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幼馴染は魔法使いの弟子
黄色い薔薇の物語編 2
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1から時間が過ぎて、15歳のアニエスと17歳のサフィールのお話です。
********************************************
思えば予兆は、あったのかもしれない。
頻繁に届くようになった、王都からの手紙。
夜、よく二人で何かを話しあっている両親の姿。
けれど、その時のアニエスは他に気にかかることがあって。
決定的な言葉を告げられるまで、気付かなかった。
「アニエスー!!」
学校が終わって、アニエスはそそくさと鞄に荷物を纏め、帰ろうとしていた。
そこへ声を掛けてきたのは、友達のミリア。
肩上までのふわふわした金の髪の、可愛らしい女の子だ。
「どうしたの? ミリア」
私に何か用? と、アニエスは言う。少しそっけなく聞こえるのは、気が焦っているからだろう。
アニエスは早く、家に帰りたかった。帰って…、
「今日、一緒に街で買い物しない? 雑貨屋さんに、新しい商品が入ったの。とっても可愛いのよ」
「…ごめんなさい。私、今日は早く帰ろうと思ってて…」
雑貨屋の新商品はとても魅力的だったが、アニエスにはそれよりもやらなければならないことがあった。
すると、察しがついたのか、ミリアが「はあ~っ」とため息を吐く。
「今日は、じゃなくて、今日も、でしょ? またサフィールの所? もう、幼馴染だからって、そう何でも世話してやることないじゃない」
アニエスが昔から、森に住む魔法使いの所へ出入りしているのはミリアもよく知っている。魔法使いの弟子とは幼馴染で、家族ぐるみの付き合いだというのも周知の事実だ。
世話焼きの彼女は、今も魔法使いの所へ通っては食事の用意をしたり、家事をしたりしているらしい。
が、十五歳という花の盛りに。何が悲しくて薄暗い森の中に住む魔法使いの世話をしなければならないのだ。街にはもっと、華やかで心くすぐる素敵な物がいっぱいあるのに。
「ごめんね、ミリア。でも、私が好きでやってることだから…」
アニエスはそう言って彼女に手を振ると、急ぎ足で学校を飛び出した。
その後ろ姿を見送りながら、ミリアは思う。
「…やっぱりアニエス、サフィールのことが好きなのかしら」
サフィールに恋しているから、あんなに必死なのだろうか。
そうだとしたら、もったいないと思った。
アニエスはこの学校で一番の美人だ。彼女に憧れている少年達は多い。
それが、あんな暗い森の中に引きこもっている、暗くて、無愛想な、サフィールなんかに。
「サフィールなんかに、アニエスはもったいないわ!」
家に帰って、鞄を置いて。
食材を持って、アニエスは魔法使いの家へ向かう。
(…どうして、おかしいって、思われるのかな…)
アニエスにとって、魔法使いの家へ行くのはごくごく自然なことだった。
魔法使いクラウドとサフィールは、アニエスにとっては家族も同然なのだ。
家族に食事を作ることは、自然なことで。
家族の家を掃除するのも、自然なことではないだろうか。
それにアニエスは、本当に、好きでやっているのだ。
自分が作った食事を「美味しい」と言ってくれるのが、嬉しい。研究に没頭しきりで家事を顧みないクラウドを見かねて、あの雑然とした家の中を掃除するのだって、アニエスが自分から言い出してやっていることなのだ。
それでも、友人達は首を傾げる。
どうしてそこまでしなきゃならないの? と。
どうして自分のことを優先しないの? 遊びたくないの? と。
確かに自分は、街の友人達にとって付き合いの良い人間ではないのかもしれない。
街の友人達と遊ぶよりも、アニエスは魔法使いの家に行きたかった。
(…「遊びたくないの」…か…)
つい先日、友人に言われた言葉を思い出す。
ミリアとは違う、同級生の女の子が不思議そうに、アニエスに聞いてきたのだ。
「そういえば…」
自分はいつから、サフィールと一緒に遊ばなくなったろうか。
そんなことを思いながら、アニエスは通い慣れた魔法使いの家の扉をノックした。
「いつもありがとう、アニエス。今日もとても美味しかったよ」
アニエスの作った肉団子とキャベツのスープ。それからアニエスの母が持たせてくれたパンを綺麗に平らげて、魔法使いクラウド・サルガタナスは破顔した。
クラウドはいつも、アニエスの作った料理を「美味しい」と言ってくれる。
そう、クラウドは。
サフィールはこの所、夕飯の時間は、いや、アニエスが来ている時間はいつも自分の部屋に引きこもっている。何かの研究をしていて、とても忙しいのだそうだ。でも、
避けられている…のかもしれないと、アニエスは思う。
