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 そう言って、いきなり大きく腰を動かして、楔を引き抜くと、今度は最奥へドチュン、と打ち付けた。「ひっ」という声をあげると、また引き抜いて、すぐに奥へ挿入する。それを繰り返すシキズキから、汗がぽたっと流れていくのが見えた。

「あぁっ、あぁぁ、あっ…あっ…」
「くっ、ううっ、うっ」

 互いに耐えられなくなって、声があがる。これまでにない快感が、流れてくる。今までにない速さで、絶頂が近いことがわかる。それが自分の身体からくるものなのか、果たしてシキズキのものなのかわからないが、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられるような快感が襲ってくる。

 アユフィーラも、シキズキの律動に合わせて腰を動かしている。シキズキの男らしい喉ぼとけが見える。彼は顔を上にあげて、快感に耐えるように目をつむっている。

「ダメだ…もう、もたない。出る、アユっ!」
「アンっ、あぁぁぁぁ―――」

 最後に大きく挿入した肉棒が、ビクン、ビクンと痙攣している。アユフィーラの膣内も、同じ刺激に締め付けながら、絶頂を迎える。ドゴォォっと再び精液を吐き出した肉棒は、長い時間をかけてドクン、ドクンと何度も吐き出している。

 溢れた精液が、アユフィーラの太ももに流れてくる。こんなにも受け入れるのは、初めてだった。

 二人の乱れていた息が、落ち着いてくる。

「アユ、こんなに気持ちいいんだな…すごかった」
「うん、私も…なんか、すぐにイッちゃったね」

 二人で同時に、それもこんなに早い時間で達するのは初めてだった。「はぁぁ~」と息を吐いたシキズキは、でも神妙な顔をしている。

「もうちょっと、アユを味わいたい気もするし。でも、一緒にイケるのはいいんだけど…」
「うん…でも、私のイイところを的確にわかってもらえて、嬉しいよ。やっぱり、なかなか伝えづらいし」

 二人で「感覚共有」の性魔道具の感想を言い合いながらも、シキズキの手はやはりアユフィーラの身体のどこかを触っている。

「コラ。シキズキ。真面目に話している時は、ストップ」

 そう言って、シキズキの手を摘まむ。

「そんな…こんなに柔らかくて、可愛いアユを触らないなんて。無理だ…」

 それに、まだ時間もいっぱいあるし。と、シキズキは2回も精を放ってくたっとしている肉棒を、自分の手で扱き始めた。

「えっと、また?」
「うん、もいっかいしたい」

 ねだるような目で、シキズキがアユフィーラを見つめる。今日は感覚共有をしているので、すでにシキズキの興奮がアユフィーラに伝わっている。

「もう…しかたないわね…」

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