14 / 49
三章
Ⅲ
しおりを挟む
いつの間にか、寝てしまっていたらしい。時計を見ると三時間は経過している。どうか夢であってほしいと願っていたのに、携帯を開くと女神の存在は現実だってありありと示されてしまった。
〈本当、今日はどうしたの? 疲れてたの? まぁ私も立ち眩みで倒れた側だから偉そうにできないけど(笑)〉
〈ゲームもほどほどにしなさいよ。勇者とか女神とかどこのRPGよ〉
〈帰るね。おやすみ〉
〈それと、今度改めて伝えたいことあるから〉
全部あかりからのものだ。はぁ、と溜息を零す。これからの生活に不安しかない。しかも最後のメールは、きっと告白のやり直しなんだろう。でも、今の段階だと告白されても受け入れられない。仮に告白されても、女神フローラがなにをするか。そもそもあかりの告白を邪魔するかもしれないし。
ほんと、あいつは魔王より邪悪な存在だよ。一般人目線から見るとあんな奴だったのかって呆れるね。というか、勇者だったときの俺は、もしかしたら女神に洗脳されていたんじゃ?
おっと、話がずれた。さてどうするか、と思案しているとき、コンコンとノックの音が。パパかママかな?
「レオン? 起きてる?」
「あかり!?」
なんで今あかりが。もう帰ったんじゃ。
「ちょっと、話があって。入っていい?」
「え~~~っと」
なんとなく焦ってしまったけど、あかりは返答を待たず部屋に入ってきた。遠慮のなさは幼なじみの特権だけど少しは躊躇しろよ。
「そう。ここが・・・・・・・・・」
でも、あかりが俺の部屋に来るなんて、久しぶりだ。小学校までは来ていたけど、中学になってからはめっきりお互いの家に遊びに来た機会はない。ゲームはちょくちょくしていたし、外に遊びに行ったりはしてたけど。
いかん。緊張してきた。
「とりあえず、ゲームでもするか?」
「ゲーム・・・・・・・・・・・・・・・」
自分の緊張を悟らせないように、誘ってみた。
「そう。これがゲームなんですね」
あかりはゲーム機とコントローラー、ディスクをいきなり持ちあげた。なんで? 別のやつがいいのかな?
「えいっ」
「ええええええええええええ!!??」
あかりは持っていたものを豪快に壁に叩きつけた。形を保ったままのものには更に追い打ちをかける。床にガンガンガンガン! と乱暴に打ちつけ、拳で殴ったり。
「ちょちょちょ! お前なにをしてるんだ!」
「だってこうしないと勇者ジンは使命に目覚めないでしょう?」
「あ! お前女神だな!?」
遅ればせながら、今のあかりを支配しているのは、フローラだと気づいた。
「なにしてんだお前! ゲーム壊れたじゃねぇか! 壁も床も傷ついたぞ! どうしてくれんだ!」
「世界を救うことと比べたら、些細な問題です」
「謝れえええ! まだ家のローンを払っているパパと自分の小遣いでこいつを買った俺に謝りやがれえええええええ!」
「ふむふむ。この子の部屋にもあった。これが漫画ですね。えいっ」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「えい、えい」
「おま、まじでやめろおおおおおおおおおおおおおおお!!」
今度は漫画を手当たり次第に破っていく。滅茶苦茶すぎるフローラに、さすがに動かずにはいられない。羽交い締めにして、そのまま投げ飛ばす。
「い、痛い・・・・・・・・・・・か弱い女の子に、ひいては女神に弓引くなんて。あなたそれでも勇者ですか?」
「人の幼なじみに寄生して人の大事なもん壊しまくるなんてお前はそれでも女神か!?」
また起き上がろうとしたフローラを、なんとか止めようとジタバタと揉める。けど、そこは男性と女性。腕力では有利な俺がフローラを組み敷くことに成功。
「はぁ、はぁ・・・・・・・・・・・・・・・。お、おま、ゴホゴホ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「これしきのことでそれほど体力を消耗するなど。本当に堕落しているようですね」
やかましいわ。受験勉強でちょっと引きこもって動かなかっただけだ。
「それで? お前なにが目的なわけ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
唇を尖らせて横を向いたフローラ。あかりの体ってことも忘れてプッツンした俺は、肘でフローラの腕を固定して、両耳をねじりあげる。
「いだいいだいいだいいだい! やめなさい勇者ジン!」
「口の利き方に気をつけろ! 目的を話せ! じゃないと次は鼻と唇いくぞ!」
「こ、こんな拷問一体どこで――――いだいいだいいだ! あなたが持っている物を壊してできないようにすれば元の勇者に戻るとおもったんです!」
「ああ!?」