いつからだろう。自分達の間に、何か見えない溝のようなものが生まれたのは。
二人はもう、幼い頃のように一緒に遊ばなくなった。
サフィールはあまり、アニエスに会わなくなった。
会っても、昔のようには笑ってくれなくなった。声をかけてくれなくなった。
自分は何か、悪いことをしたのだろうか。だから、避けられているのだろうか。
アニエスはそう思うたび、胸にずっしりと重い何かがのしかかっているような気持ちになる。
それでもアニエスがサフィールのためにと作り置いた食事は、翌日には綺麗に平らげられているから、食べてはくれているらしい。
自分は、本当はそれを確かめるために、友人達の誘いも断ってここへ通っているのかもしれないと、アニエスは思った。
遠くへ離れてしまったようなサフィールと自分が、まだ繋がっていることを、確かめたくて。
「…魔法使い様…、サフィールは…」
「ん? ああ、すまないね。アイツは今日も部屋で研究してるんだ。君がいなかったら、サフィールは食事も摂らずに魔導書とにらめっこしていただろう」
君の料理だから、アイツは食べるんだよ、とクラウドは微笑う。
それは魔法使いの、優しい嘘かもしれないと思いながら、アニエスも微笑んだ。
「サフィールの分は、いつものようにお鍋に残してます。それじゃあ、おやすみなさい、魔法使い様」
昔はサフィールが送ってくれていた道を、今は一人で歩く。
振り返って、明りの灯る魔法使いの家の二階の窓を、見上げた。
サフィールの部屋だ。
「あ…」
一瞬、人影が見えた気がした。
「………」
が、見間違いだったようだ。
あの部屋でサフィールは、どんな魔法を研究しているのだろう。
(…サフィール…)
サフィールは、今、何を思っているのだろう。
研究のことで頭がいっぱいで、自分の事を気にする余裕なんて、ないのだろうか。
研究の事が一段落ついたら、また、昔のように自分と会ってくれるだろうか。
彼は、
あの約束を、覚えているだろうか。
そうして気落ちしながら帰宅したアニエスは、衝撃的な話を両親から告げられる。
それは、王都に住む父方の伯父夫婦が急死したという、訃報。
そして、
「…私が亡き兄夫婦に代って、実家の家業を継ぐことになった。すまない、アニエス。一週間後に、ここを引きはらって王都へ行く」
生まれ育ったこの島を離れるという、父の言葉だった。
************************************************
駆け足ですみません!!
第二話は、成長してよそよそしくなってしまった幼馴染の二人と、そして別れ。
何故サフィールがアニエスを避けだしたのかは、次話で書きます。
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思えば予兆は、あったのかもしれない。
頻繁に届くようになった、王都からの手紙。
夜、よく二人で何かを話しあっている両親の姿。
けれど、その時のアニエスは他に気にかかることがあって。
決定的な言葉を告げられるまで、気付かなかった。
「アニエスー!!」
学校が終わって、アニエスはそそくさと鞄に荷物を纏め、帰ろうとしていた。
そこへ声を掛けてきたのは、友達のミリア。
肩上までのふわふわした金の髪の、可愛らしい女の子だ。
「どうしたの? ミリア」
私に何か用? と、アニエスは言う。少しそっけなく聞こえるのは、気が焦っているからだろう。
アニエスは早く、家に帰りたかった。帰って…、
「今日、一緒に街で買い物しない? 雑貨屋さんに、新しい商品が入ったの。とっても可愛いのよ」
「…ごめんなさい。私、今日は早く帰ろうと思ってて…」
雑貨屋の新商品はとても魅力的だったが、アニエスにはそれよりもやらなければならないことがあった。
すると、察しがついたのか、ミリアが「はあ~っ」とため息を吐く。
「今日は、じゃなくて、今日も、でしょ? またサフィールの所? もう、幼馴染だからって、そう何でも世話してやることないじゃない」
アニエスが昔から、森に住む魔法使いの所へ出入りしているのはミリアもよく知っている。魔法使いの弟子とは幼馴染で、家族ぐるみの付き合いだというのも周知の事実だ。
世話焼きの彼女は、今も魔法使いの所へ通っては食事の用意をしたり、家事をしたりしているらしい。
が、十五歳という花の盛りに。何が悲しくて薄暗い森の中に住む魔法使いの世話をしなければならないのだ。街にはもっと、華やかで心くすぐる素敵な物がいっぱいあるのに。
「ごめんね、ミリア。でも、私が好きでやってることだから…」
アニエスはそう言って彼女に手を振ると、急ぎ足で学校を飛び出した。
その後ろ姿を見送りながら、ミリアは思う。
「…やっぱりアニエス、サフィールのことが好きなのかしら」
サフィールに恋しているから、あんなに必死なのだろうか。
そうだとしたら、もったいないと思った。
