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エピローグ
その後
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「謝罪文。今回の一件について」
ぶすっと不機嫌な健の前で正座をしながら、厳かに読みあげる。先輩が注視しているおかげで落ち着いているけど、いなかったらきっと健は殴りかかってくるだろう。
「私、上杉瞬が長井健二郎氏に対して暴行をし、怪我をさせたことについてだけ、深く謝罪いたします」
ちらりと健、次いで先輩を見た後、文面に視線を戻す。
「しかし、私見ではありますが妹である竹田れみに長井健二郎のような酔っ払いが輩がまとわりついていれば、ストーカーと勘違いしても仕方がない状況と心境であったと述べさせていただきます。また、私があのまま放置していた場合、健二郎は警察に通報されて豚箱行きであったことは必然でありました。よって結果論ではありますが、私があえて泥をかぶって暴力を振ったことで妹と親友である健二郎の人生を守ったことは明白であります」
ぷるぷる震えている健と先輩。片方は怒り、もう片方は笑いを堪えているのは反応から自然とわかる。
「そもそも、健二郎は普段から女性に対して異常な執着をしていました。これは早いところ痛い目にあったほうがいいな、殴って止めることも、親友としての責務だなと決意していました。また、私がフルボッコにした後の健の顔はなぜか恍惚とした表情をしていたので、つい私も熱が入ってしまったのです。そもそもこの雄虫に対する学生(女子たち)側の評価は日常より――」
「もういいわぁ!!」
「あらあら」
健が我慢できず、立ち上がりながら吠えた。
「謝罪文だとかいいながら全然謝罪してねぇじゃねぇか! 俺の馬鹿にしてんだろ! 最後の方なんか意味不明な責任転嫁してんじゃねぇか! つぅかどっかで聞いたことあんぞその謝罪文!」
「ちょっと『家でガ○の使い』のDVD見ながら添削してたら影響受けちゃって~」
「あんたかい!! 懐かしいなおい! だいぶ昔のやつでしょそれ!」
「だって瞬くん凄い長井くんに罪悪感持ってたのよ? 謝罪文だって自分で考えていたけど。固すぎたから」
「だからってふざけすぎでしょ! 謝罪文の体裁を守る努力をしてくださいよ!」
「え。じゃあ瞬くんの内容そのままにしててよかったの? 介錯なしで切腹するとか長井くんが指定した数だけエンコ詰めるとか」
「重い! 痛い! 引くわ!」
「じゃあちょっと待ってて。針とバーナー持ってくるから」
「なにするつもりですか!」
「私がするんじゃなくて長井くんがするのよ?」
「なにさせるつもりですか! そこまではいいですよ!」
「じゃあなにをすれば許してくれるの?」
健は迷いながら頭をガシガシと搔きながら俺を睥睨。
「だああああ! もうわかったわ! 俺が先輩からやらされているやつのシフトとかスケジュール、あれ代わりにやれ! それでいいわ!」
プンプンと怒り調子の長井を先輩がよしよしと撫でて大人しくさせている。チラリとこちらを見ながらウインクして、苦笑いで返す。先輩には本当に頭が上がらない。こうしてあえて健から交換条件を出させることで納得させようって魂胆だったんだろう。
「本当、悪いな健」
「もういいわい。というかお前とれみちゃん本当に兄妹だったんだなぁ。安心したわ」
先輩たちのみならず、健にも公園のとき事情を説明した。ボコボコにされた直後だったこともあって正しく認識できていなかったけど。結局、全部誤解だった。ストーカーはあの日以前に逮捕されていた。れみが俺に相談したいことというのは健のことだった。健がれみだけじゃなくて他の子を紹介してくれとしつこく連絡し続けていたらしい。