「こ、この世界の物はどれも異世界にはなかったもの。だからこそ、あなたは取り憑かれてしまっているのです。ある意味呪いのアイテム。それを壊すことで呪縛から救おうと決意したのです」
「あほか!」
口からでまかせを。
「お願いです、勇者ジン。私達にはあなたしかいないのです」
「俺の仲間や他の人達でどうにかできるだろ・・・・・・・・・・・・・・」
「皆、変わってしまったのです」
急にしんみりとしたかんじで、フローラは語りだした。最初は魔王軍の残党との戦いに皆まとまっていた。けど、戦いが終わって魔王軍は消滅、徹底的に魔族を殲滅させるには費用も人も、なにもかも足りなくなって同盟軍は解散。それぞれ平和の礎を築きはじめた。
魔族は隠れ潜みながら数を減らして暮しだした。穏やかで平和だった世界は、国王の死後一変した。残された王族と貴族の汚職、それによって重税と過酷な労働によって不満を抱き苦しむ平民達。そして、かつて同盟を結んでいたエルフとドワーフと人間は金銭、領土的な問題で争いがおこりかけている。
かつて冒険を共にした戦士は怪我をして引退。後進の育成をして天寿をまっとう、女騎士はお家を復興して王国の平和に尽くし独身を貫いて権力争いで処刑。魔法使いは長生きして魔法の研究の発展に尽力して魔法の研究で最後反逆罪に問われて獄死、格闘家は子だくさんに恵まれたが戦死。
「ろくなことになってねぇじゃねぇか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺が戻ったところで、なにもできやしない。というか、そんなの勇者の使命じゃねぇだろ。
「魔王を討ち滅ぼした勇者ジンの言葉なら、皆信じますし争いは終わります。戦いの形が変わっただけです。世界に平穏と安心を与えたかったのではないですか? 平和の象徴としてのあなたの言葉なら、きっと」
「じゃあ誰か別のやつを勇者に選んでくれよ・・・・・・・・・・・・・・。死んだあとの世界の世話までなんて聞いてねぇしやるつもりなかったし」
「あなた以外に素質のある人はいません」
「じゃあ影武者とかなりすまし仕立て上げればいいじゃん」
というか、俺が死んでからだいぶ時間経過してるだろ。俺を知ってるやつなんていないだろうし、俺を勇者だって信じるやつもいない。この世界と同じだ。俺、昔勇者だったんすよ、この世界なんとかしたいんすよ、なんて誰か信じるか? いや、いない。
「とにかく、さっさとあかりの体から出ていけ。さもないと・・・・・・・・・・・・わかるか?」
「私にも女神としての使命と役割があるのです。そのような暴力的な手段で無理やり追いだしたとしても――――あら?」
そのとき、急にフローラの体から力が抜け、瞳が閉じた。
「ん、あれ? レオン?」
「あ、あかりか?」
雰囲気から察するに、あかりに戻ったのか。どうやらあのくそ女神、人格を出し続けていられるのに制限があるのか。
「え? ちょ、なんで私。部屋で寝て、え?」
きょとん顔。あたふたときょろきょろしていたけど、いきなり迫真の表情に。体が硬直してふるふると振るえて、涙が零れそうなほど溢れてきて。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! 変態変態変態!!」
「へぶぅ!!」
力任せにビンタされて、そのまま頭を壁に激突してしまった。頭が眩むほど痛い。
「おいレオン、さっきからなんの騒ぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・だ?」
「そうよ、ご近所に迷惑・・・・・・・・・・・・・・・よ?」
「お、おじさんおばさぁぁん・・・・・・・・・・・・! レオンが、れおんがああああああああああ・・・・・・・・・・・!」
俺があかりに夜這いをかけようとした。全員そう判断したんだろう。それから両親に正座のまま、泣きながら説教&鉄拳制裁を受け続けた。落ち着いたあかりが間に入ってくれたのが救いになったけど、泣きそうになる悔しさをなんとか耐える。
女神め、絶対許さん。
〈本当、今日はどうしたの? 疲れてたの? まぁ私も立ち眩みで倒れた側だから偉そうにできないけど(笑)〉
〈ゲームもほどほどにしなさいよ。勇者とか女神とかどこのRPGよ〉
〈帰るね。おやすみ〉
〈それと、今度改めて伝えたいことあるから〉
全部あかりからのものだ。はぁ、と溜息を零す。これからの生活に不安しかない。しかも最後のメールは、きっと告白のやり直しなんだろう。でも、今の段階だと告白されても受け入れられない。仮に告白されても、女神フローラがなにをするか。そもそもあかりの告白を邪魔するかもしれないし。
ほんと、あいつは魔王より邪悪な存在だよ。一般人目線から見るとあんな奴だったのかって呆れるね。というか、勇者だったときの俺は、もしかしたら女神に洗脳されていたんじゃ?
