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「アユ、ここに座って」

 そう言って、木に寄りかかりながら、大きく股を広げて座る先輩の胸に、私の背中を合わせて座る。先輩が腕を、私のお腹にまわして、後ろから抱きしめてくる。

「アユ、いい匂い」

 くんくん、と私の首元に顔を近づけて、匂いを嗅ぐ。汗臭いだろうが、先輩にとってはどうやら「いい匂い」になるみたい。こうしたところは、変わらず変態だ。

「アユ、こっち向いて」

 そう言って、私の顎を持ち上げると、優しくチュッとキスをしてきた。

「あ、イザーク先輩たちも、もうすぐ来ます…」

「彼らも、空気読むから大丈夫」

 そう言って、いつものキスが始まる。毎日しているけど、こうして野外でするのは初めて。普段と違って、鳥のさえずりも聞こえる中、私たちの唇を合わせるいやらしい音が、くちゅ、くちゅっ、と、響く。

「んっ、んん」

「ふ、アユ。舌、だして」

 先輩は、キスをするときは優しい声を出す。低く、甘い声は、私を蕩けさせる。私も舌を出し、唾液を絡ませる。先輩も私の口内に、唾液を飲ませるように、侵入してきた。

「っは、ぁぁ…」

 他の人のキスを知らないけど、きっとシキズキ先輩のキスは上手なんだと思う。だって、どれだけしていても、甘くて、気持ちイイ。

 本当に、魔力交換になっているのか、まだ私にはわからない。けど、最近の調子はいい。発作も、今のところおこっていない。

 私を抱きしめていた手が、ちょっと上の方に上がってきて、胸の所でとまる。

「アユ、いい?」

「ん、…ちょっと、だけ、ですよ」

 気持ちイイところで、さわさわと胸を揉み始めてきた先輩の手。止められるハズがない。

 乗馬服の上からだけど、形をなぞり、優しく包んでくれる手が、柔らかく刺激をくれる。

「アユ…ちょっと、中に手を入れてもいい?」

 そう言って、前のボタンを器用に外して、ついでに下に着ていたブラウスのボタンも外す。先輩は乗馬のためにはめていた手袋を、口にはさんでスッと外した。ちょっと冷たい手が、私の胸に直に触れてくる。

「あっ…ンん…っ」

 片方の手で私の胸を揉み上げながら、もう片方の手で顎を持ち、キスをする。時々唇を離しては、私に甘い言葉を囁く。

「アユ、アユ。柔らかくて、吸い付くような肌だな…たまらない。可愛いよ、アユ」

 本当に、この人は、甘い。

「アユ、ここが気持ちイイ?」

 そう言うと、私の胸の突起をキュッと摘まんだ。

「あんっ、ああぁぁ」

 急に与えられた刺激に、快感が突き上げてくる。もっと、本当は両手で触って欲しい。身体中にキスしてほしい。こんなことを考えるようになった私は、淫乱なのだろうか。でも、止められない。

「アユ、可愛い。…アユ、好きだ」
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