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その後、しばらくシキズキの体調は不安定だった。高熱にうなされることもあった。それは、まるで彼の膨大な魔力を封じている紋が、戦っているかのようだった。
「そういえば、シキズキの魔力は消えたわけではないの?その、精液には、まだ魔力があるよね」
彼の体液には、以前と変わらずに魔力が含まれている。私はそれを取り込むと、魔力が気持ち良く循環することを感じる。だから、彼とセックスすることは、とっても気持ちがイイ。
「あぁ、この紋は、ようするに俺が魔術として魔力を出力することを抑えているだけだ。俺自身の魔力がなくなったわけではない」
「そっか、そうなんだ。そうすると、紋をとれば、また使えるようになるの?」
「理論上はそうだけどな。ただ、次にこいつと取るとなると、俺の身体が持たないだろうな…永久紋だから、かなりの技術と、俺の体力が必要となる。まぁ、そんなことは、したくない」
痛いし、寿命も縮まるし、なによりもアユとまたセックスできなくなる期間ができるのは、嫌だ、と言われた。
「もう、私はふにゃふにゃのおちんちんでも、好きなのに……」
二人で、ベッドに寝転んで、休日を緩やかに過ごす。スレイヤールで、二人で暮らした部屋からは、アユフィーラの物を一式、送ってもらった。その中には、銀色のバレッタも入っていた。
セリアとイザークの夫婦も、すべて順調、というわけではないが、夫婦として歩み始めた。イザークが公爵位を継いだ時に、セリアは公爵夫人となる。その準備を始めるため、彼女は魔術師団を辞めた。
私は、変わらず魔道具の開発に携わっている。シキズキは、騎士としての実力は、ほどほどみたいだ。魔術師であった時のように、突出しているわけではない。騎士団は男所帯のため、容姿もそれほど問われない。あまり目立たないでいられるのは、嬉しいらしい。
「アユ、今日はちょっと…試したいことがある」
そう言ってシキズキが取り出したのは、2本のリボンだった。そのリボンには魔術紋が一面に描かれている。シキズキは今は魔術は使えないが、魔術紋を描くことはできる。自分で発動させることはできないが、魔力を持つ者…アユフィーラであれば、使うことができた。
「えぇぇ…今日は何?」
シキズキが空いている時間に、趣味の如く魔術紋を描いた魔道具をつくっているのは知っているが、その殆どがアユフィーラにしてみれば「ろくでもないもの」であった。
「そういえば、シキズキの魔力は消えたわけではないの?その、精液には、まだ魔力があるよね」
彼の体液には、以前と変わらずに魔力が含まれている。私はそれを取り込むと、魔力が気持ち良く循環することを感じる。だから、彼とセックスすることは、とっても気持ちがイイ。
「あぁ、この紋は、ようするに俺が魔術として魔力を出力することを抑えているだけだ。俺自身の魔力がなくなったわけではない」
「そっか、そうなんだ。そうすると、紋をとれば、また使えるようになるの?」
「理論上はそうだけどな。ただ、次にこいつと取るとなると、俺の身体が持たないだろうな…永久紋だから、かなりの技術と、俺の体力が必要となる。まぁ、そんなことは、したくない」
痛いし、寿命も縮まるし、なによりもアユとまたセックスできなくなる期間ができるのは、嫌だ、と言われた。
「もう、私はふにゃふにゃのおちんちんでも、好きなのに……」
二人で、ベッドに寝転んで、休日を緩やかに過ごす。スレイヤールで、二人で暮らした部屋からは、アユフィーラの物を一式、送ってもらった。その中には、銀色のバレッタも入っていた。
セリアとイザークの夫婦も、すべて順調、というわけではないが、夫婦として歩み始めた。イザークが公爵位を継いだ時に、セリアは公爵夫人となる。その準備を始めるため、彼女は魔術師団を辞めた。
私は、変わらず魔道具の開発に携わっている。シキズキは、騎士としての実力は、ほどほどみたいだ。魔術師であった時のように、突出しているわけではない。騎士団は男所帯のため、容姿もそれほど問われない。あまり目立たないでいられるのは、嬉しいらしい。
「アユ、今日はちょっと…試したいことがある」
そう言ってシキズキが取り出したのは、2本のリボンだった。そのリボンには魔術紋が一面に描かれている。シキズキは今は魔術は使えないが、魔術紋を描くことはできる。自分で発動させることはできないが、魔力を持つ者…アユフィーラであれば、使うことができた。
「えぇぇ…今日は何?」
シキズキが空いている時間に、趣味の如く魔術紋を描いた魔道具をつくっているのは知っているが、その殆どがアユフィーラにしてみれば「ろくでもないもの」であった。
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