遠回しに断り続けていたものの効果なしだったが、俺の学友だからどうしたものかと俺になんとかさせたかったらしい。あの日は俺に近しい関係者に相談できる相手が健しかいなかったから話をしていた。けど、女の子から呼び出しをされたのが初めてだった健は浮かれていたらしい。ファミレスで有頂天になって酒を飲みまくって話どころじゃなくて終始無駄話に付き合わされて帰宅、その後公園での出来事に繋がるというわけだ。
うん、ボコボコにしちゃった俺が言えた義理じゃないけど健の自業自得だよね。
悪いとはおもってるけど仕方ないよね。ある意味ストーカーよりも悪質だし。
「じゃあ本格的にれみちゃん狙ってもいいってことだよな? お・に・い・さ・ん♪」
うわぁ、殴りたい。けど、今は引け目がある。愛想笑いにとどめて明言を避ける。
「はい、というわけでこの問題は終わり。今後一切蒸し返しちゃだめよ?」
「「は~い」」
「じゃあ長井くんはデータ整理。瞬くんは人体実験+湿度実験の環境準備+機具の移動お願いね~」
「は~い」
「ちょっと待ったすごい不穏なワード聞こえたんですけど!?」
「お姉ちゃんの女心を弄んだ罰よ?」
「それにしても犠牲大きすぎませんか? そもそもあなたが勝手に勘違いしたんですよ?」
「月~水、土日は教授の講演会の準備を代わりにやって」
「更に増えたああ! 横暴すぎるだろおお!」
「お姉ちゃんの優しさを踏みにじった罰だよ?」
「そんな姉いやだ! 優しさじゃねぇ!」
「建くん、瞬くんに全部やらせちゃってもいいよ~。優しさじゃなくて厳しさほしいみたいだから~」
「了解~」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!」
そんなかんじで、大学ではいつものように騒がしく忙しく過ごして、帰宅できたのはもう夜。メンタルも肉体もボロボロ。食事を作る元気さえない。けど、携帯に届いていた文面と送信者を支えにして、なんとか辿り着いた。
「お帰りなさい」
ドアを開けて玄関に入ると、エプロンをつけたれみが台所で料理をお皿に仕分けているのがまず見えた。味噌汁の穏やかで優しい匂いが食欲を刺激する。「ただいま」と短く答えて、素早く手洗いとうがい。二人で一緒に居間へと運ぶ。
「今日は忙しかったんですか?」
「いつものことだけどな」
「明日、私は来れませんので」
「そうか。俺も明日バイトだから」
また取り戻せたれみとの日常をありがたく幸福なことだって噛み締める。何気ない会話、れみの叱責。料理の味の感想。公園での一件でのあと、れみを自宅へと送った。それから三日もしないうちに、れみはまた矯正しにくるようになった。
「まりあが、まだ兄さんのこと怒っているみたいです」
「今度改めて話しないとな」
「「私も謝り続けているんですけど。嘘をついていたことじゃなくって、兄さんが私を泣かせたことが許せないみたいで」
「そうか」
れみはあのあと、家に戻ってから家族とどんな話をしたのか。それを確認するのはこわい。義父は俺がれみと会うのを快くおもってはいない。なら、なんて説明しているのか。どうしてまだ俺のところに来てくれているのか。知るのが躊躇われる。
「ごめんな、れみ」
けど、それだけじゃ足りないってわかった。
「どうしたんですか、急に」
「ずっと考えてた。家を出たとき、れみを捨てちまったっておもってた。ずっと謝りたかった」
「・・・・・・・・・」
「本当にごめん」
黙々と食べ続けていたけど、箸を置いてこちらに向き直った。
「辛かったです。兄さんのことが許せませんでした」
「うん」
「兄さんは私のことが嫌いになったんだって、おもっていました。忘れたくても忘れられませんでした」
「うん。ごめん」
「兄さんを見返そうとおもって頑張りました。勉強も、運動も、家事もお料理も。一人でできるようになって、兄さんなんていらないって。オープンキャンパスで再会したとき、腹がたちました。私がどんな気持ちで生きてきたかもしらないで・・・・・・・・・のほほんと生きてて。軽薄で女の子に親しげに接するような男性になっていて。それに、私のこと大きくなったなって、でも変わってないなって呑気に言って」