おっと、話がずれた。さてどうするか、と思案しているとき、コンコンとノックの音が。パパかママかな?
「レオン? 起きてる?」
「あかり!?」
なんで今あかりが。もう帰ったんじゃ。
「ちょっと、話があって。入っていい?」
「え~~~っと」
なんとなく焦ってしまったけど、あかりは返答を待たず部屋に入ってきた。遠慮のなさは幼なじみの特権だけど少しは躊躇しろよ。
「そう。ここが・・・・・・・・・」
でも、あかりが俺の部屋に来るなんて、久しぶりだ。小学校までは来ていたけど、中学になってからはめっきりお互いの家に遊びに来た機会はない。ゲームはちょくちょくしていたし、外に遊びに行ったりはしてたけど。
いかん。緊張してきた。
「とりあえず、ゲームでもするか?」
「ゲーム・・・・・・・・・・・・・・・」
自分の緊張を悟らせないように、誘ってみた。
「そう。これがゲームなんですね」
あかりはゲーム機とコントローラー、ディスクをいきなり持ちあげた。なんで? 別のやつがいいのかな?
「えいっ」
「ええええええええええええ!!??」
あかりは持っていたものを豪快に壁に叩きつけた。形を保ったままのものには更に追い打ちをかける。床にガンガンガンガン! と乱暴に打ちつけ、拳で殴ったり。
「ちょちょちょ! お前なにをしてるんだ!」
「だってこうしないと勇者ジンは使命に目覚めないでしょう?」
「あ! お前女神だな!?」
遅ればせながら、今のあかりを支配しているのは、フローラだと気づいた。
「なにしてんだお前! ゲーム壊れたじゃねぇか! 壁も床も傷ついたぞ! どうしてくれんだ!」
「世界を救うことと比べたら、些細な問題です」
「謝れえええ! まだ家のローンを払っているパパと自分の小遣いでこいつを買った俺に謝りやがれえええええええ!」
「ふむふむ。この子の部屋にもあった。これが漫画ですね。えいっ」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「えい、えい」
「おま、まじでやめろおおおおおおおおおおおおおおお!!」
今度は漫画を手当たり次第に破っていく。滅茶苦茶すぎるフローラに、さすがに動かずにはいられない。羽交い締めにして、そのまま投げ飛ばす。
「い、痛い・・・・・・・・・・・か弱い女の子に、ひいては女神に弓引くなんて。あなたそれでも勇者ですか?」
「人の幼なじみに寄生して人の大事なもん壊しまくるなんてお前はそれでも女神か!?」
また起き上がろうとしたフローラを、なんとか止めようとジタバタと揉める。けど、そこは男性と女性。腕力では有利な俺がフローラを組み敷くことに成功。
「はぁ、はぁ・・・・・・・・・・・・・・・。お、おま、ゴホゴホ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「これしきのことでそれほど体力を消耗するなど。本当に堕落しているようですね」
やかましいわ。受験勉強でちょっと引きこもって動かなかっただけだ。
「それで? お前なにが目的なわけ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
唇を尖らせて横を向いたフローラ。あかりの体ってことも忘れてプッツンした俺は、肘でフローラの腕を固定して、両耳をねじりあげる。
「いだいいだいいだいいだい! やめなさい勇者ジン!」
「口の利き方に気をつけろ! 目的を話せ! じゃないと次は鼻と唇いくぞ!」
「こ、こんな拷問一体どこで――――いだいいだいいだ! あなたが持っている物を壊してできないようにすれば元の勇者に戻るとおもったんです!」
「ああ!?」
「こ、この世界の物はどれも異世界にはなかったもの。だからこそ、あなたは取り憑かれてしまっているのです。ある意味呪いのアイテム。それを壊すことで呪縛から救おうと決意したのです」
「あほか!」
口からでまかせを。
