら…アニエス」
ミリアの母は、そう首を傾げた。
「でも…」
「ん?」
「なんだか朝よりずっと、活き活きしているわねぇ」
「そうだなぁ」
アニエスはバスケットを抱え、再び魔法使いの店を訪れた。
今度はノックをせずに、扉を開ける。
「…え?」
そこには、見知らぬ少年が一人、立っていた。
黒髪に同じく黒い猫耳を生やし、黒い尻尾を持つ少年。
(…魔法使いの…使い魔…? 猫…かしら…)
「お客様ですか?」
少年は、アニエスを見上げて「いらっしゃいませですにゃー」と言った。
「私は…」
サフィールの、と言いかけて、アニエスは口籠る。
私は、彼の、何だろう…。
「その…幼馴染で…」
「幼馴染?」
少年は首を傾げる。
(私は…)
ただの、幼馴染だわ、とアニエスは思う。
幼馴染が、空腹で倒れる幼馴染を心配するのはおかしなことじゃないと、自分に言い訳するように。
「彼に食事を届けに来たの。…ずいぶん、お腹が空いているようだったから」
「そうなのですかにゃ」
ありがとうございますと、少年はぺこりと一礼した。
「俺の名前はカルセドニー。ご主人様の使い魔ですにゃ」
「よろしくね、カルセドニー。私はアニエスよ」
「アニエス…様…」
カルセドニーは、アニエスの名前を聞いて目を見開く。
そして小さく、「あなたが…」と呟いた。
「?」
「いえっ、なんでもないですにゃー。ご主人様は今寝ておられるので、お目覚めになったら、頂いたゴハンを召し上がっていただきますにゃ」
そう言って、カルセドニーはアニエスからバスケットを受け取る。
アニエスは「よろしくね」と言ってから、ふと思い立ち、尋ねた。
「ところでサフィールは、いつも食事はどうしているの?」
ちゃんと食べていないようだけれど、と聞くアニエスに、カルセドニーは「はい」と首を振る。
「ご主人様はお腹が空かれた時にだけ、俺達に食事を買って来るように言われますにゃ」
「買って…来る? その、自炊とかは…」
「? 俺達は料理ができませんのにゃ。そしてご主人様も、しませんのにゃ」
「っ!! まさか、いつも出来合いの物を食べているの?」
「は…はいですにゃ」
露店の軽食や、料理屋の惣菜。
そういった物を使い魔猫達が買いに行って、食べているのだという。
「しかもお腹が空いた時だけですって!? それで、いつも今日みたいに倒れるの!!」
「はっ…はい…ですにゃ」
それがサフィールの日常だった。そして、サフィール以外の人間と暮らしたことの無いカルセドニーにとっても、それが人間の生活なのだと思っていた。
が、違うらしい。
目の前の女性。アニエスは、「信じられない!」と声を荒げる。
「そんなのばかりじゃあ、栄養が偏るでしょう!! 大体、倒れるまで食べないなんて!! そんなんじゃあ、いつか病気になってしまうわ!!」
「っ、ごっ、ごめんなさいですにゃ!」
「あっ」
目の前の使い魔猫が、びくんっと怯える。その姿に、頭に血が上っていたアニエスははっと我に返った。
「ご、ごめんなさい…。突然怒鳴ってしまって…」
あなたが悪いわけじゃないのにね、とアニエスはその頭を優しく撫でてやる。
そして、店の奥。
クッションの上に倒れて寝入っているサフィールの姿を、きっと睨んだ。
「いいわ、もう」
そして、カルセドニーにこう言った。
「これからは、出来る限り私が食事を作って来るわ。あなたはそれを、サフィールに食べさせてくれる?」
「えっ?」
「私、しばらくはこの島にいるの。その間だけでも、作って持ってくるから」
アニエスはにっこりと微笑む。
「これでも昔は、サフィールや魔法使い様…、彼のお師匠様の食事を作っていたのよ。私がいるからには、もうこんな不摂生な食生活は送らせないわ」
それは、アニエスの胸に芽生えた決意だった。
たとえ、お節介と思われても良い。
それでも、あんな痩せた体を見せられて、こんな食生活を聞かされて、放っておけない。
(……まるで昔に戻ったみたい)
学校帰りに通って、食事を作っていた昔を思い出す。
でも、あの頃とは違う。
彼はもう少年ではなく、男で。
自分もまた、もう子供ではない、大人なのだ。
(…大人、なのにね…)
こんな日が来るなんて思わなかった。
こんな再会になろうとは、思ってもみなかった。
(…変わったのに、変わらない、サフィール…)
自分も同じだと、アニエスは思う。
(…やってることは、昔とちっとも変ってないわ…)
************************************************
こんな再会編です。
ちなみに、カルがアニエスの名前に反応したのは、サフィールが時たま寝言で呟いていたから。そして、時たま訪れるアレックスに少しだけ話を聞いたことがあったから、です。
今更ですが、サフィールに家事能力は一切ありません(笑)放っておくと、こんな生活を送ります。そして、使い魔猫達が今でこそ掃除やら料理やらができるようになったのは、アニエスの教育の賜物…なのです。
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