「・・・・・・ごめん」
「ごめんしか言えないんですか? そもそも、変わってないななんて、どういう意味があったんですか?」
とまらないれみの口撃は、多分に憤怒がこもっている。言い訳できない。けど、あえてしない。これも、れみの本音だから。
「それは・・・・・・・・・素直な気持ちで」
「私は小さい頃とはもう違うって。なのにこの人は私のことを小さい子供のままでしかないって認識が許せませんでした。だらしのないあなたが許せませんでした。だから、あなたの矯正をすることで私は変わったんだぞ、もうあなたの知ってるれみじゃないんだぞっておもわせたかったんです」
そうだったのかと、今更ながら愕然とする。改めて俺たちは対話をしていなかったと実感せざるをえない。
「途中からはほとんど難癖でしたけど」
「え!? 難癖!?」
「だって、やっぱり嬉しかったんです。楽しかったんです。また兄さんと一緒にすごせて」
「あ、そうなのか・・・・・・」
「はい・・・・・・・・・」
二人とも気恥ずかしくなってもじもじする。
「家に帰ったあと、お父さんとお義母さんと話をしました」
「うん・・・・・・・・・・」
「そのとき初めて、兄さんが家を出て家族でなくなった理由を、二人から聞きました。兄さんにも事情があったんだって、子供だった自分が恥ずかしくなりました」
「違うよれみ。俺も勝手だった。自分のことしか考えていなかった」
「でも、どうして私に言ってくれなかったんですか?」
「それは・・・・・・・・・あの人への接し方とか変わっちゃうんじゃないかっておもったし。それに後ろめたかった。れみのこと捨てたっておもってたし」
「そうですか・・・・・・・・・」
今度は俺の番。偽らざる本音をぶちまける。もう隠さなくていい、隠しちゃだめだっておもってるからスラスラと喋れる。まだれみとの関係をどんな形として目標にしているのか決まっていない。けど、少なくとも会いたいし連絡を取り合いたい。そして、今みたいに遠慮しないで本音をぶつけあえる関係性に戻りたいってはっきり言える。
「俺は、れみとまた会いたい。一緒に過ごしたい。会い続けたい。れみはどうだ?」
「私は・・・・・・・・・」
迷っているのか、視線の動きが忙しない。不安になるけど、期待してしまう。
「私も、そうです。だって、兄さんですから。私にとって兄さんは兄さんです」
「そうか、そうか・・・・・・・・・」
安心をこえて、泣きそうになってしまう。
「けど、今後は難しいかもしれません」
「どうしてだ?」
「兄さんと会うのを禁止されました」
「禁止!?」
「はい」
誰に、とは聞かない。すぐに義父の顔が浮かんだ。会ったときの会話から、仕方ないだろう。けど、まさかそんなことになっているのか。
「ちょ、お前いいのか!? ここに来ていて!」
焦ってしまう俺と対照的に、れみは落ち着き払っている。
「正直、いいことではないでしょう。両親に反対されてることを無視して続けていれば、お父さんはより頑なになって禁止するでしょう。場合によっては実力行使もありえます」
「だったら――」
「そうです。兄さんと話がしたいのです。私たちの今後について」
れみも、俺と会い続けたいと真剣に考えているのにほっとして、すぐに座りなおす。
「お父さんが禁止しているのは、兄さんの経緯があったからです。けど、個人同士の感情を無視しています。横暴です。会社だったらぱわはらです。もらはらです」
「いや、それはどうだろうか。一方的な決めつけはよくな――」
「とにかく。お父さんに私たちの関係を認めさせる。それを前提として動きたいです。私たちのためにも」
ふるふるふる、と小さく震える手が、こちらに伸ばされてそして重ねられた。自然と反対側にして、掌を重ねる。まだあどけない子供のころと比べて大人になった手の感触は、じ~んとする感動を与える。これは、れみなりのコミュニケーションなんだろうか。それともれみも不安ゆえにだろうか。理由はなんにしても、いやじゃない。懐かしさすらある。
「私が兄さんを矯正するために行っていると説明してもわかってくれません。逆に強く禁止されました」
「そりゃあそうだろ・・・・・・具体的に、どうするんだ?」
「はい。まずはまりあに見せたように、私たちが愛し合っている恋人である姿を見せます」
「なんで!?」
予想の斜め上過ぎてツッコミが出てしまう。
「私たちが男女としてお互いを必要している間柄だとアピールすれば、新たな関係を築いているとお父さんを納得させられます」
「無理だよ! いろいろ跳び越えすぎだ! 逆に猛烈に反対されること火の如しだよ!」
「じゃあ兄さんが私に嫁にくださいとお父さんにお願いしにくるのはどうでしょうか」
「じゃあじゃねぇ! お父さんぶち切れるよ! 悪化する絶対!」
「ふむ。では兄さんの同級生と私の友達に協力してもらうのはどうでしょうか」
「・・・・・・・・・というと?」
「将を射んと欲すればまず馬から。なので外野を味方につけます。それから兄さんのお父様にも、場合によっては」
う~ん、それは現実的かもしれないけどどうだろうか。それに、親父もとなると。
「私だけじゃなく、兄さんもアイディアを出してください」
「う~ん、そうだなぁ」
「しっかりしてください。せっかくあれだけ盛大にこ、こ、告白してくれたのに」
「・・・・・・・・・ん? 告白?」
「公園でしてくれましたよね?」
ん? あのときれみに言ったこと? あれもある意味告白だけど、俺とれみのニュアンス、受け取り方が微妙に違ってる気がする。なんか指絡ませてきてる? これって恋人繋ぎじゃ?
「そんなことよりも。今はお父さんのことをどうするかです」
「あ、じゃあ俺の生活に矯正が必要だってあの人にも知ってもらうってのはどうかな」
「・・・・・・・・・・・・それはつまり自分がだらしのない人間で今後も私に矯正してもらいたいという情けない人間であると話に行くと?」
「・・・・・・・・・・だよね~」
ジロリと一睨みされて、すごすごと撤回せざるを得ない。
「そんな発想が出てくること自体、まだ兄さんは芯から真人間になってはいないんですね。残念です。まだ矯正しなければいけません。ふふ」
「なんで喜んでんだ。それを言うなられみだって。親に嘘をついてる悪い子じゃないか」
「違います。これは社会勉強です。父にも伝えています。大学生の一人暮らししている場所に行って将来参考にするという名目で出ています」
「余計タチ悪いわぁ! しかも完全に嘘って言い切れないところがあくどい!」
「ちなみにまりあにも口裏合わせしてもらっています。条件は兄さんを一発殴ることです」
「さらにあくどくなってんじゃねぇか! なに勝手に承諾してんだぁ! それとお前嘘つくような子じゃなかっただろ! 最近ちょくちょくやってるけど! だめだろ!」
「人は成長する生き物です。昔の小さい子供じゃないんです」
「だめな成長だろそれえ! 俺がお前を矯正したいわぁ!」
「・・・・・・・・・変態」
「なんでだぁ! お前が俺を矯正するのと同じニュアンスだから!」
そうやって。俺たちは突拍子もない発言をして。ツッコミあって笑いあって怒りあって。けど結局結論は出ない。俺たちの関係性にも未だ名前はない。それでも、こんな時間すらもっとほしくて。ずっとこんな時間を過ごしたくて。そしてれみと一緒なら解決できる、どんな関係性になってもふさわしいって。そんな自信がある。
ぶすっと不機嫌な健の前で正座をしながら、厳かに読みあげる。先輩が注視しているおかげで落ち着いているけど、いなかったらきっと健は殴りかかってくるだろう。
「私、上杉瞬が長井健二郎氏に対して暴行をし、怪我をさせたことについてだけ、深く謝罪いたします」
ちらりと健、次いで先輩を見た後、文面に視線を戻す。
「しかし、私見ではありますが妹である竹田れみに長井健二郎のような酔っ払いが輩がまとわりついていれば、ストーカーと勘違いしても仕方がない状況と心境であったと述べさせていただきます。また、私があのまま放置していた場合、健二郎は警察に通報されて豚箱行きであったことは必然でありました。よって結果論ではありますが、私があえて泥をかぶって暴力を振ったことで妹と親友である健二郎の人生を守ったことは明白であります」
ぷるぷる震えている健と先輩。片方は怒り、もう片方は笑いを堪えているのは反応から自然とわかる。
「そもそも、健二郎は普段から女性に対して異常な執着をしていました。これは早いところ痛い目にあったほうがいいな、殴って止めることも、親友としての責務だなと決意していました。また、私がフルボッコにした後の健の顔はなぜか恍惚とした表情をしていたので、つい私も熱が入ってしまったのです。そもそもこの雄虫に対する学生(女子たち)側の評価は日常より――」
「もういいわぁ!!」
「あらあら」
健が我慢できず、立ち上がりながら吠えた。
「謝罪文だとかいいながら全然謝罪してねぇじゃねぇか! 俺の馬鹿にしてんだろ! 最後の方なんか意味不明な責任転嫁してんじゃねぇか! つぅかどっかで聞いたことあんぞその謝罪文!」
「ちょっと『家でガ○の使い』のDVD見ながら添削してたら影響受けちゃって~」
「あんたかい!! 懐かしいなおい! だいぶ昔のやつでしょそれ!」
「だって瞬くん凄い長井くんに罪悪感持ってたのよ? 謝罪文だって自分で考えていたけど。固すぎたから」
「だからってふざけすぎでしょ! 謝罪文の体裁を守る努力をしてくださいよ!」
「え。じゃあ瞬くんの内容そのままにしててよかったの? 介錯なしで切腹するとか長井くんが指定した数だけエンコ詰めるとか」
「重い! 痛い! 引くわ!」
「じゃあちょっと待ってて。針とバーナー持ってくるから」
「なにするつもりですか!」
「私がするんじゃなくて長井くんがするのよ?」
「なにさせるつもりですか! そこまではいいですよ!」
「じゃあなにをすれば許してくれるの?」
健は迷いながら頭をガシガシと搔きながら俺を睥睨。
「だああああ! もうわかったわ! 俺が先輩からやらされているやつのシフトとかスケジュール、あれ代わりにやれ! それでいいわ!」
プンプンと怒り調子の長井を先輩がよしよしと撫でて大人しくさせている。チラリとこちらを見ながらウインクして、苦笑いで返す。先輩には本当に頭が上がらない。こうしてあえて健から交換条件を出させることで納得させようって魂胆だったんだろう。
「本当、悪いな健」
「もういいわい。というかお前とれみちゃん本当に兄妹だったんだなぁ。安心したわ」
先輩たちのみならず、健にも公園のとき事情を説明した。ボコボコにされた直後だったこともあって正しく認識できていなかったけど。結局、全部誤解だった。ストーカーはあの日以前に逮捕されていた。れみが俺に相談したいことというのは健のことだった。健がれみだけじゃなくて他の子を紹介してくれとしつこく連絡し続けていたらしい。
遠回しに断り続けていたものの効果なしだったが、俺の学友だからどうしたものかと俺になんとかさせたかったらしい。あの日は俺に近しい関係者に相談できる相手が健しかいなかったから話をしていた。けど、女の子から呼び出しをされたのが初めてだった健は浮かれていたらしい。ファミレスで有頂天になって酒を飲みまくって話どころじゃなくて終始無駄話に付き合わされて帰宅、その後公園での出来事に繋がるというわけだ。
うん、ボコボコにしちゃった俺が言えた義理じゃないけど健の自業自得だよね。
悪いとはおもってるけど仕方ないよね。ある意味ストーカーよりも悪質だし。
「じゃあ本格的にれみちゃん狙ってもいいってことだよな? お・に・い・さ・ん♪」
うわぁ、殴りたい。けど、今は引け目がある。愛想笑いにとどめて明言を避ける。
「はい、というわけでこの問題は終わり。今後一切蒸し返しちゃだめよ?」
「「は~い」」
「じゃあ長井くんはデータ整理。瞬くんは人体実験+湿度実験の環境準備+機具の移動お願いね~」
「は~い」
「ちょっと待ったすごい不穏なワード聞こえたんですけど!?」
「お姉ちゃんの女心を弄んだ罰よ?」
「それにしても犠牲大きすぎませんか? そもそもあなたが勝手に勘違いしたんですよ?」
「月~水、土日は教授の講演会の準備を代わりにやって」
「更に増えたああ! 横暴すぎるだろおお!」
「お姉ちゃんの優しさを踏みにじった罰だよ?」
「そんな姉いやだ! 優しさじゃねぇ!」
「建くん、瞬くんに全部やらせちゃってもいいよ~。優しさじゃなくて厳しさほしいみたいだから~」
「了解~」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!」
そんなかんじで、大学ではいつものように騒がしく忙しく過ごして、帰宅できたのはもう夜。メンタルも肉体もボロボロ。食事を作る元気さえない。けど、携帯に届いていた文面と送信者を支えにして、なんとか辿り着いた。
「お帰りなさい」
ドアを開けて玄関に入ると、エプロンをつけたれみが台所で料理をお皿に仕分けているのがまず見えた。味噌汁の穏やかで優しい匂いが食欲を刺激する。「ただいま」と短く答えて、素早く手洗いとうがい。二人で一緒に居間へと運ぶ。
「今日は忙しかったんですか?」
「いつものことだけどな」
「明日、私は来れませんので」
「そうか。俺も明日バイトだから」
また取り戻せたれみとの日常をありがたく幸福なことだって噛み締める。何気ない会話、れみの叱責。料理の味の感想。公園での一件でのあと、れみを自宅へと送った。それから三日もしないうちに、れみはまた矯正しにくるようになった。
「まりあが、まだ兄さんのこと怒っているみたいです」
「今度改めて話しないとな」
「「私も謝り続けているんですけど。嘘をついていたことじゃなくって、兄さんが私を泣かせたことが許せないみたいで」
「そうか」
れみはあのあと、家に戻ってから家族とどんな話をしたのか。それを確認するのはこわい。義父は俺がれみと会うのを快くおもってはいない。なら、なんて説明しているのか。どうしてまだ俺のところに来てくれているのか。知るのが躊躇われる。
「ごめんな、れみ」
けど、それだけじゃ足りないってわかった。
「どうしたんですか、急に」
「ずっと考えてた。家を出たとき、れみを捨てちまったっておもってた。ずっと謝りたかった」
「・・・・・・・・・」
「本当にごめん」
黙々と食べ続けていたけど、箸を置いてこちらに向き直った。
「辛かったです。兄さんのことが許せませんでした」
「うん」
「兄さんは私のことが嫌いになったんだって、おもっていました。忘れたくても忘れられませんでした」
「うん。ごめん」
「兄さんを見返そうとおもって頑張りました。勉強も、運動も、家事もお料理も。一人でできるようになって、兄さんなんていらないって。オープンキャンパスで再会したとき、腹がたちました。私がどんな気持ちで生きてきたかもしらないで・・・・・・・・・のほほんと生きてて。軽薄で女の子に親しげに接するような男性になっていて。それに、私のこと大きくなったなって、でも変わってないなって呑気に言って」
「・・・・・・ごめん」
「ごめんしか言えないんですか? そもそも、変わってないななんて、どういう意味があったんですか?」
とまらないれみの口撃は、多分に憤怒がこもっている。言い訳できない。けど、あえてしない。これも、れみの本音だから。
「それは・・・・・・・・・素直な気持ちで」
「私は小さい頃とはもう違うって。なのにこの人は私のことを小さい子供のままでしかないって認識が許せませんでした。だらしのないあなたが許せませんでした。だから、あなたの矯正をすることで私は変わったんだぞ、もうあなたの知ってるれみじゃないんだぞっておもわせたかったんです」
そうだったのかと、今更ながら愕然とする。改めて俺たちは対話をしていなかったと実感せざるをえない。
「途中からはほとんど難癖でしたけど」
「え!? 難癖!?」
「だって、やっぱり嬉しかったんです。楽しかったんです。また兄さんと一緒にすごせて」
「あ、そうなのか・・・・・・」
「はい・・・・・・・・・」
二人とも気恥ずかしくなってもじもじする。
「家に帰ったあと、お父さんとお義母さんと話をしました」
「うん・・・・・・・・・・」
「そのとき初めて、兄さんが家を出て家族でなくなった理由を、二人から聞きました。兄さんにも事情があったんだって、子供だった自分が恥ずかしくなりました」
「違うよれみ。俺も勝手だった。自分のことしか考えていなかった」
「でも、どうして私に言ってくれなかったんですか?」
「それは・・・・・・・・・あの人への接し方とか変わっちゃうんじゃないかっておもったし。それに後ろめたかった。れみのこと捨てたっておもってたし」
「そうですか・・・・・・・・・」
今度は俺の番。偽らざる本音をぶちまける。もう隠さなくていい、隠しちゃだめだっておもってるからスラスラと喋れる。まだれみとの関係をどんな形として目標にしているのか決まっていない。けど、少なくとも会いたいし連絡を取り合いたい。そして、今みたいに遠慮しないで本音をぶつけあえる関係性に戻りたいってはっきり言える。
「俺は、れみとまた会いたい。一緒に過ごしたい。会い続けたい。れみはどうだ?」
「私は・・・・・・・・・」
迷っているのか、視線の動きが忙しない。不安になるけど、期待してしまう。
「私も、そうです。だって、兄さんですから。私にとって兄さんは兄さんです」
「そうか、そうか・・・・・・・・・」
安心をこえて、泣きそうになってしまう。
「けど、今後は難しいかもしれません」
「どうしてだ?」
「兄さんと会うのを禁止されました」
「禁止!?」
「はい」
誰に、とは聞かない。すぐに義父の顔が浮かんだ。会ったときの会話から、仕方ないだろう。けど、まさかそんなことになっているのか。
「ちょ、お前いいのか!? ここに来ていて!」
焦ってしまう俺と対照的に、れみは落ち着き払っている。
「正直、いいことではないでしょう。両親に反対されてることを無視して続けていれば、お父さんはより頑なになって禁止するでしょう。場合によっては実力行使もありえます」
「だったら――」
「そうです。兄さんと話がしたいのです。私たちの今後について」
れみも、俺と会い続けたいと真剣に考えているのにほっとして、すぐに座りなおす。
「お父さんが禁止しているのは、兄さんの経緯があったからです。けど、個人同士の感情を無視しています。横暴です。会社だったらぱわはらです。もらはらです」
「いや、それはどうだろうか。一方的な決めつけはよくな――」
「とにかく。お父さんに私たちの関係を認めさせる。それを前提として動きたいです。私たちのためにも」
ふるふるふる、と小さく震える手が、こちらに伸ばされてそして重ねられた。自然と反対側にして、掌を重ねる。まだあどけない子供のころと比べて大人になった手の感触は、じ~んとする感動を与える。これは、れみなりのコミュニケーションなんだろうか。それともれみも不安ゆえにだろうか。理由はなんにしても、いやじゃない。懐かしさすらある。
「私が兄さんを矯正するために行っていると説明してもわかってくれません。逆に強く禁止されました」
「そりゃあそうだろ・・・・・・具体的に、どうするんだ?」
「はい。まずはまりあに見せたように、私たちが愛し合っている恋人である姿を見せます」
「なんで!?」
予想の斜め上過ぎてツッコミが出てしまう。
「私たちが男女としてお互いを必要している間柄だとアピールすれば、新たな関係を築いているとお父さんを納得させられます」
「無理だよ! いろいろ跳び越えすぎだ! 逆に猛烈に反対されること火の如しだよ!」
「じゃあ兄さんが私に嫁にくださいとお父さんにお願いしにくるのはどうでしょうか」
「じゃあじゃねぇ! お父さんぶち切れるよ! 悪化する絶対!」
「ふむ。では兄さんの同級生と私の友達に協力してもらうのはどうでしょうか」
「・・・・・・・・・というと?」
「将を射んと欲すればまず馬から。なので外野を味方につけます。それから兄さんのお父様にも、場合によっては」
う~ん、それは現実的かもしれないけどどうだろうか。それに、親父もとなると。
「私だけじゃなく、兄さんもアイディアを出してください」
「う~ん、そうだなぁ」
「しっかりしてください。せっかくあれだけ盛大にこ、こ、告白してくれたのに」
「・・・・・・・・・ん? 告白?」
「公園でしてくれましたよね?」
ん? あのときれみに言ったこと? あれもある意味告白だけど、俺とれみのニュアンス、受け取り方が微妙に違ってる気がする。なんか指絡ませてきてる? これって恋人繋ぎじゃ?
「そんなことよりも。今はお父さんのことをどうするかです」
「あ、じゃあ俺の生活に矯正が必要だってあの人にも知ってもらうってのはどうかな」
「・・・・・・・・・・・・それはつまり自分がだらしのない人間で今後も私に矯正してもらいたいという情けない人間であると話に行くと?」
「・・・・・・・・・・だよね~」
ジロリと一睨みされて、すごすごと撤回せざるを得ない。
「そんな発想が出てくること自体、まだ兄さんは芯から真人間になってはいないんですね。残念です。まだ矯正しなければいけません。ふふ」
「なんで喜んでんだ。それを言うなられみだって。親に嘘をついてる悪い子じゃないか」
「違います。これは社会勉強です。父にも伝えています。大学生の一人暮らししている場所に行って将来参考にするという名目で出ています」
「余計タチ悪いわぁ! しかも完全に嘘って言い切れないところがあくどい!」
「ちなみにまりあにも口裏合わせしてもらっています。条件は兄さんを一発殴ることです」
「さらにあくどくなってんじゃねぇか! なに勝手に承諾してんだぁ! それとお前嘘つくような子じゃなかっただろ! 最近ちょくちょくやってるけど! だめだろ!」
「人は成長する生き物です。昔の小さい子供じゃないんです」
「だめな成長だろそれえ! 俺がお前を矯正したいわぁ!」
「・・・・・・・・・変態」
「なんでだぁ! お前が俺を矯正するのと同じニュアンスだから!」
そうやって。俺たちは突拍子もない発言をして。ツッコミあって笑いあって怒りあって。けど結局結論は出ない。俺たちの関係性にも未だ名前はない。それでも、こんな時間すらもっとほしくて。ずっとこんな時間を過ごしたくて。そしてれみと一緒なら解決できる、どんな関係性になってもふさわしいって。そんな自信がある。
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※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
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作品みました(^^)続き気になったのでお気に入り登録しました。表現とかとても参考になります♪♪また見てみますね(^^)@
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