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 なし崩し的に、再び関係が始まってしまった私たちは、先輩が新しく借りたという王宮に近い部屋で、一緒に暮らしている。というか、先輩は私が王宮の部屋に帰ることを、許してくれない。

 毎朝、彼のキスで起こされる。

「アユ、ほら…」

 チュパッっと私の唇に、キスをする。昨夜も身体中を愛されて、舐められた。まだ挿入していないだけで、それ以外は全部しているような気がする…もちろん、彼の精液も飲んでいる。

「ん、先輩。…何時?」

「朝だよ…」

 先輩は、毎朝騎士団の鍛錬に参加していたが、今は私のお世話をしたいから、といって部屋にいる。今日は休日だから、もうちょっとゆっくりしたい。けど。私の顔に銀髪がハラリと当たった。

「先輩、髪伸びたね。あんなに短かったのに、長髪になっていて、再会した時ビックリした」

 二人で、裸でベッドに寝転んで。この1年。こうして二人で、落ち着いて何でもない話をすることもなかった。

「まぁ、願掛けかな。アユに、また会えるまでって。会えたら、会ったで、また恋人に戻れるまでって。今は、あと少しでこの魔術紋も消せるから、童貞をアユに貰ってもらうまで、かな…」

「先輩…」

 そう呟いた先輩は、寝転がりながら、嬉しそうに話をしてくれる。

「アユも…ずいぶん、背が伸びたな。ほっそりしたし、美人になった。まぁ、以前のアユも、可愛かったから、どっちも好きだけど」

 そう言いながら、髪を一房握って、クルクルと遊んでいる。

「可愛いよ…アユ」

 髪を口元に持ってきて、キスをする。

「先輩、でも、どうして急に…態度が変わったのですか?お許しが出た、って?」

 そうなのだ、いきなりシキズキ先輩が、まぁ、元に戻ったのは嬉しいけれど、その前までの態度はブリザードだったのだ。真冬から一気に春、というか真夏に移動した感じだ。

「あぁ、紋が消えたら、また話すよ」

 そう言って、先輩はまた手を私の腰に回し、胸を触り始めた。

「あン…先輩、ダメ」

「ダメじゃない。アユ、もいっかい」

 あの時、私はもっときちんと、先輩に理由を聞いておくべきだった。睦言の合間ではなく。ぼやかされた言葉の裏に、大切なことがあったのだ。

 でも、その時の私は、彼の与えてくれる快感に、久しぶりの魔力の匂いに、酔っていた。

「先輩、もう一回、だけでいいの?」

 ちょっとイジワルに、口を尖らせて、たきつけてみる。

「まさか!アユの充電が足りない。今から、5年分を取り戻す」

 そこまで燃えなくてもいいかな!と思った時にはもう遅い。私は、先輩のエロエロ☆スイッチを押してしまったようだ。そのことを後悔するのは、イかされすぎてヘロヘロになった私だった。

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