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第五話
しおりを挟む弾けるように身体をくねらせて、でも腰を引き寄せられて最後とばかりにドンっ、ドンっと奥を突かれる。ブルブルと震えているフェイの全身が、今彼が快感の只中にいることを知らせてくれる。
ブルっと最後に痙攣するように震えた彼は、長い吐精を終えたようだった。ドクン、ドクン、とフェイの鼓動も跳ねている。
「フェイ……終わった、の?」
「あぁ…メルティ…これで、君は俺のものだ」
吐息交じりに言われた独占欲そのものの言葉に、私は驚いてフェイの首に抱き着いた。その時、膣の中が狭くなりイチモツを締め付けてしまったのか、フェイが小さく呻く。
「はぁぁっ……参った、良すぎる、よ」
「フェイ?」
最後に彼は、眉を合わせて困ったような顔をして、私に降参だよ、と伝えてくれた。
こ、これは!私はフェイをギャフンと言わせたということかしら?私の全身を使って彼に負けを認めさせることができた喜びに、全身が震えるようだ。
「お嬢さま…いや、メルティ。もう、離さないよ」
寝ころんだまま髪を梳いてくれる彼の手は温かい。幸せでぽかぽかしているけれど、でも私たちには大きな問題があることに気がついた。
「でも…フェイ、お父様に知られてしまったら…どうしよう」
叱られるどころでは済まされない。私の純潔をフェイに捧げたことに後悔はないけれど、彼が苦しむことになってしまわないか、それが怖い。
でもフェイは、私の髪を梳きながら笑って話してくれた。
「メルティをいただくために、ドール男爵と約束しました」
「へっ?」
「騎士科を主席で卒業出来たら、婚約者として認めていただけると」
「へっ?」
「男爵位はメルティが受け継ぎ、俺はそれを支えます。だから安心してください」
「へっ?」
これは外堀を埋められているということかしら?いつの間に?そしてなぜ私本人が知らないの?
「いいんですよ、メルティはそのままで」
「へっ?」
ぺろりと舌なめずりをしたフェイの顔は、また私を狙う獣のようだ。まだ体力はありそうだね、と私を見て呟いたフェイの手が私の胸に伸びてくる。暖炉の火はまだ赤々として部屋を暖めているけれど、そんな熱もいらないほどに私はフェイと熱を分かち合うことになる。
彼をギャフンと言わせたかっただけなのに。
おわり
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