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第一章 二人の日常 1
使い魔達の協奏曲 ネリーとライト編
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茶色猫のネリーと灰色猫のライトのお話。
ネリー視点です。
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ボクの名前はカーネリアン。おめめの色が赤いので、『カーネリアン(紅玉髄)』から名付けられた。奥方様や仲間達は、ボクを『ネリー』って呼ぶよ。
ボクの毛並みは茶色くて、人間の姿になっても髪としっぽと耳はおんなじ茶色。
ぱっとしない色だねって白猫のジェダは言うけど、ボクは別に気にしない。
大好きなものは、ご主人様と奥方様。それに、奥方様の作るお魚のパイ。
今日の朝ご飯は、その大好物のお魚のパイだって聞いて、ボクはとっても嬉しい。
奥方様が成形したパン生地を運びながら、ついつい尻尾がゆらゆら揺れちゃって、つられて体もふらふらしちゃって、相棒のライトに怒られちゃった。
「あんまり浮かれるにゃ」
って。
でもそう言うライトだって、尻尾が揺れてるんだよ。だってライトも、お魚のパイが大好きだもん。
「えへへ。ごめんにゃ」
ボクはオーブンの火をじっと見守っているライトに、そう謝った。
ライトはとっても綺麗な灰色の毛並みの猫。白猫のジェダは自分が一番綺麗だって言うけど、ボクはライトが一番綺麗だと思う。そのソーダ色の瞳もね。あんまり綺麗な青色だから、ご主人様は、綺麗な青色の宝石、『ソーダライト(方曹達石)』から名前を付けたんだって。
「…オーブンを開けるにゃ。気をつけるにゃ」
オーブンに入れていたパンがこんがりと焼けたので、ライトが鍋つかみを手にオーブンの扉を開る。熱くなったオーブンの扉を開けると、最初にとってもとっても熱い蒸気が出てくる。それが危ないから、こうして近くにいる時は声を掛けてくれるんだ。
「にゃー」
ボクは了解、とばかりに鳴いて、少し離れる。
むわっという熱気と共に、香ばしく焼けたパンの甘い香りが辺りいっぱいに広がっていく。
「美味しそ~うにゃ~」
ボクはそれだけで、とろんと夢心地。奥方様の作るパンはとっても美味しいんだ。
「ほら、ぼうっとしてないで次を入れるにゃ」
「にゃ~」
ボクは焼き上がったパンを受け取ると、それを作業台に乗せて、次のパン生地をオーブンに入れていく。パンの成形が終わると、オーブンの火を調整して焼き上がりを見るのがライト。新しい生地をオーブンに入れていくのがボク、というのが自然と決まったボクらの役割。
ちょっと火が怖いボクと違って、ライトは火が好きみたい。
いっつも食い入るように、真剣に火を見ている。真っ赤な火がライトの青い瞳にきらきら反射して、お星様みたいだった。
「ねえ、ライト」
「なんにゃ?」
ボクはオーブンの中のパンを見ながら。
ライトはオーブンの中の火を見ながら、応える。
「どうしてライトは火が好きにゃ?」
あっつくて、おっかないのに、とボクが聞くと、ライトはフッと笑った。
「どうして? こんなにかっこいいものはないにゃ」
ボクはそんなライトが、一番かっこよくて綺麗だと思うにゃあ。
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甘えん坊の茶色猫ネリーと、クール系灰色猫のライト。
この二匹は結構仲が良いです。
ネリー視点です。
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ボクの名前はカーネリアン。おめめの色が赤いので、『カーネリアン(紅玉髄)』から名付けられた。奥方様や仲間達は、ボクを『ネリー』って呼ぶよ。
ボクの毛並みは茶色くて、人間の姿になっても髪としっぽと耳はおんなじ茶色。
ぱっとしない色だねって白猫のジェダは言うけど、ボクは別に気にしない。
大好きなものは、ご主人様と奥方様。それに、奥方様の作るお魚のパイ。
今日の朝ご飯は、その大好物のお魚のパイだって聞いて、ボクはとっても嬉しい。
奥方様が成形したパン生地を運びながら、ついつい尻尾がゆらゆら揺れちゃって、つられて体もふらふらしちゃって、相棒のライトに怒られちゃった。
「あんまり浮かれるにゃ」
って。
でもそう言うライトだって、尻尾が揺れてるんだよ。だってライトも、お魚のパイが大好きだもん。
「えへへ。ごめんにゃ」
ボクはオーブンの火をじっと見守っているライトに、そう謝った。
ライトはとっても綺麗な灰色の毛並みの猫。白猫のジェダは自分が一番綺麗だって言うけど、ボクはライトが一番綺麗だと思う。そのソーダ色の瞳もね。あんまり綺麗な青色だから、ご主人様は、綺麗な青色の宝石、『ソーダライト(方曹達石)』から名前を付けたんだって。
「…オーブンを開けるにゃ。気をつけるにゃ」
オーブンに入れていたパンがこんがりと焼けたので、ライトが鍋つかみを手にオーブンの扉を開る。熱くなったオーブンの扉を開けると、最初にとってもとっても熱い蒸気が出てくる。それが危ないから、こうして近くにいる時は声を掛けてくれるんだ。
「にゃー」
ボクは了解、とばかりに鳴いて、少し離れる。
むわっという熱気と共に、香ばしく焼けたパンの甘い香りが辺りいっぱいに広がっていく。
「美味しそ~うにゃ~」
ボクはそれだけで、とろんと夢心地。奥方様の作るパンはとっても美味しいんだ。
「ほら、ぼうっとしてないで次を入れるにゃ」
「にゃ~」
ボクは焼き上がったパンを受け取ると、それを作業台に乗せて、次のパン生地をオーブンに入れていく。パンの成形が終わると、オーブンの火を調整して焼き上がりを見るのがライト。新しい生地をオーブンに入れていくのがボク、というのが自然と決まったボクらの役割。
ちょっと火が怖いボクと違って、ライトは火が好きみたい。
いっつも食い入るように、真剣に火を見ている。真っ赤な火がライトの青い瞳にきらきら反射して、お星様みたいだった。
「ねえ、ライト」
「なんにゃ?」
ボクはオーブンの中のパンを見ながら。
ライトはオーブンの中の火を見ながら、応える。
「どうしてライトは火が好きにゃ?」
あっつくて、おっかないのに、とボクが聞くと、ライトはフッと笑った。
「どうして? こんなにかっこいいものはないにゃ」
ボクはそんなライトが、一番かっこよくて綺麗だと思うにゃあ。
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甘えん坊の茶色猫ネリーと、クール系灰色猫のライト。
この二匹は結構仲が良いです。
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