アニエスはこの学校で一番の美人だ。彼女に憧れている少年達は多い。
それが、あんな暗い森の中に引きこもっている、暗くて、無愛想な、サフィールなんかに。
「サフィールなんかに、アニエスはもったいないわ!」
家に帰って、鞄を置いて。
食材を持って、アニエスは魔法使いの家へ向かう。
(…どうして、おかしいって、思われるのかな…)
アニエスにとって、魔法使いの家へ行くのはごくごく自然なことだった。
魔法使いクラウドとサフィールは、アニエスにとっては家族も同然なのだ。
家族に食事を作ることは、自然なことで。
家族の家を掃除するのも、自然なことではないだろうか。
それにアニエスは、本当に、好きでやっているのだ。
自分が作った食事を「美味しい」と言ってくれるのが、嬉しい。研究に没頭しきりで家事を顧みないクラウドを見かねて、あの雑然とした家の中を掃除するのだって、アニエスが自分から言い出してやっていることなのだ。
それでも、友人達は首を傾げる。
どうしてそこまでしなきゃならないの? と。
どうして自分のことを優先しないの? 遊びたくないの? と。
確かに自分は、街の友人達にとって付き合いの良い人間ではないのかもしれない。
街の友人達と遊ぶよりも、アニエスは魔法使いの家に行きたかった。
(…「遊びたくないの」…か…)
つい先日、友人に言われた言葉を思い出す。
ミリアとは違う、同級生の女の子が不思議そうに、アニエスに聞いてきたのだ。
「そういえば…」
自分はいつから、サフィールと一緒に遊ばなくなったろうか。
そんなことを思いながら、アニエスは通い慣れた魔法使いの家の扉をノックした。
「いつもありがとう、アニエス。今日もとても美味しかったよ」
アニエスの作った肉団子とキャベツのスープ。それからアニエスの母が持たせてくれたパンを綺麗に平らげて、魔法使いクラウド・サルガタナスは破顔した。
クラウドはいつも、アニエスの作った料理を「美味しい」と言ってくれる。
そう、クラウドは。
サフィールはこの所、夕飯の時間は、いや、アニエスが来ている時間はいつも自分の部屋に引きこもっている。何かの研究をしていて、とても忙しいのだそうだ。でも、
避けられている…のかもしれないと、アニエスは思う。
いつからだろう。自分達の間に、何か見えない溝のようなものが生まれたのは。
二人はもう、幼い頃のように一緒に遊ばなくなった。
サフィールはあまり、アニエスに会わなくなった。
会っても、昔のようには笑ってくれなくなった。声をかけてくれなくなった。
自分は何か、悪いことをしたのだろうか。だから、避けられているのだろうか。
アニエスはそう思うたび、胸にずっしりと重い何かがのしかかっているような気持ちになる。
それでもアニエスがサフィールのためにと作り置いた食事は、翌日には綺麗に平らげられているから、食べてはくれているらしい。
自分は、本当はそれを確かめるために、友人達の誘いも断ってここへ通っているのかもしれないと、アニエスは思った。
遠くへ離れてしまったようなサフィールと自分が、まだ繋がっていることを、確かめたくて。
「…魔法使い様…、サフィールは…」
「ん? ああ、すまないね。アイツは今日も部屋で研究してるんだ。君がいなかったら、サフィールは食事も摂らずに魔導書とにらめっこしていただろう」
君の料理だから、アイツは食べるんだよ、とクラウドは微笑う。
それは魔法使いの、優しい嘘かもしれないと思いながら、アニエスも微笑んだ。
「サフィールの分は、いつものようにお鍋に残してます。それじゃあ、おやすみなさい、魔法使い様」
昔はサフィールが送ってくれていた道を、今は一人で歩く。
振り返って、明りの灯る魔法使いの家の二階の窓を、見上げた。
サフィールの部屋だ。
「あ…」
一瞬、人影が見えた気がした。
「………」
が、見間違いだったようだ。
あの部屋でサフィールは、どんな魔法を研究しているのだろう。
(…サフィール…)
サフィールは、今、何を思っているのだろう。
研究のことで頭がいっぱいで、自分の事を気にする余裕なんて、ないのだろうか。
研究の事が一段落ついたら、また、昔のように自分と会ってくれるだろうか。
彼は、
あの約束を、覚えているだろうか。
そうして気落ちしながら帰宅したアニエスは、衝撃的な話を両親から告げられる。
それは、王都に住む父方の伯父夫婦が急死したという、訃報。
そして、
「…私が亡き兄夫婦に代って、実家の家業を継ぐことになった。すまない、アニエス。一週間後に、ここを引きはらって王都へ行く」
生まれ育ったこの島を離れるという、父の言葉だった。
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駆け足ですみません!!
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