4 / 24
一章
Ⅲ
しおりを挟む冷房のきいた研究室は機材と道具、資料が積み重なっているせいで圧迫感がある。加えて先輩方は卒業研究の経過報告会を近々行うから整理整頓がされておらず、しっちゃかめっちゃかだ。ブラインドはただでさえ狭く窮屈な研究室を改善させるためか開ききっていて暑い日差しをこれでもか、とばかりに差し込ませている。
午前中でだいぶ奇麗になったというのは健の話だが、信頼性は薄い。きっと準備そっちのけで先輩たちのデータ整理を手伝わされていたのか、駄弁っていたのか。あいつがやらかしやがったことも相乗効果となって殺意がぱない。
それでも、先輩たちに特に口答えすることもなく、黙々と掃除を行う。下級生に人権はないのだ。(大学内)
理由を説明もする余裕もなく、健にあの二人を任せて逃げて早一時間。あいつはきっとうきうき気分で案内しているに違いない。れみに下心を抱いて接するのは許せないが、今は緊急事態。先輩たちに健と交代になったと嘘をついてここへ逃げてきた。少しでも時間と距離を稼いでどうするか対策を考える。幸いこの研究室をれみたちが訪れるのは最後の最後。それまでに掃除を終わらせてどこかに逃げるか隠れる。それしかない。
「はぁ・・・・・・・」
だめだな、俺は。あのときから成長していない。れみと最後に会った七年前から。あいつと真正面からまともに向き合って話す勇気すらなくて、逃げる算段を考えているなんて。
「瞬く~ん、どうしたの~? 手が止まってるわよ~?」
この研究室唯一の女性、小田和先輩がのほほんとしたテンションと話し方で窘める。本人は怒っているつもりかもしれないけど、いかんせんおっとりとした雰囲気と優しげな印象が拭えず、苦笑しか出てこない。
「なんか・・・・・・俺ダメダメだな~って」
「あらどうして? いっつも頑張っているじゃない。今日だって高校生たちをちゃんと案内してたんでしょ?」
顔は俺に向けて会話をこなしつつ、両手の指はきっちりキーボードを叩き続けている。それも間髪なく。きっと複雑な文章・計算式・エトセトラが挿入され続けているはず。文字通り片手間なんだろう。俺か作業かどちらか。作業のほうであってほしいが。
「まぁまさにその案内でちょっとやらかしちゃいまして」
「あら。もしかして失敗でもしたの?」
「ええ。まぁ」
ある意味オープンキャンパスなんかどうでもいい個人的失敗なんだけど、事情を話すのは気が引けるからそうやってごまかした。
キーボードを叩く音がとまっている。先輩はカップを持ってこちらに歩いてきてるので、コーヒーのおかわりがほしいのかもしれない。さっと横にすれようとしたけど、予想外にも先輩は俺にまっすぐ向かってきた。そのせいで少しぶつかってしまう。
「誰でも失敗なんてあるもんだよ~? 大切なのは次にどう活かすか~。同じ失敗をしないでよりよい成果に結びつければいいの~」
流石は学内一姉になってほしい人ランキング四年連続一位の先輩。背伸びをしながらだけど、慰めるために頭を撫でてくれる懸命さとかわいさは一言では表せられない。それだけじゃなくて、胸を中心にじ~んと温かさと癒やしが広がっていく。もし姉がいたらこうやってほしいっていう男心を的確に突いてくる。鋼の精神を持つ俺じゃなかったら恋に落ちていた。
「姉になってください」
「え?」
「間違えました。ありがとうございます。少し楽になりました」
「うん?」
あぶない。けど助かった。そして冷静になれた。正直、まだ迷ってはいるけど時間はある。れみと向き合う覚悟もまだない。ひとまず掃除をさっさと終わらせてどうするか――
ガチャ、バタン!
「すいま~ん。長井屋で~す。女子高生二人お届けにあがりやした~!」
あんのやろぉぉぉぉぉぉ!! ふざけんな健のやろおおお! なに最悪すぎるタイミングで入ってきやがってんだ! なんだよ長井屋って! 某国民的アニメの酒屋気取りか! 殺すぞ!
「あれ? 長井君どうしたの? ここはまだ後なんじゃ?」
「そうなんすけど、れみちゃんがどうしても俺と瞬がいる研究室を先に見たいって。あ、れみちゃんまりあちゃんあの人は先輩の小田先輩」
しかもなに人の子下の名前で呼んでんだ。馴れ馴れしいにもほどがあるわ。百回殺すぞ。
「もう、しょうがないわねぇ。ちゃんと決められたルール通りにやらないと皆に迷惑かかるときだってあるのよ? めっ」
「でへへ」
まるで小さい子を叱る優しい理想の姉そのものだけど、生ぬるいです。めっ。じゃ駄目です。滅!!!! くらいやっちゃってください。
「あれ? パイセンじゃないっスか」
「や、やぁこんにちわ。早かったね」
反射的に、ぎこちない愛想笑いを浮かべられたのがせめてもの僥倖か。
「なんでこっちむかないんスか?」
「突発的に寝違えてしまってさ」
だめだ。れみを直視できない。覚悟が定まっていない。
「・・・・・・・・・私たちを放り出して年上と・・・・・・・・・それも巨乳とあんな接近して・・・・・・・・・」
ああ、だめだ。やっぱりれみ怒ってる。俺のこと確実に覚えてる。小声すぎるし早口だけど呪詛みたいにぶつぶつ呟いてるし。
「え~っと。こんにちわ。予定と変わったけど、うん。それも面白いよね。私はここの研究室に所属してる小田っていいます」
現在、この研究室の人間はタイミングが悪く小田先輩以外席を外している。ここでの説明は小田先輩一人に任せるしかない。だって最後の最後の予定だったし、俺も動揺しすぎてなにすればわからないし。
「ここでどんな研究をしているかっていうとね?」
けどさすがは小田先輩。持ち前の能力の高さと姉力を駆使している。事前に簡単に用意していたプロジェクターとパワーポイントを素早く起動して説明していく。まりあちゃんはほぇ~、すげぇ~、と感嘆しているし、俺も惚れ惚れとしてしまう。
れみは・・・・・・・・・うん・・・・・・・・・・。めっさ見てる。俺を。凝視してる。片方の目で。それも敵意しか込められていない視線で少しの瞬きもしてない。それ小田先輩にばれないかって心配したけど、微妙な体の位置でごまかせているのか?
「やっぱり先輩の白衣ってたまらねぇよなぁ。踏んであの指し棒で叩いてほしいぜ」
喋るな殺すぞ。
「じゃあ次はちょっとパソコン使ってみようか。瞬君、長井君準備してもらえる?」
実際に体験してもらえれば興味を持ってもらえるし、面白いだろう。事前に打ち合わせしておいたとおりの流れなので、滞りなく準備に移れた。その間もれみに穴が空くほど凝視しつづけられてたから生きた心地がしなかったけど。
「下の名前呼び・・・・・・・・・特別な間柄・・・・・・・・・」
「あらあら随分熱心にメモしてくれてるのね。偉いわぁ。感心感心」
「あの、小田先輩ですよね? あのランドルフさんとはどういうご関係なんですか」
「らんどる・・・・・・・? え、なに?」
困惑しながら俺とれみを交互にゆっくり見る先輩。事情をせつめいするべきか。どうするか。
「ええ。あの人出会い頭に私のことナンパしてきたんです」
「まぁ」
ガン!!
「おい瞬大丈夫か!?」
「心配ねぇよ。ちょっとパソコンに頭打ちつけちまっただけだ」
額は割れたように痛いけど、それどころじゃねぇ。一刻も早くとめないと。
「じゃあ次はあの試験機二人で運ぼうぜ」
うるせぇそれどころじゃねぇ。今はれみをとめないと。俺の名誉と今後の先輩との間柄にに関わるんだよ。
「その話し、詳しく聞かせてもらっていいかしら?」
「ちょ、先輩!?」
「わが研究室、ひいては大学の名誉に関わることだし。 先輩として聞いておかないといけないわ」
「おーい、瞬?」
「でも、それには理由がありましてね!?」
「わかりました。それでは――」
「なぁ瞬、早くしようぜぇ」
「初対面で私の名前を呼び捨てで呼んで、かわいいなんて褒めてきて。それで、案内しているときも餓えたけだものみたいな性欲に満ち満ちた嫌らしい視線で私の全身を舐め回すようにしきりに見てきました」
「ぬああああああああああああああああああ!!」
「あらあら」
「お~い、誰か~」
「あの、私お手伝いしたほうがいいっスか?」
「その後も食事中私の一挙一動足を舌で転がすような気色の悪い笑みを浮かべながら視姦していました。ケーキを奢ろうとしてきて、そのままケーキを食べたあと私も美味しくいただこうとしてきたのです」
「誤解だああああああああああ!!!」
「ランドルフ・田中なんて偽名を使ったのも、関係を持って散々弄んだあと連絡をとれなくして私を使い捨てにするつもりだったのでしょう」
「違うんだあああああああああああああ!!」
「これ重いっスね?」
「だいぶ古いタイプだからねぇ」
かつてこの研究室がこんなに混沌としていたことがあっただろうか。いや、ない。
「もう、瞬君。いくらかわいいからってそんなことしちゃだめでしょ?」
いくらか落ち着きを取り戻したあと、先輩に事実関係を求められた。九割九分捏造だけど、事情を話せない俺は黙秘を貫くしかなかった。もう、と眉を八の字にして小田先輩は怒ってくるけど、いかんせん垂れ目でかわいい顔立ちだからまったく迫力がない。それでも今の俺には大ダメージで、説明する気力すらわいてこない。
「ごめんなさいね? うちの後輩君が。悪い子じゃないのよ? きっと緊張してしまったがゆえの乱心だとおもうの」
先輩に頭を押されて、そのまま深く下げる。なんだか小学校の同級生と喧嘩したときをおもいだして、泣きそうになった。
「いえ、問題ありません。年下の女の子に興味があったのでしょう。このランドルフさんは。ええ、年下の女の子に」
随分棘をかんじるけど、そんなに俺が許せないのか・・・・・・・・・。
「じゃあ気を取り直して、説明を続けるわね?」
「小田先輩、この電気炉どうすればいいんですかー?」
「あ、じゃあ瞬君パソコンのやりかた教えてくれる? ちゃんとね?」
「・・・・・・・・・うっす」
健に呼ばれた先輩に反抗する気もなく、れみとまりあちゃんの真ん中に当たる席に座って簡単に説明していく。図、資料、表のみならず研究の根幹に関わる計算式も。すらすらできている自信はあるけど、落ち着かない。隣にいるれみはどんな形相をしているのか。どんな感情を抱いているのか。ついさっきの件から言えることはただ一つ、決して良いものじゃないだろう。
「いやぁ、でも研究室ってどこもこんなかんじなんスか?」
「今は発表前だからちょっと散らかってるけど、それでも掃除したんだぜ?」
説明の合間に、適度に質問してきてくれるまりあちゃんがありがたい。
「・・・・・・・・・これで掃除ですか」
呟きに嫌な予感がして、おそるおそるギギギ、とれみのほうへ。指を机やパソコンにツツ―ッと這わせて指に付着した埃をこれみよがしに晒してくる。
「掃除をしていたのはランドルフさんなんですよね? 精密な機械やデータがある場所でこれほど汚くなっているなんて掃除の才能がないのでは?」
「ちょ、れみ?」
「それに、先程の説明ですがなぜ十年以上前の文献を引用しているのですか? 比較するならできるだけ最新のものじゃなければ意味がないのでは? ランドルフさんが今回の資料作成を主にしていたと聞きましたが」
「さすがにいいすぎじゃない?」
「それに、グラフも棒だけじゃくて円グラフなど使ったほうがわかりやすいですし、印刷したとき表記揺れやズレがおこりますよ? それから先程の計算式も間違っていました」
「・・・・・・・・・・・・」
泣いていいかな?
「あ、あははははは。その、ランドルフパイセンって実験やってるって聞いたんスけど、どんな実験っスか?」
引き攣った笑みが、気遣ってくれているってのをありありと示してくれるけど、もうランドルフ呼びはやめてお願いします。
「実験は、そうだな。コンクリートにどれだけ凝った意匠を施せるかってやつで」
「着色剤を入れること提案したら教授に褒められたんスよね? 長井先輩が言ってたっス」
「けど、そのせいで基準の強度が下がってひび割れが多くなるから、今は比率の見直しをしているんだよ。モルタルもセメントペーストも使えないし。養生してできあがるまでやり直しできないし」
「それって粗粒率も関係してます?」
自然とれみを意識しないで話しているうちに、楽しくなってきた。というか、この子けっこう詳しいな。学内の年下の女の子とこんな話ができるなんて面白い。それだけ、まりあちゃんも本気で将来の道について考えているって証拠なんだなぁ。こんな子がうちの大学にはいってくれたら。あわよくば後輩になったら毎日――
ガツン!!!
「っっっっっぅっっっ!!」
臑に、尋常じゃなく鋭くて重い衝撃。貫通したんじゃないかって痛みがじんわりと大きく広がっていく。突然のことすぎて、足を押さえて呻くしかできない。
「あの、パイセン? どうしたんスか?」
「鼻の穴広げて鼻の下伸ばしているからどこかにぶつけたんじゃないですか? ランドルフ? せんぱい?」
あ、絶対こいつだ。わかってはいても抗議できず非難もできない。れみのごみを見るような冷たい視線を受けつつ、全部俺のせいなんだって言い聞かせるしかなかった。
10
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?
みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。
普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。
「そうだ、弱味を聞き出そう」
弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。
「あたしの好きな人は、マーくん……」
幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。
よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる