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しおりを挟む私は初めてのオナニーで、ちょっと恥ずかしかったけど、シキズキ先輩が精液を片付けた後に、私の横に寝転んで、髪を撫でてくれると、落ち着いてきた。
「アユ、もう一回聞くけど、心臓は大丈夫?」
「うん、普段と同じだけど…先輩のことを想うと、キュンってする」
「アユ…それは、俺もだよ。愛してるよ、アユ」
そう言うと、先輩はギュッと抱きしめてくれた。
「あと、上手に自分でオナニーできたね、イイ子だ。毎日、俺を思い出してオナニーすると、魔力循環も良くなるよ」
「え、先輩も、もしかして、オナニーしたから、魔力だまりが良くなったのですか?」
「あぁ、うん。もう、それこそ毎日、何回も扱いたよ。出せば出すほど、体調が良くなるからさ。もう、猿みたいに。オナニーばっかしていた」
「…本番は、しなかったの?」
先輩ほどの美貌であれば、女性も選び放題だったのでは。
「いや、それは思わなかったな。子どもだったし、周りにショタ好きの女性もいなかったし。何よりも姉さんの夫が、ヤバイくらい凄い女体本をいっぱい貸してくれたから。それだけで、むちゃくちゃオナニーした」
「そうなんだ…そっか。オナニーすると、魔力循環が良くなるなんて、知らなかったな…」
「男性だけだと、思われているのかもね。割と、スレイヤール王国では知られているけど、帝国は女性の開放度が低いからな…それも影響しているのかも、しれないな」
そうして、ごろんと横になった先輩は、ちょっとニヤけた顔をして、私に宣言した。
「だからさ、…俺。まだ童貞なんだけど」
「えっと、それって、その魔術紋が付いている限り、ドウテイ?」
「そう、ドウテイ」
なぜかドヤ顔でそう宣言した後、先輩は楽しそうに笑いながら、私に聞いてきた。
「アユ、いつか俺の童貞、貰ってくれる?」
「ん?それは…私の純潔が奪われるということ?かな?」
私は貰って、そして奪われるのか?
「はは、そうだな。アユ。愛しているよ」
はっきりと、約束したわけではない、けれど。通常、魔術紋をとるには、その術をかけた人が解術することが望ましい。そうすると、スレイヤール王国に帰国する必要がある。もちろん、先輩は帰るのだろうけど。
でも、でも。童貞を貰ってほしい、ということは。解術した後、また帝国に、来てくれるというのだろうか。私に、会うために。私の純潔を、奪うために。それは、貴族の娘としては…結婚を意味することだ。
こんなにも、愛を囁いてくれる人なら。…もしかしたら。
私は当時、わかっているようで、わかっていなかった。期待した分だけ、裏切られた時は、凄まじいことを。そう、私は期待してしまったのだ。先輩と歩む道を。望んではいけない、その先を。
天使のように優しい、そして悪魔のように酷い男は、また、私をギュッと抱きしめた。
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