71 / 103
2-25
しおりを挟む
なし崩し的に、再び関係が始まってしまった私たちは、先輩が新しく借りたという王宮に近い部屋で、一緒に暮らしている。というか、先輩は私が王宮の部屋に帰ることを、許してくれない。
毎朝、彼のキスで起こされる。
「アユ、ほら…」
チュパッっと私の唇に、キスをする。昨夜も身体中を愛されて、舐められた。まだ挿入していないだけで、それ以外は全部しているような気がする…もちろん、彼の精液も飲んでいる。
「ん、先輩。…何時?」
「朝だよ…」
先輩は、毎朝騎士団の鍛錬に参加していたが、今は私のお世話をしたいから、といって部屋にいる。今日は休日だから、もうちょっとゆっくりしたい。けど。私の顔に銀髪がハラリと当たった。
「先輩、髪伸びたね。あんなに短かったのに、長髪になっていて、再会した時ビックリした」
二人で、裸でベッドに寝転んで。この1年。こうして二人で、落ち着いて何でもない話をすることもなかった。
「まぁ、願掛けかな。アユに、また会えるまでって。会えたら、会ったで、また恋人に戻れるまでって。今は、あと少しでこの魔術紋も消せるから、童貞をアユに貰ってもらうまで、かな…」
「先輩…」
そう呟いた先輩は、寝転がりながら、嬉しそうに話をしてくれる。
「アユも…ずいぶん、背が伸びたな。ほっそりしたし、美人になった。まぁ、以前のアユも、可愛かったから、どっちも好きだけど」
そう言いながら、髪を一房握って、クルクルと遊んでいる。
「可愛いよ…アユ」
髪を口元に持ってきて、キスをする。
「先輩、でも、どうして急に…態度が変わったのですか?お許しが出た、って?」
そうなのだ、いきなりシキズキ先輩が、まぁ、元に戻ったのは嬉しいけれど、その前までの態度はブリザードだったのだ。真冬から一気に春、というか真夏に移動した感じだ。
「あぁ、紋が消えたら、また話すよ」
そう言って、先輩はまた手を私の腰に回し、胸を触り始めた。
「あン…先輩、ダメ」
「ダメじゃない。アユ、もいっかい」
あの時、私はもっときちんと、先輩に理由を聞いておくべきだった。睦言の合間ではなく。ぼやかされた言葉の裏に、大切なことがあったのだ。
でも、その時の私は、彼の与えてくれる快感に、久しぶりの魔力の匂いに、酔っていた。
「先輩、もう一回、だけでいいの?」
ちょっとイジワルに、口を尖らせて、たきつけてみる。
「まさか!アユの充電が足りない。今から、5年分を取り戻す」
そこまで燃えなくてもいいかな!と思った時にはもう遅い。私は、先輩のエロエロ☆スイッチを押してしまったようだ。そのことを後悔するのは、イかされすぎてヘロヘロになった私だった。
毎朝、彼のキスで起こされる。
「アユ、ほら…」
チュパッっと私の唇に、キスをする。昨夜も身体中を愛されて、舐められた。まだ挿入していないだけで、それ以外は全部しているような気がする…もちろん、彼の精液も飲んでいる。
「ん、先輩。…何時?」
「朝だよ…」
先輩は、毎朝騎士団の鍛錬に参加していたが、今は私のお世話をしたいから、といって部屋にいる。今日は休日だから、もうちょっとゆっくりしたい。けど。私の顔に銀髪がハラリと当たった。
「先輩、髪伸びたね。あんなに短かったのに、長髪になっていて、再会した時ビックリした」
二人で、裸でベッドに寝転んで。この1年。こうして二人で、落ち着いて何でもない話をすることもなかった。
「まぁ、願掛けかな。アユに、また会えるまでって。会えたら、会ったで、また恋人に戻れるまでって。今は、あと少しでこの魔術紋も消せるから、童貞をアユに貰ってもらうまで、かな…」
「先輩…」
そう呟いた先輩は、寝転がりながら、嬉しそうに話をしてくれる。
「アユも…ずいぶん、背が伸びたな。ほっそりしたし、美人になった。まぁ、以前のアユも、可愛かったから、どっちも好きだけど」
そう言いながら、髪を一房握って、クルクルと遊んでいる。
「可愛いよ…アユ」
髪を口元に持ってきて、キスをする。
「先輩、でも、どうして急に…態度が変わったのですか?お許しが出た、って?」
そうなのだ、いきなりシキズキ先輩が、まぁ、元に戻ったのは嬉しいけれど、その前までの態度はブリザードだったのだ。真冬から一気に春、というか真夏に移動した感じだ。
「あぁ、紋が消えたら、また話すよ」
そう言って、先輩はまた手を私の腰に回し、胸を触り始めた。
「あン…先輩、ダメ」
「ダメじゃない。アユ、もいっかい」
あの時、私はもっときちんと、先輩に理由を聞いておくべきだった。睦言の合間ではなく。ぼやかされた言葉の裏に、大切なことがあったのだ。
でも、その時の私は、彼の与えてくれる快感に、久しぶりの魔力の匂いに、酔っていた。
「先輩、もう一回、だけでいいの?」
ちょっとイジワルに、口を尖らせて、たきつけてみる。
「まさか!アユの充電が足りない。今から、5年分を取り戻す」
そこまで燃えなくてもいいかな!と思った時にはもう遅い。私は、先輩のエロエロ☆スイッチを押してしまったようだ。そのことを後悔するのは、イかされすぎてヘロヘロになった私だった。
1
お気に入りに追加
615
あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる