ダンジョン魔改造!このチートスキルでガトリング美少女とともにダンジョン配信し、人生ハードモードを抜け出せ!

逢巳花堂

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第59話 ラスボス戦②

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 俺達は地下道に入り、まっすぐ新宿駅へ向かって走っていく。

 途中、コボルトやドワーフといったモンスターが行く手を遮ってきたが、全部叩きのめしていった。

 とにかく急がないといけない。時間をかければ、かけた分、犠牲者はどんどん増えていってしまう。

「新宿駅も、それだけでダンジョンになるくらい広いから、イワナガヒメがいるかどうか、見つけるだけでもひと苦労ね」

 ナーシャは懸念を口にしたけど、その心配は杞憂に終わった。

 新宿駅西口地下広場。

 「新宿の目」という、目の形をした大きなアクリル製オブジェがある、その前に、イワナガヒメはいた。

 彼女は繭のようなものに包まれており、意識を失っているのか、目を閉じてピクリとも動かない。

 繭のようなものからは触手が何本も伸びていて、ドクンドクンと脈打っている。繭の中から、エネルギーを送り出しているようだ。

「よーし、派手にいくわよ!」

 ナーシャがガトリングガンを構えて、繭に狙いを定めたところで、俺は慌てて攻撃を中断させた。

「ちょっと待った! 撃たないで!」
「なんでよ! あいつを倒せばいいんでしょ!」
「イワナガヒメが普通には倒せないことは、さっき戦ってわかってるだろ。それに、あっちもゲンノウに恨みがあるはずだ。上手く立ち回れば、もしかしたら」
「まさか、味方に付けられるとか、甘いこと考えてるんじゃないでしょうね。人間に恨みを持っているあいつが、私達に協力するわけないでしょ」
「わかった。言い争いしている暇はない。だけど、まずは繭そのものじゃなくて、触手を切ったほうがいいと思う。エネルギーの流れを断つんだ」
「オッケー、任せてよ!」

 あらためてガトリングガンを持ち直したナーシャは、すぐに銃撃を開始した。

 ブチブチブチ! と触手が次々と断ちきられてゆく。

 思ったより、簡単に攻略できるか、と思ったのも束の間、すぐにまた繭から触手が伸びて、天井や床に張りついた。何度繰り返しても、同じことになる。

「やっぱり、繭本体を叩かないとダメじゃない!」
「そうしましょう。この分だと、触手は無限に生えてくると思います」
「いいねいいね、そのほうがあたしにはわかりやすいよ」
「じゃあ、ボクらで一斉射撃だね♪」

 とうとう、四人の女子による繭本体への攻撃が始まった。銃弾が撃ち込まれ、爆発が起き、さらにはシュリさんがシールドを繭の周りに張ることで、触手をまとめて切断した。ボトン、と床に落ちた繭に対して、さらに一斉攻撃が加えられる。

 だけど、繭はビクともしない。

 とうとう、ナーシャのガトリングガンが弾切れを起こした。

 チハヤさんもマインスロアーの弾を使い切ったようだ。

 二人が攻撃できなくなったところで、レミさんはスナイパーライフルによる射撃を中断した。

「んだよ、全然効かねーじゃんか!」

 もしかしたら、ダンジョンの構造物と同じなのかも、と思い、俺は試しに繭へと妖刀バイスを突き立ててみた。全然刺さらないが、触れてさえいればいい。「ダンジョンクリエイト」を発動させようと試みたが、しかし、繭に変化はない。

「無駄だよ。繭はダンジョンの構造物ではなく、生体だ。『ダンジョンクリエイト』でどうにかなるものではない」

 どこからか、ゲンノウの声が聞こえてきた。

「ゲンノウ! 出てこい! アクーパーラを今すぐ止めるんだ!」
「お前は、母さんに会いたくないのか」
「会えるなら会いたいよ! だけど、こんな風に大勢を犠牲にしてまで、会いたくない!」

 受け答えしながら、周りを見回す。ゲンノウはどこから喋っている? どこにいる?

「では、やはりお前も、エネルギー源となってもらうしかないな」

 その時、やっと見つけた。

 「新宿の目」だ。

 本来なら壁にはまっている、アクリル製のオブジェでしかない、その目は、まるで人間の目のようにパチパチとまばたきしている。

 ダンジョンと一体化したゲンノウは、あんなところにいるのだ。

「ってことは、少なくとも、ゲンノウは倒すことが出来る、ってわけだな」

 ダンジョンそのもの――今はアクーパーラ――の一部に、ゲンノウがなっている、ということは、「ダンジョンクリエイト」も通用するということだ。

 そのことに、みんなも気が付いたようだ。

「チャンスね。きっと、このアクーパーラを動かしているのは、ゲンノウの意思よ」
「つまり、ゲンノウを倒すことでも、アクーパーラの侵攻を止められる、ということですね」
「なるほど、なるほど、心臓をぶっ叩けないなら、脳味噌をぶっ潰せ、ってことか」
「これで本当に、ラストバトルだね♪」

 とは言え、ナーシャとチハヤさんは弾切れを起こしている。肉弾戦しか出来ない状況だ。シュリさんのナイフや、レミさんのスナイパーライフルでは、ゲンノウにダメージを与えるのは難しいだろう。

 ここは、何としてでも、俺がゲンノウを直接叩くしかない。そして「ダンジョンクリエイト」を発動させ、とどめを刺すんだ。

「援護は任せな! あたしがバリアを作ってやるよ!」

 頼もしいシュリさんの言葉を受け、俺は走り出した。

 さあ、行くぜ、親父。あんたの馬鹿げた望みを、打ち砕いてやる!
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