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二章
Ⅰ
しおりを挟む時計のアラームが鳴り響く。はるか以前に起きているから目は覚めきっている。冷房で冷えきっているというのに冷や汗がとまらない。習慣となった最終チェックを素早くおこなう。まだ来るまで、五分は余裕がある。チャイムが鳴ってやりとりをやって、この部屋に入るまでまだ――――。
ガラガラガラ。
「お邪魔します」
「なんで!?」
必死の努力をあざ笑うかのように、れみが音もなく現われた。玄関には鍵がかかっていたはずなのに。
「大家さんには挨拶済みです。そのとき合鍵をいただきました」
「なんで!?」
「きょうだいだと説明したら、快く」
「危機管理意識の欠如! 本人への確認!」
「兄さんはいつも私が来ると知っているのにばたついているので。このほうが時間を無駄にしないです。それに、このほうが抜き打ちでチェックしやすいので」
いつの間にか根回しは終了していたようだ。がっくりと肩を落とす。
「なんですか? 私が来るのが嫌なんですか?」
「嫌じゃねぇよ。お前が来てくれて会えて嬉しいし」
「私は嫌です」
「じゃあなんで!?」
地味にショックを受ける。れみは少し恥ずかしがって、
「兄さんがだらしなさ過ぎるからです。私が来なくてもいいように、さっさと矯正されてください」
れみがアパートに来るようになって一週間。日々が激変した。俺の生活態度を改めると宣言し、毎日訪ねてくるようになってしまった。朝とか夕方とか時間はバラバラだけど、事前に連絡をして、必ず予定きっちりにやってくるところは最早言葉も出ない。
それほどまでにしっかりしているれみは、元義理であった俺が自堕落な生活をしているとおもいこんでいるために許せないんだろう。正直、きつい。れみの矯正、もとい指導は徹底していて厳しい。少しでも手抜きをしたりいたらない部分があると責めてくる。
けど、今日は大丈夫なはず。
「それではチェックに入らせていただきます」
れみは悠然と室内をくまなく歩き回り、注視。ベッドの下、天井、テレビ台の裏。とにかくすべてを見ていく。ツツ――、と指を這わせて埃がないか入念に調べているけど、今日の朝掃除したばかりだから文句はないはず。れみはメモを取り出してなにか書き込んで、洗濯物を干している場所に移動。風呂場、トイレ、洗面台とあらゆる場所を見ていく。
「なるほど。わかりました。以前よりましになってはいますね」
今日は概ね高評価らしいことに安心する。
「けど、まだ甘いです」
「え?」
れみはメモを取り出して、読みあげていく。
「まず、掃除ですけど掃除機をかけてそれで満足しているのではないですか? それか小型のモップだけとか。それでは落ちない汚れが残っていました。カーペットも洗っていないでしょう。ダニの繁殖理由になります」
「いや、時間がないとどうしても」
「それと、食器も洗って片付けられたもの。油がちゃんと取れていないから微妙にヌルヌルしていました。洗濯機の中も掃除していませんよね? お風呂場も匂いが残っていたから排水管を放置しているのでは? 炊飯器や電子レンジもちゃんと手入れされていませんでした。食材を扱う物なのですから、ちゃんと奇麗にしないと健康と命に関わります。洗面台も鏡だって水回りが汚かったです。飛び散った水を放置していたんでしょう」
「・・・・・・・・・」
「洗濯物も干し方が雑です。あれでは乾き方にばらつきが出て生乾きの匂いが付着します。それと、冷房の温度は何度ですか? 風邪ひくことになりますよ? 定期的に窓を開けて換気をしないと。扇風機だってあるのですから」
「あと玄関も掃き掃除していないでしょう。玄関とは誰もが部屋に入るとき必ず最初に目にする場所です。そこが汚れていてはいい印象抱かれません。玄関の汚れは心の乱れです」
もうフルボッコ。精神的にグロッキーな俺は白旗をあげて降参するしかない。
「兄さん、本当に私の話聞いていますか?」
「うん」
「は?」
「あ、いや・・・・・・・・・はい」
「じゃあどうして守れないのですか?」
「その・・・・・・・・・バイトとか研究とか手伝いとかあるからどうしても難しくて」
「言い訳は聞きたくありません」
じゃあどうして聞いたの? なんて口が裂けても言えない。女の子がこういう状態のとき、下手に反論するとろくなことにならないのは経験ずみだから。
「まぁ以前よりましになっているので。気をつけてください」
「はい」
「じゃあこれからしますよ」
れみは鞄から道具を取り出し、準備に入る。お手製なのだろうか、見慣れたエプロンとはたき、ゴム手袋。そしていくつかの容器と道具。ざっと二人分。それを俺も装備して、二人で掃除をしていく。
「カーペットはこのブラシを使うと髪の毛や小さいゴミがとれやすいです。手袋は水回りの掃除に」
実践してみせて、次に二人でやっていく。洗濯物はハンガーを利用して移動。日照時間とか日の傾きとかを計算しているのか移動させたり組み合わせたり。外の手すりは雑巾と歯ブラシを使ったあと、布団を干す。叩くのではなく撫で落とすように。そうじゃないと汚れが落ちにくく布団がだめになりやすいらしい。
れみが玄関を箒で掃いている間に、キッチンスペースを。ガスコンロ周りを言いつけどおりクレンザーをつけたアルミ箔で優しく拭いていく。正直、毎日続けるのは大変だし、体力的にも精神的にもきつい。けど、けっこうためになることをれみは教えてくれるし、それに二人でこうして一緒にいられるのもなんだかんだで嬉しい。
「兄さん、コンロのスイッチやつまみも汚れていますよ」「そこはこのプラスチックカードを使ったほうがとりやすいです」「洗剤の量が多すぎます。無駄づかいしないでくださいもったいない」「なにやっているんですか、そうじゃないって」「違うと言いましたよね? なんで一度言われたことができないのですか?」「本当に年上ですか?」
「年下の私にここまで言われて、情けなくならないのですか?」「兄さんは頭悪いんですか? 普通中学生でもいいかげん覚えますよ? それでよく大学に入れましたね」
一挙一動監視しているんじゃないかってくらいの頻度でされる注意は、元義兄としての尊厳が傷つけられるので控えてもられば助かるけど。
昼頃には終わって、少し一息つけた。腹が減っていたので、昼食はどうするか聞いてみた。
「じゃあ私が作ります」
「え!?」
「冷蔵庫の中に食材ありますし、私の分の代金は後で払いますので。いい機会です。兄さんにもちゃんと料理してもらえることに繋がるので手伝ってください」
「料理ってお前が?」
「・・・・・・・・・なにか文句でも?」
「だって、れみ料理苦手だったし」
目玉焼きを作ろうとして黒炭を誕生させたり。卵焼きを作ろうとして黒焦げを産み出したり。サラダは辛うじてできていたけど、それも包丁を使わないでやっていたじゃないか。
「いつの話をしているのですか。よろしいです。そこまで言うのなら私の成長をじっくりと隣で見ていてください」
キッチンに移動して、テキパキと材料を並べていく。手際は慣れたもので、家でもよくやっているってことがわかる。けど、包丁を持ったとき、やっぱり不安に。昔は包丁でよく指を切って泣いていたからハラハラしてしまう。
「大丈夫か? 切らないか? くまさんの手だぞ? 覚えてるか?」
「私のこと子供扱いするのいいかげんやめてもらえます?」
隣を陣取って、様子を窺う。けど、れみは慣れた手つきであっという間に具材をトントントントン、と軽快に切っていく。切られた具材は均一な大きさになっていて奇麗だった。それだけじゃなくて千切り、野菜の皮むきだってちゃんとできている。
「すごいじゃないかれみ」
「・・・・・・・・・」
それからボールに具材を入れて塩胡椒、ごま油、ニンニク生姜をすりおろして醤油で味付けしていく。パスタを茹でながら、同時に小鍋でソース作りを。熱気のせいか、汗が顔と首に浮び上がっている。髪の毛を縛っていることも相まってか、れみだとわかっているのに少しドキッとしてしまって離れようとした。
「どこにいくのですか」
「いや、俺手伝えることなさそうだし」
「じゃあスープでも作っていてください。指示はこちらで出します」
「おう、おう」
「・・・・・・・・・なにをしているんですか」
「え? 言われたとおり手伝おうと」
「もう少し近づいてください。肩が当たるくらい」
「え? それじゃあ危ないんじゃないかさすがに」
「造作もありません。だったらこちらの迷惑をかけない必要最低限な動きを心がけてください。それくらい今の私にはハンデにもなりません。それに、包丁を使うことはもうありませんし」
「ハンデって・・・・・・・・・」
勝負かなにか? 無言の早くしろアピールにせっつかれて仕方なく言われたとおりに。やっぱり落ち着かない。れみの邪魔をしないか不安だ。しばらくそうしていて、まったくの杞憂だってことがわかった。足を引っ張るまではいかないけど、れみの手つきは澱むことがなかった。それだけじゃない。れみは料理が得意で好きなんだって伝わってくる。横顔をちらっと見ると微笑んでいるし。鼻歌まで歌っているからご機嫌らしい。
「あ、兄さん。それじゃあ底が焦げてしまいます。もっと木べらで底からかき混ぜてください」
「え、こうか?」
「違います。そうじゃありません。もう、兄さんは」
昔とは、立場が逆転したな。なんとなく苦笑いをしてしまう。
「なにを笑っているんですか。わかっていますか? もっとこう・・・・・・・・・あ」
なんか良い案浮かんだってかんじのれみは、火を弱めると俺の後ろに回って、そのまま抱きついてくる。
「!?」
そして、胸の感触がわかる絶妙な力と距離を保って俺の両手を掴んでくる。
「れ、れみ?」
「に、兄さんは言ってもわからないようなので、こうして直に教えます」
ありがたいけど、ありがたいけど・・・・・・・・・! これやばい・・・・・・! れみの細く柔らかい手の感触が、背中に当たっている胸の感触、そして僅かにかんじる熱を帯びた吐息。やばい。ドキドキして料理どころじゃない。こいつは妹、大事なかわいい妹。理性をつなぎ止めようと必死に言い聞かせる。
れみは妹。元妹。というか義妹。義理だから血の繋がりはない。というか元だから今は赤の他人。つまり――――
「つまりじゃねぇぇ!」
「兄さん!?」
「あ、ちょっと洗い物やっておくなうん!」
大声を出した俺に驚いたれみは、手を離した。距離もできたからこれ幸いにと移動する。動揺しすぎていたのと、慌てていたためか。自分の動きと言ったことがリンクしてくれない。
「まだスープが」
「あ痛!?」
ボールを掴もうとした拍子に、包丁の先端がぐっさりと指の腹に刺さってしまった。痛みはないけど、ぱっくりと切れた断面から血がゆっくり滴ってくる。
「兄さん、なにしているんですか!」
素早くコンロの火をすべて消すと、れみは俺の指を自らの口に入れた。
「!!!???」
突然のことに、声にならない悲鳴をあげる。れみは気づいていない様子でそのまま指の傷口をちゅうちゅう吸って舌先でチロチロと舐めていく。ざらざらとした感触がなんともいえなくて、唾液のぬめぬめとしたかんじとぞくぞくとした快感と心地よさがあって。そして微妙に痛くて。
爆発しそうだった。
「救急箱ありますか?」
「な、ないけど絆創膏ならある」
出血が弱まってから、れみは適切な処置をしてくれた。本当は自分でできたことだけど、まだドキドキとさっきまでのことから立ち直れておらず、なすがままにされるしかなかった。
「昔、兄さんがこうやって指をくわえて血をとめてくれましたね」
「そ、そうだったっけかな」
「・・・・・・・・・兄さんが忘れていても、私は覚えていますよ。全部」
そこで、落ち着きを取り戻せた。俺も忘れていない。ちょっとした料理のとき。遊んでいるとき。れみはなんだか怪我をする頻度が多かった。それで、そのたびに指をくわえたり傷口を舐めたりして、余計泣いちゃったっけ。泣き止ませるのが大変で。それから消毒液とか絆創膏とか使うとまた痛くて泣きだして。
懐かしさを噛み締めているのか。俺の人差し指を包むように持ちながら口元が緩んでふにゃっとした笑顔に。俺もつられて笑いそうになる。
「それで、義母さんが毎回私たちを怒っていましたよね。絆創膏を巻いてくれているとき。どうして親に無断でそんな危ないことをやったって」
「・・・・・・・ああ、そんなこともあったな」
「それで、兄さんは反論して義母さんと口論になって。私が泣いちゃって二人とも慌てちゃって」
「ははは。それで、料理のほうはもう大丈夫か? 俺もこのくらいならまた一緒にできるけど」
「そうですね。あとはじゃあ続きを」
そうして、また二人で調理に戻る。さっきのことがあったから、れみは注意深く観察する。盛り付けの段階でも。それこそ過保護とか大げさってくらいに。それが、無性に嬉しかった。
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