「お願いです、勇者ジン。私達にはあなたしかいないのです」
「俺の仲間や他の人達でどうにかできるだろ・・・・・・・・・・・・・・」
「皆、変わってしまったのです」
急にしんみりとしたかんじで、フローラは語りだした。最初は魔王軍の残党との戦いに皆まとまっていた。けど、戦いが終わって魔王軍は消滅、徹底的に魔族を殲滅させるには費用も人も、なにもかも足りなくなって同盟軍は解散。それぞれ平和の礎を築きはじめた。
魔族は隠れ潜みながら数を減らして暮しだした。穏やかで平和だった世界は、国王の死後一変した。残された王族と貴族の汚職、それによって重税と過酷な労働によって不満を抱き苦しむ平民達。そして、かつて同盟を結んでいたエルフとドワーフと人間は金銭、領土的な問題で争いがおこりかけている。
かつて冒険を共にした戦士は怪我をして引退。後進の育成をして天寿をまっとう、女騎士はお家を復興して王国の平和に尽くし独身を貫いて権力争いで処刑。魔法使いは長生きして魔法の研究の発展に尽力して魔法の研究で最後反逆罪に問われて獄死、格闘家は子だくさんに恵まれたが戦死。
「ろくなことになってねぇじゃねぇか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺が戻ったところで、なにもできやしない。というか、そんなの勇者の使命じゃねぇだろ。
「魔王を討ち滅ぼした勇者ジンの言葉なら、皆信じますし争いは終わります。戦いの形が変わっただけです。世界に平穏と安心を与えたかったのではないですか? 平和の象徴としてのあなたの言葉なら、きっと」
「じゃあ誰か別のやつを勇者に選んでくれよ・・・・・・・・・・・・・・。死んだあとの世界の世話までなんて聞いてねぇしやるつもりなかったし」
「あなた以外に素質のある人はいません」
「じゃあ影武者とかなりすまし仕立て上げればいいじゃん」
というか、俺が死んでからだいぶ時間経過してるだろ。俺を知ってるやつなんていないだろうし、俺を勇者だって信じるやつもいない。この世界と同じだ。俺、昔勇者だったんすよ、この世界なんとかしたいんすよ、なんて誰か信じるか? いや、いない。
「とにかく、さっさとあかりの体から出ていけ。さもないと・・・・・・・・・・・・わかるか?」
「私にも女神としての使命と役割があるのです。そのような暴力的な手段で無理やり追いだしたとしても――――あら?」
そのとき、急にフローラの体から力が抜け、瞳が閉じた。
「ん、あれ? レオン?」
「あ、あかりか?」
雰囲気から察するに、あかりに戻ったのか。どうやらあのくそ女神、人格を出し続けていられるのに制限があるのか。
「え? ちょ、なんで私。部屋で寝て、え?」
きょとん顔。あたふたときょろきょろしていたけど、いきなり迫真の表情に。体が硬直してふるふると振るえて、涙が零れそうなほど溢れてきて。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! 変態変態変態!!」
「へぶぅ!!」
力任せにビンタされて、そのまま頭を壁に激突してしまった。頭が眩むほど痛い。
「おいレオン、さっきからなんの騒ぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・だ?」
「そうよ、ご近所に迷惑・・・・・・・・・・・・・・・よ?」
「お、おじさんおばさぁぁん・・・・・・・・・・・・! レオンが、れおんがああああああああああ・・・・・・・・・・・!」
俺があかりに夜這いをかけようとした。全員そう判断したんだろう。それから両親に正座のまま、泣きながら説教&鉄拳制裁を受け続けた。落ち着いたあかりが間に入ってくれたのが救いになったけど、泣きそうになる悔しさをなんとか耐える。
女神め、絶対許さん。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる