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使い魔は主人に似る……?
しおりを挟む厨房に、甘い匂いが漂う。
今日のお手伝い係の灰色猫ライトと、茶色猫ネリー。
そしてブチ猫キースに縞猫のアクアは、揃って人型となりパン生地を捏ねたりクリームを泡立てたりと忙しい。
「にゃっ」
クリームパンに使うカスタードクリームをシャカシャカと混ぜていたネリーが、小さく声を上げた。
それに、「どうしたのにゃ?」と他の猫達が視線を寄こせば……
「にゃあ……ついちゃった」
はねたクリームが、ネリーの鼻先についている。
その鼻先に……
「…………ちゅ」
と、ネリーの隣にいたライトが唇を寄せた。
そしてぺろりと、鼻先についたクリームを舐めとる。
「「……!!」」
それを見ていたキースとアクアは、突然のライトの行動にびびびっ! と尻尾を逆立てた。
こ、こいつ今……!
「んにゃ」
鼻先を舐める舌に、くすぐったそうに鳴くネリー。
それでも嫌がるそぶりはない。
「気を付けろ、にゃ」
「ん。ごめんにゃライト」
しれっとした顔で、作業に戻るライト。
そしてネリーも、今度はクリームがはねないよう慎重に泡だて器を動かす。
((……こいつら……))
キース、そしてアクアは思う。
鼻にクリーム?
そんなの、手でとればいいじゃん!!
いくら自分達が猫とはいえ、今は人型なんだし!!
指で拭えばいいだけの話じゃん!! と。
そんな……まるで……!!
ウチのご主人様夫婦みたいな真似を!!
((このバカップルめ!!))
「「にゃ……?」」
そうツッコんでやりたい気持ちを抑え、猛烈な勢いでパン生地を捏ね出した二匹に、ネリーとライトはきょとんと首を傾げた。
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